今回の私たちの看護技術支援プロジェクトを、ご支援という形で応援してくださる人数が150名になろうとしています。

 

たくさんの方からご支援や励ましのメッセージを頂き、ありがとうございます!!

 

先月出店しましたミャンマー祭りやJAM活動報告会などでお会いした支援者のみなさまからもあたたかいお言葉を頂戴しました。本当に多くのみなさまの支えがあって活動できていることをあらためて実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

今回は、私がメータオ・クリニックで看護ケアの支援をしたい!

と、その必要性を感じたことについてお話ししたいと思います。

 

 

私が昨年の8月からクリニックでのボランティアを始めてから、しばらく経ったある日のことでした。

 

外科病棟にとても大きな褥瘡(床ずれ)がある患者さんが3名も入院している、その患者さんたちの対応についてみんなで話し合う必要があるからと、ケース会議に呼ばれました。

 

当時、クリニックで看護師の資格を持っているのは私だけでした。

現地スタッフには医師や看護師などの専門職はおらず、海外からのボランティアがサポートをしています。

クリニックで唯一の看護師である私は、その3名の患者さんの、褥瘡ケアに関して皮膚の観察をして体位変換をすること、体を清潔に保つこと、栄養管理をすることを任されました。

 

日本の病院では看護師の仕事として普通に行ってきたことですが、現地のスタッフは看護ケアのことを学んでいないので、やり方を知らないのはもちろんのこと、それが自分たちのやるべき仕事であるとの認識がありません。このような患者さんの身の回りのことは付き添いの家族が担っているから、スタッフが行わなくてもよかったのです。

 

この3名の患者さんは、付き添い家族が幼いこども一人で患者さんのお世話ができない、体が不自由になったことが原因で家族に見捨てられて身寄りがない、配偶者や子供が付き添っているけど重症で家族の手には負えない、とそれぞれに、スタッフの助けが必要な事情がありました。

 

毎日、患者さんのもとへ行っては、一緒におむつ交換や体位変換、食事介助、シャワー浴などの看護ケアをしてくれるスタッフを探しました。私一人でやっていても、私がいなくなったら誰も代わりに患者さんを看てくれません。現地のスタッフが自分たちだけでできるようにサポートすることが私の役目だからです。

 

でも、私と一緒に患者さんのケアをしてくれるスタッフを見つけることは非常に困難でした。今までやらなくても問題がなかった(と思っている)ことをする必要を感じられなかったのかもしれません。また、クリニックでのボランティアを始めたばかりのよくわからない外国人の言うことには耳を貸してくれなかったのかもしれません。

 

それでも、私は毎日病棟へ通ってスタッフに声をかけ続けました。

 

中には一緒にオムツを替えてくれたり、皮膚のチェックをしてくれるスタッフもいましたが、「今は忙しいからあとで」と後回しにされることもありました。

 

日中は私がチェックすることもできますが、24時間ずっと私一人で管理することはできません。病棟スタッフは3交代で勤務しているので、私が見に来れない時間帯は夜勤のスタッフにしてもらえるよう引き継いでもらえるように伝えますが、そもそもスタッフ同士で患者さんの情報を共有するシステム自体がしっかりしていないので、それも難しいことの一つでした。

 

なかなか病棟での看護ケアが定着しない日々が続き、付き添いの家族がいない患者さんが日に日に痩せていきました。

この状況に私は危機感を覚えました。

このままでは、クリニックに入院しているというのに食事の介助をしてもらえないせいで餓死してしまう!!

栄養状態の低下によって、感染のリスクも高まります。

 

どうしたら患者さんを助けることができるのか?

状況を改善できない自分の無力さに涙しました。

 

スタッフのみんなに、患者さんをしっかり看てもらいたい・・・

私一人では限界がありました。

 

 

そのような中で、クリニックでの看護研修の準備が進んでいきました。

クリニックでの看護ケアの必要性が、スタッフの中でも認められてきたのです。

 

内科、外科、小児科、産科の4つの病棟それぞれから、25名の若いスタッフを選び、今年3月に看護ケアの研修が始まりました。

中心となってスタッフへ教えるのは、ミャンマー人の中でもカレン民族出身のトレーナーです。難民キャンプ内の病院での指導経験があり、クリニックスタッフの母国語であるカレン語とミャンマー語ができます。

この現地トレーナーもまた看護師ではないため、私は看護師として、研修内容を一緒に考えたり、研修のサポートをしました。看護倫理や看護計画については講義を、手洗いやシャワー浴などの清潔ケアでは実技を担当して、25名のスタッフに看護ケアとはどういうことか?どのようにしたらいいのかを伝えました。

 

【看護倫理についてグループワークをしています】

 

 

 

 

特に必要な項目については、手順を作成して実技試験をしました。

また、タイの公立病院での実習に付き添い、タイの病院での看護師の仕事を一緒に学びました。

 

この12月に第一期看護研修を終了したスタッフは、それぞれの病棟で患者さんのケアにあたっています。日本や他の多くの国では看護教育は3~4年のところ、今回の研修期間は病棟での勤務もこなしながらギュッと短縮して10か月です。日本の看護学生が勉強することと比べたらまだまだですが、「クリニックで患者さんを看護するのに最低限、これだけはできるようになってほしい」と私が思うことは研修の中に盛り込みました。

 

【スタッフ同士で、寝たきり患者さんの着替えと体拭きの練習。プライバシーと保温に注するのがポイントです。】

 

 

この一期生は研修は終わりましたが、病棟内で実践できるかというと、まだまだ不安なところがあります。4つの病棟で看護ケアが定着するまで、それぞれフォローする必要があります。

 

まだ他にも研修が必要な若いスタッフが大勢います。

 

今回のプロジェクトが成立したら、この看護研修一期生に対しての病棟での看護実践のフォローアップとともに、二期生への看護研修を実施します。

私たちJAMは、日本人の看護師を派遣し、クリニックの現地スタッフと協力して看護ケア技術支援を行います。

 

【現地スタッフと一緒に看護研修の会議】

 

 

手探りの状態で始めた今回の看護研修には、まだまだサポートが必要です。

 

一期生の看護研修に携わり、一年以上現地スタッフと一緒に過ごしていく中で、少しずつ私の顔を覚えてもらって、患者さんのケアをするにも一緒に取り組んでくれるようになりました。

 

引き続き、現地での看護ケア支援の活動を続けていけるよう、必要な医療資源を届けられるよう、ミャンマーで医療を求めている人たちのために、みなさまからのご支援をお願いいたします。

 

メータオ・クリニック支援の会

現地派遣員 神谷友子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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