「ホントに豊かな未来へ」

『アニメーションの語源をご存知でしょうか?』
ちょっと横道から書かせていただきます。
アニマ、命から生まれた言葉です。
僕がアニメーション映画の監督になって、一番幸せだった事は、この命について深く考えさせて貰えた事です。
本来は命無い絵や粘土などを少しずつ動かす事で命が芽生えたかのように表現する。その為に僕たちは懸命になります。
でも懸命になればなるほど、絶対に本当の命は生まれない事。命の大切さ、尊厳を思い知らされます。だから更に懸命になります。

そろそろ本題に入りますね。
この映画「私はワタシ」はその命の豊かさの作品だと思います。
一つとして同じでない、違う命だからこそ豊かに輝いている。
多様さは豊かさであり、美しさであり、強さであり、可能性です。
それは、きっと未来そのもの、可能性そのものである子供たちに贈りたい希望でもあります。
誰もが大切な命なんだ。そんな事を実感出来る、そんなこの映画をぜひ、学校や地域を通して贈りたい。
心からそう思います。
いま、必要な、そして大切な贈り物。それが、この作品です。
この「私はワタシ」が子供たちの未来を豊かにするに違いないと信じています。

最後に、映画監督の末席にいる者として、このような作品を創り出した皆さんに嫉妬しています。

 

アニメーション映画監督、演出家、脚本家
宇井孝司


宇井孝司
1961年生まれ。
テレビアニメーション「タッチ」で初演出。
「森の伝説」を手塚治虫氏と共同で監督。
「ジャングル大帝」にて(単独にて初)監督、脚本。
他に「葉っぱのフレディ」「たれぱんだ」「ゼノ かぎりなき愛に」など。
近年はオペラやクラシックコンサート、舞台劇や音楽朗読劇の作・演出、実写映画「校歌の卒業式」の脚本、監督なども行っている。

現在、ピースボートと共同で世界中の子供たちの絵による「平和交響曲」を監督中。