「人を貸し出す図書館」で多様な生き方を尊重する社会を作りたい

はじめまして、明治大学国際日本学部横田ゼミナールです。私たちのゼミナールでは現代社会における多様な生き方を尊重するために日々活動し、その一環として毎年ヒューマンライブラリーを開催しております。

ヒューマンライブラリーとは、2000年にデンマークの野外ロックフェスで誕生した 「人を貸し出す図書館」です。 社会的に差別や誤解を受けやすい人を「本」と見立て、来場者である「読者」に30分間貸し出し、一対一で、「本」の方の貴重な経験をお聞きします。 マイノリティの方への固定観念や偏見を減らすことを目的としたイベントです。

私たちはヒューマンライブラリーを通して、現代社会における多様性について考える機会を提供したいと考えております。このイベントは社会的に偏見を受けやすかったり誤解をされてしまいがちな人々が、自らの声を伝える場であり、『本』と『読者』が一対一の会話を通して、互いに理解し合い新たな気づきが生まれる場でもあります。今年度のヒューマンライブラリーのテーマは「その１ページが人生（セカイ）を変える」です。来場者の方の人生観を変える、一つのきっかけになるようなイベントを作りたいと思っています。

横田ゼミが開催するヒューマンライブラリーは日本最大規模で、今年で9回目になります。昨年度は「今日しか読めない本（ヒト）がいる」というテーマを掲げ、「誰でも気軽に来られる敷居の高くないヒューマンライブラリーにしたい！」「読者（来場者）にも本の方にも、日常生活ではできない体験をして欲しい」という思いを胸に活動いたしました。

その結果、年齢性別を問わず幅広い層の方、約300人の方にご来場いただくことができました。「貴重な経験ができた」「遠い存在だった本の方を自分の近くに感じられた」「心を開いて対話することの大切さを知った」等の感想をいただき、多くの方にとって、多様な生き方があることへの理解を深める場になったのではないかと思っております。

今年度も昨年の思いを引き継いで、さらに多くの方に訪れてもらえるヒューマンライブラリーの開催を目指し、現在ゼミ生たちが一生懸命取り組んでいます。

今年の明治大学ヒューマンライブラリーは、11月26日（日）に明治大学中野キャンパスで開催します（参加費無料）。当日は約30人ほどの「本」の方をお呼びする予定です。しかし、「本」の方々にお渡しする交通費や昼食代など、開催にあたり必要な資金が不足しております。多くの人により多くの「本」を貸し出すため、皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いします。

当日は来場していただいた読者の方々に「本」を身近に感じてもらうため、貸出だけではなく「本」に関する様々なイベントを企画しています。義足体験コーナーや障がい者プロレス「ドッグレッグス」レスラーによるスパーリング、「本」の方たちの写真展などを開催する予定です。

明治大学ヒューマンライブラリーは今年で9回目の開催となります。最初に比べて認知度は上がってきていますが、まだまだより多くの人にこの活動を知っていただきたいと考えています。

私たちは無意識のうちに「自分と違う人」に対して、恐れや偏見を持ってしまいます。ダイバーシティが重視される現代においてなお、その傾向は私たちの中に根強く残っています。明治大学横田ゼミナールは、ヒューマンライブラリーを通して「自分と違う人」について知り、多様性への理解を深めてほしい、また自分も「誰とも違う一人の人」であることに気づいてほしいと思っています。

「普通」ってなんだろう？その答えを見つけるため、今年も、そしてこれからも、全力でこの活動を続けていきます。