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東西中世を解き放つ「中世における文化交流」から中世学の未来へ

東西中世を解き放つ「中世における文化交流」から中世学の未来へ
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支援総額

133,000

目標金額 1,100,000円

支援者
9人
募集終了日
2020年2月28日

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プロジェクト本文

    «中世フランス写本の彩飾研究から、境界なき 人文科学研究の未来にむけて» 

 

 中世フランス写本の彩飾研究に従事して20数年(研究概要:https://researchmap.jp/TanabeM)。まだまだ研究者として一人前とは言えずとも、個人的な興味の対象を研究することから、自身の文化とは異なる文化にはぐくまれたモノを研究することの意義を問うことを経て、中世学や人文学研究の学際的・国際的なあり方を模索・実践するまでとなりました。

 そのひとつが、中世学者の国際的な組織メネストレル(http://www.menestrel.fr)の一員としての活動です。2012年に日本部門の担当を任されて以来、日本における中世学関連の情報をフランス語で報告するほか、メネストレルが年に二回開催する総会や研究集会に参加し、2017年11月には奈良の大和文華館にて若手研究セミナー«中世学のネットワークとツール»と、国際シンポジウム«中世における文化交流――対話から文化の生成へ»を開催するに至っています(事業内容詳細と英文報告書:http://www.menestrel.fr/?-Journees-Menestrel-&lang=fr#6084;邦語の報告書『西洋中世研究』第10号http://www.chisen.co.jp/book/b432715.html)。

ポスター制作:絵師 本橋Demir瞳 http://jamais-deja.com/

 

                           

看板提供:奈良県ビジターズビューロー/撮影:伊藤朋子 

  

       


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

«中世における文化交流»から

           『東西中世のさまざまな地平』、

                        そして«東西中世を解き放つ»へ

 

 2017年11月に開催した国際シンポジウム«中世における文化交流――対話から文化の生成へ»の成果論文集は、知泉書館(邦語版)とソルボンヌ大学出版会(英・仏語版)から出版されます。4か国(フランス、イギリス、オランダ、日本)の異なる専門分野(古書体学、歴史学、美術史学)の研究者5名(江川溫、Marc H. Smith 、Hanno Wijsman、 Benoît Grévin、田邉めぐみ)からなる編集チームの強力なチームワークと5か国19名の著者のご尽力、翻訳者の奮闘、知泉書館のご理解、そして公益財団法人笹川日仏財団と同出光文化福祉財団のご支援のもと、美術史、歴史、文学、比較文学といった様々な分野の様々な領域を扱う前代未聞の論文集が漸く仕上がりつつあります。

  『東西中世のさまざまな地平-』第一部     
 

 各論考は、寄稿者によって大幅に修正・加筆されているほか、上記シンポジウム発表者以外との共著も含まれるため、従来のシンポジウム議事録とは異なるものです。また、日欧研究者による共著、そして印章や紋章の日欧比較の可能性を問うなど、中世学の新たな在り方を提示する論考を含むうえでも画期的です。このような論文集を日本とフランスで刊行することにより、日本でヨーロッパ中世を研究する者や、欧州の日本学者のみならず、両文化圏で自国文化の研究に従事する者にも新たな視座を提示し得るため、国際的な学術交流の促進に寄与することにもなるでしょう。

 

『東西中世のさまざまな地平』第二部     

以上の成果が期待できる一方、2017年に始まった「中世における文化交流」事業には、幾つかの課題が残されています。まず第一に、本来の意味での「文化交流」という主題を未だ十分に扱えていないことです。異なる文化・学術背景を持つ者がアプローチしやすいことに加え、現在の国際情勢には「無関係(無用)」とみなされがちな学術的な視座や見解、そして交流がもたらし得る意義を確認せしめるものであるにもかかわらず、「文化交流」というテーマは異なる文化の「接触」「衝突」、あるいはその「移転」や「影響」「受容」といった側面に焦点があてられることが多く、「相互交流(互恵関係)」については看過されるか、傍流をなすに過ぎませんでした。細分化された分野や時代の枠組みの中で文化交流の相互性など問えるはずもないことを踏まえれば、このような事態は、人文科学研究が久しく抱えている問題を露呈しているようにも思えます。そして本事業もまた、そうした問題を解決できないままにあることを認めざるを得ません。

 第二の課題として残されているのは、日本における国際事業のあり方です。5か国(フランス、イギリス、オランダ、イタリア、日本)の研究者が集った上記の国際シンポジウムでは、交流に使用する言語選択の問題のほかに、日本学を専門としない外国人研究者が日本との比較研究に挑んだ成果に対応できる日本人の不在や、翻訳者の立ち位置の難しさなど、研究者間で今一度共有すべき問題が多数見受けられました。このような問題を解決してゆくには、様々な事業を展開することによって徐々に改善を図るほかありませんが、その際に多言語の習得や異文化を架橋する視座と技術の鍛錬が常に求められている日本の西洋学研究者が果たすべき役割は少なくないように思います。また、日本の人文科学のグローバルな展開には、日本と海外の研究者のみならず、日本国内の西洋学研究者と日本学研究者との円滑なコミュニケーションと確たる連携がますます必要になるでしょう。

 その具体的な取り組みを提示することが、本事業の目的です。異なる文化(フランス、ベルギー、オランダ、日本)・分野(日本・西洋美術史、西洋史、比較文学、フランス文学・文献学、文化史、科学・思想史)・世代の研究者が集い、「中世の文化交流」から「現代における国際的な学術交流」に論点を敷衍しながら中世学の未来をさまざまな視座から検討することは、異分野・異文化間の建設的な対話を可能とすると同時に、新たな化学反応が期待できます。また、研究成果のアウトプット言語や翻訳に関する問題を論議することで、日本の学術界の真の国際化に寄与することになるでしょう。

 

広報資料作成:絵師 本橋Demir瞳
   プログラム・発表要旨(JARSA

 

 

«東西中世を解き放つーー「中世における文化交流」から中世学の未来へ»

 

 

第一部タイムテーブル       

 国際研究集会は次の四部からなります。まず、第一部«中世写本の時空»では、フランスから来日する3名の中世学者に、様々な史実・文化・知識が集積された中世写本の贈与・再構築・伝播にかんする研究成果を披露して頂きます。西洋中世を研究する者にとって不可欠である写本は、昨今著しく電子化が進められ、日本でもさまざまな分野で優れた研究成果が重ねられてはいるものの、写本やそれを介した知識の広範な伝播や、散逸した写本の再構築といった研究を実施する困難に変わりはありません。それらの研究に従事するHanno Wijsman氏(フランス国立文献史研究所₋フランス国立科学研究センター)、Thomas Falmagne氏(ルクセンブルク国立図書館)、Isabelle Draelants氏(フランス国立文献史研究所₋フランス国立科学研究センター)の来日により、日本の中世研究者との建設的な関係が構築されることを願っています。イザベル・ドラーランツ氏と山中由里子氏(国立民族学博物館)は、上述の国際シンポジウムを契機として実現されることになったため、様々な「境界」を超えた共同研究の具体的な成果を示していただけることになるでしょう。

 第二部«再考「中世における文化交流」»では、上記の国際シンポジウムでは扱いきれなかった本来の

   第二部・第三部タイムテーブル     

意味での「文化交流」を、現代において如何に論じるべきなのか、あるいは「中世」という人為的でありながらも多義的な枠組みの中で如何に論じ得るのかを検討します。イントロダクションでは、上記の事業で喚起された問題を踏まえた上で、「文化交流」というテーマが孕む様々な問題を筆者が開示した後、島尾新氏(学習院大学)と小澤実氏(立教大学)に、それぞれの専門分野である日本中世美術史と西洋中世史において当該主題がどのように扱われているのか、また同主題の展望を報告して頂きます。

 第三部«国際日本学を拓くーー日仏翻訳の諸問題»では、「中世における文化交流」というテーマを「現代における国際的な学術交流」に敷衍し、そのツールとしての言語に関して、当該事業の日仏翻訳に従事して頂いたフランス文献学研究者の島崎利夫氏(東京大学後期博士課程)と西洋史を専門とする室崎友也氏に、自らの経験に基づいた具体例を引きながら問題点とその対処法を明示して頂きます。また、上記論文集にBenoît Grévin氏(パリ社会科学高等研究院-フランス国立科学研究センター)との共著を寄稿して頂いたフランス文学研究者の黒岩卓氏(東北大学)には、国際日本学における日本の外国文学・外国語研究者の在り方について報告して頂きます。以上の報告で提起される問題や提案をもとに、聴衆や他の発表者との活発な意見交換を促し、国際的に学術活動を展開するうえでの留意点や今後改善すべき事項などを取りまとめることを、「中世における文化交流」事業の顧問・監査・編者・訳者として参画して頂いた江川溫氏(佛教大学)にお願いしています。

 

       第四部タイムテーブル        

第四部«文化と分野の交差点から生まれ出づるもの»では、日仏間の相互交流が顕在化している近代の事例を西洋美術史家の藤原貞朗氏(茨城大学)に報告して頂くとともに、中世学者ではないものの、さまざまな学術活動を国際的・学際的に展開しておられる比較文化がご専門の稲賀繁美氏(国際日本文化研究センター)に中世学の未来への提言を総括として行って頂くことにより、当該企画が参加者それぞれの発展的な未来につながることを期待しています。

 

 

 

«中世学から人文科学の未来を問う»

 

 専門分野の細分化が著しく進み、人文科学研究の意義がますます懐疑されるようになっています。このような問題が多くの研究者に認識され、「異分野融合」のための様々な学術活動が試みられてはいるものの、残念ながら「異なるものの寄せ集め」に終始している場合が少なくありません。いっぽう、研究分野、学閥、国籍、世代といった様々な境界を越えた多彩な事業をいち早く展開してきたフランスでは、諸分野の有機的な結びつきから生み出される成果の豊かさが広く共有されています。そのことを踏まえれば、日本において各研究者が領域横断的にそれぞれの研究課題を捉え直す契機となる「場」を限りなく多く設けることで、新たな知見と理論が各専門分野にもたらされるのみならず、学術界全体の刷新が期待できるのではないでしょうか。

 2017年以来、さまざまな成果を生み出してきた「中世における文化交流」事業を、日仏会館で開催

  日仏会館ホール(提供:日仏会館)    

する国際研究集会«東西中世を解き放つーー「中世における文化交流」から中世学の未来へ»の開催で締めくくることは、日本におけるフランス語やフランス関連研究の発展、日本とフランス間の学問と文化の交流、そして両国の相互理解と強調精神に基づく「共同出生」といった日仏会館創設時以来の課題や理念に、「中世における文化交流の相互性」というこの事業の主題を介して改めて向き合い、その成果を中世学の発展的な未来につなげることを望んでいるためです。また、このような成果を多分野の日仏関係者に広く共有して頂くことを切望しているためでもあります。そして、そこから生まれ出づるものこそが、人文科学の真の意義と、大きく開かれた未来を確認せしめるものと信じています。

 

※当該事業は、2020年2月10日時点で運営資金不足のため延期となりました。現在のところ、2020年6月、あるいは同年9月から11月の間に実施することを予定しております。今後の日程に関しましては、3月末から4月上旬にメネストレル(www.menestrel.fr)及び、日本学術研究支援協会(JARSA)のウェブサイトでご案内させて頂く予定ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロジェクト終了要項

開催日時    
2020年3月8日(日)9時30分~19時→延期(2020年3月末日までに実施日を再決定)

開催場所    
日仏会館(恵比寿)URL: https://mfjtokyo.or.jp/

主催者    
メネストレル日本部門代表 田邉めぐみ

イベント内容    
名称:東西中世を解き放つーー「中世における文化交流」から中世学の未来へ
URL:MENESTREL/日本学術研究支援協会(JARSA)
内容:2017年に開催した国際シンポジウム«中世における文化交流――対話から文化の生成へ»の成果論文集『東西中世のさまざまな地平ーーフランスと日本の交差するまなざし』の刊行(2020年4月を予定)を記念して,「中世における文化交流」を中世学の更なる発展につなげる事業。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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リターン

3,000


東西中世を解き放つ

東西中世を解き放つ

国際研究集会報告書(PDF版)を開催日の一か月後にメールでお送りさせて頂きます。
内容:
①発表要旨(仏語、邦語)
②「「中世における文化交流」の多様性と多義性から見えてくるもの」(田邉めぐみ)
③「中世における文化交流」事業参考資料集―これからの文化交流のために」
④参加記(執筆者:堀越宏一)
⑤決算報告書

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年11月

5,000


alt

東西中世を解き放つ2

①国際研究集会«東西中世を解き放つ»関連事前資料(実施日の3日前にメールで送信):
・発表要旨(仏語、邦語)
・来日メンバー3名の発表原稿翻訳集
・大和文華館特別企画展(2017年11月17日~12月24日)《書の美術―経典・古筆切・手紙》チラシ,テーマ解説(古川攝一);展示品案内書仏語版(島崎利夫)。
②国際研究集会の名札(開催日に開催会場である日仏会館にお越しになる方のみ)。
③国際研究集会«東西中世を解き放つ»報告書(開催日の一か月後にメールで送信)。
・「「中世における文化交流」の多様性と多義性から見えてくるもの」(田邉めぐみ)
・「中世における文化交流」事業参考資料集―これからの文化交流のために」
・参加記(執筆者:堀越宏一)
・決算報告書

支援者
0人
在庫数
80
発送完了予定月
2020年11月

10,000


東西中世を解き放つ+東西中世のさまざまな地平1

東西中世を解き放つ+東西中世のさまざまな地平1

①国際研究集会«東西中世を解き放つ»関連事前資料(開催日の3日前にメールで送信):
・発表要旨(邦語、仏語)
・来日メンバー3名の発表原稿翻訳集
・大和文華館特別企画展(2017年11月17日~12月24日)《書の美術―経典・古筆切・手紙》チラシ,テーマ解説(古川攝一);展示品案内書仏語版(島崎利夫)。
②国際研究集会の名札(開催日当日に会場である日仏会館にお越しになる方のみ)。
③国際研究集会«東西中世を解き放つ»報告書(開催日の一か月後にメールで送信):
・来日メンバー3名の発表原稿翻訳集修正版
・「「中世における文化交流」の多様性と多義性から見えてくるもの」(田邉めぐみ)
・「中世における文化交流」事業参考資料集―これからの文化交流のために」
・参加記(執筆者:堀越宏一)
・決算報告書
④『東西中世のさまざまな地平ーフランスと日本の交差するまなざし』1冊。(知泉書館,2020年4月刊行予定。出荷の準備が整い次第、郵送)。

支援者
3人
在庫数
47
発送完了予定月
2020年11月

20,000


東西中世を解き放つ+東西中世のさまざまな地平2

東西中世を解き放つ+東西中世のさまざまな地平2

①国際研究集会«東西中世を解き放つ»関連事前資料(開催日の3日前にメールで送信):
・発表要旨(邦語、仏語)
・来日メンバー3名の発表原稿翻訳集
・大和文華館特別企画展(2017年11月17日~12月24日)《書の美術―経典・古筆切・手紙》チラシ,テーマ解説(古川攝一);展示品案内書仏語版(島崎利夫)。
②国際研究集会の名札(開催日当日に会場である日仏会館にお越しになる方のみ)。
③国際研究集会«東西中世を解き放つ»報告書(開催日の一か月後にメールで送信):
・来日メンバー3名の発表原稿翻訳集修正版
・「「中世における文化交流」の多様性と多義性から見えてくるもの」(田邉めぐみ)
・「中世における文化交流」事業参考資料集―これからの文化交流のために」
・参加記(執筆者:堀越宏一)
・決算報告書
④『東西中世のさまざまな地平ーフランスと日本の交差するまなざし』1冊。(知泉書館,2020年4月刊行予定。出荷の準備が整い次第、郵送)。
⑤広報資料と報告書に御芳名を記載(希望者のみ)。

支援者
5人
在庫数
15
発送完了予定月
2020年11月

30,000


東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ3

東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ3

リターン«東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ2»に加え、下記の発表原稿を4月8日に送信させていただきます。
・Hanno Wijsman« Les manuscrits de la fun du Moyen Age comme témoins de la vie politique et diplomatique».
・島尾新「中世における文化交流」は可能か?--日本美術史の場合(仮題)


支援者
0人
在庫数
-
発送完了予定月
2020年4月

1,000,000


東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ4

東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ4

リターン « 東西中世のさまざまな地平+東西中世を解き放つ3»に加えて、ご芳名を、国際研究集会« 東西中世を解き放つ »の広報資料と、報告書に記載させていただきます。
*注意事項:このリターン③に関する条件の詳細については、リンク(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「リターンに関するご留意事項」で、ご確認ください。

支援者
0人
在庫数
-
発送完了予定月
2020年4月

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