地方の殖産産業を通じて日本の少子化対策慈業

日本は2008年に至るまで戦後ずっと人口が増加してきました。

ピークだった、2008年の1億2769万人から昨年は1億2415万人へと、この15年で354万人もの人口が減少いたしております。

減少した数は、日本最大の都市　横浜市の373万人に匹敵する数値で、特に14歳までの若年人口が、1718万人から1428万人と290万人減少しております。この数は日本第2の都市大阪市の269万人を超える数値で、少子化がどれだけ「ヤバい」かわかる数値であると思われます。

さて、日本は2008年に至るまで人口が増え続けておりました。その間、ほぼずっと経済成長を遂げてきました。

日本の人口と名目GDPの相関係数は0.958とこの上なく強い相関があります。

相関係数を2乗するとその物事の理由になるという統計学の考え方から、日本の名目GDPが伸びてきた91.8％の理由は、人口が増加していたからとみることもできます。

経済学で三面等価の原則、という言葉があります。

経済活動するうえで、モノやサービスをつくる生産と、それを消費する、消費するための所得の三方が等しい関係にあるという考え方です。

人口統計の考え方に、「生産年齢人口」というものがあります。生産年齢とは15歳から64歳までを指し、日本は1995年に生産年齢人口がピークを迎えました。

この三面等価の原則が正しいのであれば、生産年齢が減少すれば、当然所得も生産も減るということになります。

一方、1995年から昨年までの生産年齢人口と、名目GDPの相関係数を計ってみたところ、-0.309という負の相関がみられました。つまり人口減少しているのに、経済は成長していることになります。

実はこの生産年齢人口の大部分含まれる労働力の増加以外に、経済成長ではあともうふたつの要素があり、これら3つあわせて経済成長が図られるものです。

その要素とは、

ひとつが、技術革新

もうひとつが、資本（貯蓄＝投資）

です。

技術革新については、別段に譲るとして、資本（貯蓄＝投資）が増えたおかげで日本は経済成長を果たしてきました。

金融資産のうち現預金は1995年およそ1000兆円だったのに対して、最新データである2021年は2007兆円と倍以上、株式などの有価証券はおよそ500兆円だったのに対し、2023年は1143兆円と倍以上、保険が80兆円から139兆円、年金は120兆円が274兆円と倍以上になっており、金融資産、つまり資本が大幅に増えたことが影響しています。

こうした金融資産を倍増させることができたのは、日本銀行の金融緩和策によるものであり、日銀が市場にお金を供給し続けた結果、金融資産が増え、経済成長への投資ができる状態にあったものと考えられます。

今回の弊社のプロジェクトは、これを市井（しせい）でかつ小型コミュニティの経済圏、つまり信金のエリアで実施することにより、地方の経済を活性化していこうというものです。

今、街の経済のポンプ役（心臓）である信用金庫に資本（血液）が流れ込みにくくなっており、特に法人の預金量に至っては減少に転じております。

コロナの影響がまだまだ地方や中小零細事業者には残っております。こうした先の課題解決し所得を高めることこそ、三大都市圏への人口流入を止める最善の策であると考えております。