大空へ飛んだ!筋ジストロフィー患者が熱気球体験
9月30日に実施予定だった熱気球体験プロジェクトですが、残念ながら台風の影響で延期になっていましたが、10月14日にみんなの願いが叶いとうとう実現することができました。
プロジェクト当日の様子を報告させていただきます。
見事な晴天でまさに絶好の熱気球日和!!
福岡県支部役員や協力していただいたビーバーバルーンクラブ関係者が7時30分に会場である若久特別支援学校グラウンドに集合し、早速打ち合わせや準備に取りかかりました。
8時から開会式ということもあり、続々と参加者が会場入りしましたが、朝が早かったためか眠たそうにしているこどもの顔も(笑)
当日は福岡県支部会員9家族25人と障がい児施設の子どもたち20人、バルーンクラブのメンバー18人、ボランティアや見学者が10人が参加しました。
開会式では日本筋ジストロフィー協会福岡県支部を代表して私が主催者挨拶をして、今回のプロジェクト実施に当たってたくさんの方のご厚意に対し謝辞を述べました。
そして、ビーバーバルーンクラブの鶴崎代表が挨拶しましたが、その中で「昔、無線で知り合った筋ジストロフィー患者が熱気球に乗りたいと言われたのがこの会の始まりです」とクラブの説明がありました。
「それをきっかけに福祉施設や特別支援学校など約400回ぐらい全国各地で熱気球を飛ばしてきました。今回の依頼の話が合ったとき、筋ジストロフィーと縁があった私たちだからこそぜひお受けしようと思いました」
そんなありがたい言葉をいただき、開会式が終わり、フライトの準備へ。
胸が高鳴ります。
まずはバルーンを膨らませるところから見てもらうことに。
ぺっちゃんこのバルーンを横に寝かせ大きな扇風機で風を送り込みます。
どんどん大きくなる様子に、見ていた参加者からどよめきが。
「おぉ、でかい・・・」
準備が完了し、いよいよフライトへ。
熱気球のフライトは、車椅子のまま乗れるように通常のより大きく作られたもの。
車椅子の目線でも地上が見えるように、バスケットの扉に工夫がされています。
バスケットの乗降口には少し段差があるので、バルーンクラブの皆さんが4人がかりで車椅子を抱えてくれました。
バスケットには車椅子1台ずつしか乗れないので、あらかじめ決めていた順番に一人ずつ体験することに。
「ボォー!ボォー!」
ガス燃料を燃やし大きな音でバルーンに暖かい空気を送ります。
しばらくその様子を見ていると・・・。
「飛んだ~!」大きな歓声が上がりました!
初めて気球に乗った子どもたちは、不安そうな顔と期待感あふれる笑顔が交錯。
中には気球が地上を離れた瞬間「キャーー!」と叫ぶ子も。
「ジェットコースターじゃないんですけど」(笑)
そんな叫び声もつかの間、じわりじわりと上空に熱気球が上がっていくと、今度は「おぉ~」といううなり声が。
空から見下ろした町並みや遠くに見える山が感動的!
約5分間のフライトはあっという間に終わり、地上へと戻ってきた子どもたちはみんな満足そうな笑みを浮かべていました。
そんな様子を順番待ちしていた人たちは、自分の順番が回ってくるのを期待感を高めながら待っていました。
ちなみに今回、ビーバーバルーンクラブのありがたい計らいにより、待っている人が退屈しないように、綿菓子など振る舞っていただきました。
綿菓子を食べながら、待ち遠しく青空を眺めている姿がとても印象的でした。
閉会式で参加者を代表して須尭雅弘君(高校2年生)がお礼を言いました。
「今日は、僕たちのために気球を飛ばしてくれて、ありがとうございます。
テレビで気球が飛んでいるのを見て、一度乗ってみたいと思っていました。
車椅子のまま乗れるとは想像していなかったので、乗れると聞いたときは驚きました。
クラウドファンディングでたくさんの方が応援していることを感じ、うれしく思いました。
今日気球に乗れたことで、目標に向かって努力すれば、どんなことも達成することができると感じることができました。
手伝って下さった皆さん、今日は本当にありがとうございました」
閉会式後、福岡県支部会員とビーバーバルーンクラブのメンバーは場所を移動し、食事をしながらの交流会。
福岡市南区のレストランで食事をしながら、談笑しました。
最後は改めて感謝の気持ちを伝えながらお別れして、プロジェクトは大成功に終わりました!
最後に
参加家族からは「息子がとても喜んでいたので、とても良かった。私自身も熱気球に乗ることが夢だったので、息子と一緒に体験できて本当に感謝しています」と満面の笑みでした。
今回のプロジェクトは筋ジストロフィー患者のQOL向上が目的でスタートしました。
筋ジストロフィーは成長するにつれ筋力が低下する難病です。
いまだに根本治療法はなく、身体の自由が奪われます。
そんな筋ジストロフィー患者にとって、今を大切に生きること、生きがいのある生活を送ることが何よりも重要です。
参加した子どもたちは全員笑顔で目を輝かせていました。
そして、お礼の言葉にもあったように、「努力すればどんなことも達成できる」と子どもたちは感じてくれたようです。
そういった意味では今回のプロジェクトは、当初の目的を達成できたと、役員一同とてもうれしく思います。
今回のプロジェクト実施に当たり、クラウドファンディングに支援していただいた皆様を始め、ビーバーバルーンクラブやボランティアの皆様などたくさんの方にご支援いただきましたおかげだと感謝しております。
本当にありがとうございました。
関係者の皆様には後日、参加した子どもたちの声などを記したサンクスレターを年内には送付いたします。
今回のプロジェクトにかかった費用は会員やバルーンクラブメンバーの交通費や損害保険、燃料費、交流会等ありましたが、クラウドファンディングでご支援いただいたもので
すべて当てさせていただきました。
サンクスレターの印刷や送料などこれから必要な費用もありますが、再延期がなかったため、若干余っています。
これについては、福岡県支部のこれからの活動にあて、筋ジストロフィー患者のQOL向上に使わせていただきたいと思います。
簡単ではございますが、当プロジェクトの報告とお礼の言葉とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
今回の取り組みはたくさんのメディアが取材に来ました。
下の写真は読売新聞と毎日新聞です。
また、KBCテレビは当日昼間のニュースで放映しました。
西日本新聞は9月25日に事前にお知らせしてくれました。