今日は「雪崩情報」の展開するために重要な要素の一つである「雪の掲示板」についてお話致します。
  
現在、各地で雪崩安全セミナー「アバランチナイト」が開催されていますが、それに合わせて、「雪の掲示板」登録者に対する勉強会が開催されています。シーズンインを前に、重要事項の確認と改修される掲示板についての説明などが行われています。
  
「雪崩情報」を展開するためには、フィールドで活動した人から寄せられる積雪コンディションの情報が必要です。そのために日本雪崩ネットワークでは、標準化された『気象・積雪・雪崩の観察と記録のガイドライン』を定め、使用しています。各自が独特のやり方で行っていては、情報交換できないからです。また、実際にガイドラインに沿って積雪内部の状態や発生した雪崩を観察し、記録を付ける専門講習会「雪崩業務従事者レベル1」を2002年から開催しています。そこでは下記にあるような耐水紙で作られた専用のノート「フィールドブック」を使い、フィールドで記録を付ける訓練が実施されています。

    
レベル1は、山岳ガイドやスキーパトロールなど現場プロを対象とした一週間に渡る雪崩に係わる包括的な専門講習会ですが、その重要な要素の一つがガイドラインに沿って観察記録する訓練なのです。このレベル1に合格した人の内、パブリックセイフティに貢献する意志を持った方が日本雪崩ネットワークの会員になり、「雪の掲示板」に登録しています。現在、60名ほどの掲示板登録者がおり、下記グラフのようにそのデータ投稿数は右肩上がりで増えています。
  

(ガイド会社などの場合、複数の協力者の情報が 

一つのデータとして整理されています)

  
今回のクラウドファンディングのプロジェクトの説明でも触れておりますが、山岳の積雪は場所による異なり(空間的多様性といいます)があり、なおかつ、多数の事故原因となっている持続する不安定性も生じやすい環境にあります。それゆえ、専門的な訓練を受けた人によるネットワークによって、現在、どのような状況にあるのかを把握することが必要不可欠なのです。
  
山岳積雪を的確に把握することの困難性に対して、多くの人が協力することの重要性を、北米のある雪崩専門家は「皆が協力すればアインシュタインにも優る」と表現しています。新しくなるウェブサイトでは一般の方からの情報提供も可能となるフォームも設ける予定ですし、2年前から実施しているTwitterを利用した雪崩写真の募集などもこのような考えに基づくものです。
  
引き続き、ご支援をよろしくお願い致します。

出川あずさ

日本雪崩ネットワーク

 

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