当センターのプロジェクトページをご覧いただきありがとうございます。名古屋大学減災連携研究センターの北川です。

 

 「概要」でも記載しておりますが、過去の災害を探る手掛かりは当時のことを記した史料(古くは古文書や石碑など、近代では調査報告書や市町村史など)であり、研究者達はこれらを判読・レビューしながら現地調査に赴いています。

 

 …とはいっても、昔の文献っていかにも難しそうですよね。私も専門ではなく、どれくらい難解なものなのか、過去の災害がどのように記されているのか。非常に興味があります。そこで今回は、当センターで古文書の判読や災害啓発活動を実施している古文書勉強会(主宰:平井敬助教)へ潜入し、実際に判読した古文書を見せてもらってきました。

 

 今回見せてもらった古文書は、名古屋大学附属図書館所蔵の「小川家文書」です。尾張藩士であった小川家に伝わる文書で、内容は売買の記録、遺言、日々のメモ等、様々です。そしてその中に、嘉永7年(1854年)に相次いで発生した安政東海・南海地震※(いわば、”幕末版”南海トラフ巨大地震)に関する記述があります。

※この地震は嘉永7年のうちに発生しましたが、その後改元されて安政元年となったことから、安政の名を冠しています。

 

 そのうちの1ページを拝見しました。皆様、どのくらい読めますか?

 

 

 漢字のような部分はところどころ、読めるような気もしますが、全体の内容については伺い知ることができません。平井助教によると、古文書の判読が難しいポイントとして、草書と呼ばれる文字の原型をとどめないほどのくずし字が使われていることに加えて、下記のような点があるとのこと。

 

①「合略仮名(ごうりゃくがな)」

 複数のかな文字を合わせた文字のこと。例えば、小川家文書のこの文字(青丸囲い)、

「より」と読みます。うーん、読めない!(笑)他にも、「ヿ」は、「こと(事)」と読むそうです。

このような文字は他にもたくさんあり、頻出するそうです。

 

②旧字体

 オレンジ色で囲った文字は「燈」ですが、これは「灯」の旧字体であり、現代で普段使われる文字ではありません。さらに見ての通り、字体に「くずし」が入っています。

 

③当時の言葉遣い

 緑で囲った文字は、候(そうろう)という字です。時代劇などではよく聞きますが、もちろん、現代語ではありませんよね。こちらもくずし字になっています。

 

これらの難関を乗り越え、古文書勉強会が判読したものが下記の文章です。

地震による被害の様相や、被災した人々の動きを伺い知ることができますね。

 

次回は、古文書勉強会が行っている防災啓発活動についてリポートします。お楽しみに。

 

 

 
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