「海鷹丸」で探る!南極海で生まれ育つ "魚" の暮らしと地球の未来
寄付総額
目標金額 4,800,000円
- 寄付者
- 198人
- 募集終了日
- 2023年3月8日
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プロジェクト本文
終了報告を読む
はじめに
はじめまして、東京海洋大学 海洋環境科学部門 教授の茂木正人と申します。私たちの研究チームは、東京海洋大学の練習船「海鷹丸(うみたかまる)」で南極海の生態系の研究をしています。
今回のプロジェクトでは、魚やイカの赤ちゃんが南極海でどのような暮らしをしているのか、海鷹丸に乗って調査します。彼ら赤ちゃんの生活を知ることは、気候変動や海氷変動がどのようなプロセスで生態系全体に及ぶのかを理解するうえで重要な要素です。本プロジェクトでは、近年技術的に大きく進歩してきたDNA解析を用いた調査で、世界に先駆けて生態系変動が起こる要因の一端の解明を目指します。
しかし、南極調査には莫大な資金がかかります。通常、私たち研究者・大学教員は、競争的資金とよばれる日本学術振興会の科学研究費補助金を獲得し、研究活動を維持しなくてなりません。ですが、基本的に研究費以外の使用が認められないため、今回のプロジェクトのように研究の成果を皆さんに公表・還元することにあまり大きな比重を置くことはできません。
私たちはこのプロジェクトを通じて、南極海で起こっていることが別世界のことではなく、身近な環境問題のひとつとして考え、行動に移すきっかけとしていただけたらと思い、クラウドファンディングへの挑戦を決意しました。
私たちはこのプロジェクトを通じて南極調査費の一部を募るとともに、多くの方に南極海で起こっていることが別世界のことではなく、身近な環境問題のひとつとして捉えていただく機会に。そして、本プロジェクトへのご寄附という行動を、環境問題解決のためのアクションの一つとしていただけたらと思い、クラウドファンディングへの挑戦を決意しました。
ご寄附という一つのアクションを通してプロジェクトに参加いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
南極での研究とは
私たちにとって南極大陸・南極海はあまりに遠く、「氷に覆われた未知の別世界」というイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。
しかし、日本も南極も同じ地球上にあります。私たちが住む日本やその周辺には生態系があります。そしてもちろん南極にも生物が棲み、そこには生態系があります。
日本を含む北半球と南極の生態系は、海流や大気の流れだけではなく、海鳥や鯨など大きな動物の季節的な移動によって繋がっています。つまり、南極海で起こっている気候変動・環境変動は生物の暮らしに影響し、その影響は大型動物の移動を介して速やかに地球全体に伝播するといえます。もちろん逆に、日本における環境変動は南極にも影響を及ぼしていることになります。
「地球はひとつのシステム」
私たちは生態系を考えるときにこんな捉え方をします。
南極海の生態系を明らかにする研究を通して、生態系の現状や地球の未来について考えていきたいと思っています。
プロジェクトメンバー
茂木正人|東京海洋大学 海洋環境科学部門 教授
1986年3月 神奈川県立鎌倉高校卒業
1997年3月 東京水産大学大学院水産学研究科博士後期課程修了(博士(水産学))
2000年4月 福山大学海洋生物工学科助手
2002年4月 東京水産大学助手などを経て、2008年10月より東京海洋大学准教授(2021年3月まで)
2008年3月 オーストラリア南極局で訪問研究員(2009年2月まで)
2013年4月 国立極地研究所 研究者交流促進プログラム研究員(2013年9月まで)
2014年4月 国立極地研究所 客員准教授(2019年3月まで)
2019年4月 国立極地研究所 准教授(クロスアポイントメント)
2022年4月 東京海洋大学 教授・国立極地研究所 教授(クロスアポイントメント)
私が本格的に南極海の研究に重心を置くようになったのは2008年頃からです。この年、オーストラリア、フランス、ベルギーとの共同研究航海を海鷹丸で行い、計画策定から成果の取りまとめ、論文出版まで携わり、これ以降南極から逃げられなくなりました。これまでに、南極海の生物に関わる学術論文等を40本以上出版し、魚類や動物プランクトンの分類・生態について明らかにしてきました。最近は立花博士とタッグを組んで研究を進めています。
【メッセージ】
私たちの研究室からも、毎年大学院生が研究者のたまごとして参加します。今年乗船する学生は、大学の実習程度しか乗船経験が無い女子学生です。先日も、日本近海で行われた練習航海では船酔いにやられて苦しんでいました。そのような学生を何人も見てきましたが、1か月近くの南極航海が進むにつれ、頼もしく成長し航海の終わりまでには一人前の研究者の顔になります。世の中には実験室で完結する生物学もありますが、過酷な現場に出向いてサンプルを収集するところから始まる生物学もあります。学生皆が将来研究者になるわけではなく、彼らにとってこの研究や航海は長い人生の中では一瞬かもしれませんが、意味の大きい1ページになると信じています。このプロジェクトを通じて彼らの成長も見守ってもらえたらうれしいです。
このように、日本にも南極海の生態系を研究する研究者や若者がいて、研究は少しずつですが前に進んでいます。このことを皆さんに知ってもらい応援していただくことは、私たちにとってさらに大きな力となってくれるはずです。クラウドファンディングを通してこの研究の認知度を広げることで、継続的・安定的な研究資金の獲得を実現するとともに、地球の未来を考える機会を増やしていきたいと考えています。皆さんの温かいご寄附、よろしくお願いいたします。
立花愛子|日本学術振興会(東京海洋大学)特別研究員
2003年3月 青森県立田名部高等学校卒業
2012年9月 東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科博士後期課程修了(博士(海洋科学))
2013年10月 東京大学大気海洋研究所 特任研究員(2018年3月まで)
2018年4月 東京海洋大学 博士研究員(2022年3月まで)
2022年4月 日本学術振興会特別研究員(RPD)
2022年8月 第2子出産のため産休・育休中(2023年5月復帰し23年度の南極航海に乗船予定)
東京海洋大学と東京大学大気海洋研究所で、動物プランクトンの形態による分類と遺伝子解析技術を身に着け、2018年から東京海洋大学に博士研究員、特別研究員(日本学術振興会)として所属。これまでに、石丸先生や茂木先生にそそのかされて、4回の海鷹丸の南極航海に参加。南極海の動物プランクトンの分布・群集構造と海洋環境との関係について研究を進めています。本プロジェクトでは、魚の赤ちゃんの食べ物を明らかにするために、胃内容物のDNAメタバーコーディング解析を担当。
【メッセージ】
南極海は、激しく揺れる台風のような海域、暴風圏を超えた先にあります。揺れが落ち着いたころにたどり着く海は夏でも極寒です。そんな環境の中で、霜焼けになるほど冷たい海水を全身で浴びながら、魚やプラクトンを採集し、昼夜に関わらず観測は進みます。ホッカイロが手放せません。過酷な南極海での観測ですが、海鷹丸の乗組員や専攻科生のサポートを受け、これまで多くの生物・物理・化学の研究が行われてきました。海鷹丸にしかできない南極海観測があるんです!現場の様子もお伝えしますので、ぜひ一緒に南極海航海に行ったつもりで応援していただけたら嬉しいです。
遠い南極海にも身近な海と同じように多様な生き物が生息し、食べたり食べられたり、互いに繋がりながら生態系が成り立っています。今回のプロジェクトで扱う魚類やイカ類の多くは、南極海にのみ生息する、南極固有種であり、南極海の環境の中で独自に適応・進化した生物です。南極海で産まれ育つ魚の研究、ワクワクしませんか?研究を通して見えてくる地球の環境変動と生態系について、大人はもちろん、子供でも、親子でも一緒に考えていけるようなプロジェクトにしたいと思っています。皆さまのご寄附をお願いいたします。
長谷川真由美|東京海洋大学 海洋科学部 事務補佐員
神奈川県生まれ。1社目のIT企業、2社目の精密機器メーカーともにデザイン部門における総務担当として勤務。子育てに専念していた時期を経て、この度東京海洋大学 海洋科学部 茂木研究室事務補佐員として復帰させて頂くこととなりました。趣味はピアノ。ペットは、田んぼで捕獲したアマガエル3匹と、ペットショップから12年前にお迎えしたアカハライモリのイモちゃん。第4級アマチュア無線技士の資格を保有。しかしながらまだ無線に触れたことがないため、南極昭和基地に開設されたアマチュア無線局8J1RLといつか交信したいという憧れを持っています。
【メッセージ】
私の職務は、多くの皆さまに本プロジェクトを知っていただくための広報活動を行うことと、事務業務をサポートすることです。南極海の生態系の研究を裏方として支えられるよう努めてまいります。皆さまのご寄附、ご協力をよろしくお願いいたします。
今回のプロジェクトについて
はじめまして、東京海洋大学 海洋環境科学部門 教授の茂木正人と申します。私たちの研究チームは、東京海洋大学の練習船「海鷹丸(うみたかまる)」で南極海の生態系の研究をしています。私は、これまで11回、海鷹丸の南極航海に参加し、魚類や動物プランクトンの分類・生態について明らかにしてきました。
練習船「海鷹丸」
私たちは、東京海洋大学の練習船「海鷹丸(うみたかまる)」でさまざまな研究を行っています。
南極観測船というと皆さんは「しらせ」を思い浮かべるでしょう。「しらせ」は国が主体の日本南極地域観測隊が利用する砕氷船で、東京と昭和基地を年に1回往復します。
一方、東京海洋大学は前身の東京水産大学の時代から、これまで23回の南極海の観測航海を行ってきました。1956年、第一次日本南極地域観測隊として「宗谷」とともに海鷹丸II世が南極に向かったのが最初です。
現在の海鷹丸IV世は2000年に就航した練習船で、さまざまな観測機器を装備した調査船でもあります。近年、「海鷹丸」による南極航海においてさまざまな研究成果が上げられ、世界の研究者からも本船の動向が注目されるようになってきました。また、海鷹丸は本来練習船なので、船舶の運航を学ぶ海洋科学専攻科の学生40名が実習生として乗船し、実習の一環として南極海の海洋観測に参加します。このような体制で南極海の観測航海を行う船舶は世界でもそうありません。
稚仔の初期生活史から環境変動の影響を考える
今回のプロジェクトでは、近年技術的に大きく進歩してきたDNA解析を用いた魚類やイカ類の初期生活史(※)の解明を目指します。
※初期生活史:生まれてからしばらくの時期に、どこで暮らし、何を食べ、そして何に食べられるかなど、生存に関わる全般
海に棲む生まれてまもない小さな生き物(稚仔)は、ふ化後すぐに自分で餌を捕えなくてはなりません。生まれてすぐに丈夫な体を持っているわけではないので、ふ化時の周囲の餌の環境が稚仔の生き残りを大きく左右します。つまり、環境の変動は彼らの生き残りにダイレクトに影響を与えることになります。
稚仔がどのくらい生き残ることができるかは、その種全体の個体数にも影響を与えます。生き残った稚仔の個体数が減っていけば、それを食べる大型動物(海鳥やオットセイ、ペンギンなど)の餌が減ることに繋がり、生態系全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
稚仔の初期生活史から、環境変動が生態系に与える影響について、その一端を明らかにすることも期待できます。
DNA解析を用いた新たな研究
環境変動が稚仔に及ぼす影響についての研究はあまり進んでいません。この原因の一つは、体長10mm前後の稚仔がどの種類の魚なのかや何を食べているのかを調べることが極めて困難なためです。
稚仔の胃の中のもの(胃内容物)は破砕されて形が残っていないことが多く、顕微鏡で見ても何を食べていたのかが分かりません。そこで、本プロジェクトではDNAメタバーコーディングという手法を用いて、稚仔の食性の研究を進めていきます。
私たちの予備研究では、顕微鏡では特定できない胃内容物からDNAを採取し、種査定(※)できることが分かっています。このDNAメタバーコーディングを用いた稚仔の食性の研究は、世界でもまれな例となります。(※)種査定:対象の生物がどの種の生物かを判別します
この研究は、大型動物の主要な餌となっている魚類やイカ類において、環境変動が彼らの稚仔に及ぼす影響を推定することに大きく寄与すると考えられます。
胃内容物の種査定
生物が何を食べているのか知ることは生態系研究の基本です。私たちは胃内容物(の痕跡)からDNAを採取し、胃内容物の査定を行います。また、見ただけではどの種類かがわからない仔魚自体もDNAを用いて正確に種を査定します。
地球の未来について考え、アクションを
現在、南極海でも気候変動の影響は現実的なものとなっており、とくに急速な海氷変動(量や面積)に現れています。本プロジェクトは、気候変動や海氷変動が、食物網を通して生態系全体に及ぶプロセスを理解するうえで重要なピースとなります。
「地球はひとつのシステム」です。これらの研究をおこなっていくことで、いま地球環境に何が起こっていて、私たちは何をすべきかが分かると私たちは考えています。
本プロジェクトを通していただいたご寄附で、講演会やワークショップの実施も検討しています。ご要望に応じて、日本全国のあなたの街での開催もできればと考えています。これらを通じて、南極海の生態系とその現状を共有し、地球の未来や今後私たちが行うべきことについて皆さんと考え、行動を起こすきっかけとなればと思っています。
いただいたご寄附でできること
クラウドファンディングを通していただくご寄附で、①海洋観測・研究(2023年度/2024年度の2年分)、②アウトリーチ(海洋観測・研究の情報を広く発信し届ける活動)に使用したいと考えています。
▼具体的な資金使途
第一目標:480万(1年分/手数料込)
①海洋観測・研究
・南極航海に関わる旅費・乗船経費:1,400,000円(2名分)
・国内練習航海経費:150,000円(3名分)
・サンプル分析:1,500,000円
※旅費と船内での生活費(主に食事代)に充てます。また、南極海まで行ってからけがをしたり、観測機器が動かないといった事態にならないように観測の練習は必須です。定期的に行われる専攻科の国内実習航海に便乗させていただき、観測に使用する機器の取扱い訓練等を実施します。
②アウトリーチ
・乗船中の通信費:100,000円
・講演・ワークショップ関連経費:150,000円
・生物標本の作製:200,000円
・事務補佐員雇用経費(1人):500,000円
※航海中は毎日観測日誌を陸上に送信します。通信料の制限があるため生配信は困難ですが、できるだけリアルタイムで観測の状況をお伝えします。また、講演やワークショップ用の教材として樹脂包埋標本を作製します。講演・ワークショップには,ご要望に応じこちらから出かけます.
③諸経費(クラウドファンディング手数料、事務手数料)
※本プロジェクトは、All-in形式での挑戦のため、期日までに集まった寄附金額に関わらず、当初予定していた規模のプロジェクトを実施します。不足分は自己資金にて補填します。
プロジェクトのスケジュール
クラウドファンディングに挑戦する理由
南極海の研究は、莫大な資金を要します。上記のような旅費のほか、観測機器の購入・維持経費、観測機器の運搬経費などは通常の研究よりもたくさんの費用がかかります。また、最近の物価高騰やCOVID-19の影響もこれらの価格を大きく押し上げています。
通常、私たち研究者・大学教員は、競争的資金とよばれる日本学術振興会の科学研究費補助金を獲得し、研究活動を維持しなくてなりません。しかし、科研費は使用目的が厳格で、基本的に研究以外に使用が認められません。特に、今回のプロジェクトでは、研究そのもの以外に研究の成果を皆さんに公表・還元(アウトリーチ)することにも力を入れていきたいと考えていますが、アウトリーチは科研費の性質に本質的にあまり馴染みません。
現在地球上でさまざまな環境問題が起こっていることを、皆さんもさまざまなメディアを通じて見たり聞いたりされていることでしょう。
海のことだけをみても、水温の上昇、北極の氷の減少、海洋プラスチックごみ、海洋酸性化などがあげられます。いずれも物理・化学的な、そして生物学的な作用を通じて地球全体のシステムを壊し、我々の暮らしにも直結している問題です。
すでに破壊が始まっているかもしれませんが、その進行を遅らせ、修復していくのは私たちの世代の責務です。そして、この問題を考えていかなくてはならないのは、研究者だけではなく、地球で暮らす市民全体です。
私たちはこのプロジェクトを通じて、南極海で起こっていることが別世界のことではなく、身近な環境問題のひとつとして考えるきっかけとしていただけたらと思い、クラウドファンディングへの挑戦を決意しました。
どうぞ皆さんの温かいご寄附、よろしくお願いいたします。
<南極観測日誌>
今年度「海鷹丸」は、24回目の南極観測航海を行います。私もこの航海に乗船し、観測日誌を以下のfacebookに毎日アップしていく予定です。ぜひご覧ください。
※日誌のアップは出国(1/9)からホバート入港(2/7)までの予定です。
KARE東京海洋大学「海鷹丸」南極観測隊 https://www.facebook.com/KARE.umitaka.nankyoku
応援メッセージ
福地 光男 様|
名誉教授 国立極地研究所・総合研究大学院大学
北海道大学 東京オフィス前所長
頑張り屋、茂木君にエールを! 私は日本の南極観測事業の中核である国立極地研究所に37年間勤め、2012年に退職しました。その数年前あたりから東京海洋大学が公式に南極観測事業を分担する方策の検討が進められ、丁度その頃に茂木君と検討会で同席したのが付き合いの始まりでした。退職後に東京海洋大学の海洋観測支援センター(現船舶・海洋オペレーションセンター)に2年ほどお世話になり、この間に海鷹丸の福島沖合の各種海洋モニタリング調査で彼と航海を共にしました。東京を出航後に彼は甲板に日曜大工道具を広げ、大学院学生らに木材の加工や組み上げを指示しながら、工作に励んでいました。何をしているのかと思ったら、出来上がったものは海底をトロールして採取したサンプルを一時的に貯め、標本を仕分け選別するためのものでした。海底堆積物にはどのような物質が蓄積されているかが定かでない状況での調査において、甲板が不要に汚染されないためのものと後で理解しました。多分、乗船前に綿密に図面を作り船上では黙々と作業をする彼の姿に、海洋の学問研究の第一歩となる船上観測の基礎となることを教育指導する様を見ました。今回、彼が東京海洋大学でクラウドファンディングに挑戦すると聞き、特にアウトリーチに注力する彼の熱意にエールをおくります。
神田 穣太 様|東京海洋大学 教授/日本海洋学会会長
私は茂木先生と同じ海洋環境科学科で教育・研究をしている同僚です。私の専門は海洋での物質の循環で、茂木先生とはちょっと違いますが、心配していることは全く同じです。海は、そして海の生き物は、どうなっていくのだろう……私たち人類は、この数千年間、特にこの百~二百年間、地上の光景が一変するほど環境を変えてしまいました。でも広い海はまだ大丈夫だろう、そんな風に思っている方も多いかも知れません。確かに海全体の生態系を変えてしまうことは、いかに人類でも簡単にはできないと思われてきました。でも温暖化や酸性化の影響は、あっという間に海洋全体におよんでいることがわかってきました。遠い南極の海も例外ではありません。生態系の仕組みは本当にデリケートで、わずかなピースの変化が全体を大きく変えてしまうことも(そうでないことも)あります。どちらに転ぶかは、これだけ研究が進んでも正確な予測が難しいのです。生態系が変わると、物質の循環も変わり、二酸化炭素の吸収や排出にも影響がおよびます。幸い遺伝子解析技術など生物学の進歩によって、生態系の仕組みを解き明かす手がかりは得られつつあります。茂木先生の研究に是非応援をお願い致します。
野田 明 様|東京海洋大学 教授/前海鷹丸船長
元海鷹丸船長として、茂木先生チームの今回のプロジェクトを応援しています。私自身、海鷹丸船長時代、南極海調査で乗船されてくる茂木先生とはご縁があり、海洋観測における船舶の運航などに長らく関わって参りました。本学の練習船海鷹丸は第1次日本南極地域観測隊の観測船「宗谷」の随伴船として南極海へ向かって以来、南極海調査とは切っても切れない縁があり、海鷹丸Ⅱ世からⅣ世まで合計23回の南極海での調査航海を行っています。現海鷹丸Ⅳ世では15回の南極調査航海を経験しておりますが、現在、南極海でも気候変動の影響は現実的なものとなってきており、そんな中で茂木先生が長年行っている南極海の生態系についての研究は途切れなく続けて行かなくてはならないと感じております。しかし、今後これらの研究を継続していくためには現在の研究資金のみでは足りません。陸上での研究と比べ、船舶を使用した南極海での調査研究には、より様々な面で多額の経費が掛かり、クラウドファンディングによる寄附が必要となってきます。このような現状をご理解いただき、ご寄附とご協力を、何卒よろしくお願いいたします。
税制上の優遇措置について
東京海洋大学へのご寄附については、確定申告を行うことにより、税制上の優遇措置が受けられます。
※日本の納税者のみ対象となり、海外の方は優遇を受けることはできません。
■個人が寄附した場合
個人で2,000円以上の寄附をされた方は、本学の発行した寄附金領収書を添えて確定申告を行うことにより、以下の措置が受けられます。
【所得税】
下記の金額が、その年の所得税の課税所得から控除されます。
課税所得の控除額=寄附金額(所得の40%を上限)-2,000円
控除を受けるには、毎年1月1日から12月31日までに支払った寄附について、翌年3月15日までに所得税の確定申告書に必要事項を記載し、支出した寄附に関する領収書等を添付し、税務署へ提出してください。
【住民税】
寄附した翌年1月1日時点でお住まいの都道府県・市区町村が条例で東京海洋大学を寄附金控除の対象法人として指定している場合、住民税の寄附金税額控除がうけられます。
・東京都港区にお住まいの方
都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
市区町村民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×6%控除
<合計10%>
・東京都にお住まいの方
都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
<合計4%>
所得税の確定申告を行わない場合は、住民税の申告書に寄附に関する領収書等を添付し、3月15日までに上記自治体に住民税の申告を行っていただく必要があります。なお、上記の地方団体以外からも指定を受ける可能性がありますので、詳しくはお住まいの市区町村へお問い合わせください。
■法人が寄附した場合
法人税法第37条第3項第2号により、寄附金の全額を損金に算入することができます。
(参考)国税庁HP
■寄附金領収書の発行について
本学にご寄附いただきましたら、後日「寄附金領収書」を送付いたします。確定申告の際、証明書としてご活用ください。
・寄附金領収書のあて先は、基本的にリターンのお届け先にご登録のご住所、お名前となります。
・なお、寄附金領収書はREADYFOR株式会社を通じて寄附金が東京海洋大学に入金された日付で発行いたします。東京海洋大学への入金は2023年5月10日になります。2023年5月下旬には郵送させて頂きますので、税制上の優遇措置をお考えの方は対象となる年にご注意ください。
※個別の税金の取扱いについては、必要に応じ、税務署または税理士等専門家にご相談ください。
<お問合せ先>
●プロジェクト内容について
茂木 正人 masato*kaiyodai.ac.jp
立花 愛子 atachi0*kaiyodai.ac.jp
●税金控除、寄附について
長谷川 真由美(事務補佐員)mhas001*kaiyodai.ac.jp
*[アットマーク]を@に変えてご連絡ください。
ご留意事項
▽ご寄附の前に、利用規約(https://legal.readyfor.jp/guidelines/others/terms_of_service/)を必ずご一読ください。
▽ご寄附確定後の返金やキャンセルは、ご対応致しかねますので、何卒ご了承ください。
▽ご寄附完了後のお届け先の変更はできません、お間違いのないようご注意ください。
▽ご寄附完了時に「応援コメント」としていただいたメッセージは、本プロジェクトのPRのために利用させていただく場合がございます。あらかじめご承知おきください。
▽ご寄附に関するご質問はこちらをご覧ください。
▽本プロジェクトのギフトのうち、【お名前掲載】に関するギフトの条件詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「支援契約」の中にある「●命名権、メッセージの掲載その他これに類するリターン」をご確認ください。
- プロジェクト実行責任者:
- 茂木正人(東京海洋大学)
- プロジェクト実施完了日:
- 2024年3月31日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
【①海洋観測・研究】南極航海に関わる旅費・乗船経費1,400,000円、国内練習航海経費150,000円、サンプル分析1,500,000円 【②アウトリーチ】乗船中の通信費100,000円、講演・ワークショップ関連経費150,000円、生物標本の作製200,000円、事務補佐員雇用経費500,000円
リスク&チャレンジ
- プロジェクトを実施する上でのリスクについて
- 観測航海に参加できない(航海が実施されない)可能性があります。2023年8月ごろには確定。もしも実施されない場合には、次年度の航海費として使用します。渡航費以外の資金は予定している時期に使用します。
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プロフィール
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ギフト
5,000円+システム利用料
スタンダードコース
・お礼のメール
・活動報告レポート(PDFにて送付)
・寄附金控除の領収書
- 申込数
- 57
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
10,000円+システム利用料
【映像で体感】南極の調査現場を映像でお届け!
南極現場の限定映像
・観測中の船の様子を映像でお届けします
・限定のURLをお送りいたします
------------------
・お礼のメール
・活動報告レポート(PDFにて送付)
・寄附金控除の領収書
- 申込数
- 116
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月
5,000円+システム利用料
スタンダードコース
・お礼のメール
・活動報告レポート(PDFにて送付)
・寄附金控除の領収書
- 申込数
- 57
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- 発送完了予定月
- 2024年4月
10,000円+システム利用料
【映像で体感】南極の調査現場を映像でお届け!
南極現場の限定映像
・観測中の船の様子を映像でお届けします
・限定のURLをお送りいたします
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・お礼のメール
・活動報告レポート(PDFにて送付)
・寄附金控除の領収書
- 申込数
- 116
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2024年4月