【イベント・レポート1月31日(木)】
世界を変えるデザインを届けるPJ 進捗報告vol,0



昨年末に開催した、女性の社会進出をテーマとしたイベントに続き、今回もd-laboコミュニケーションスペースをお借りし、70名近くの参加者の皆さまとプロジェクトを推進する上で重要な視点を共有しました。



今回のイベントでは、アジア新興国での実践型問題解決プログラムMission on the Ground(略称MoG)を運営するvery50菅谷亮介氏をお招きしました。
現地の起業家が抱える問題に対し、共に現場で考えぬくという活動を繰り返してきた菅谷氏には、今回のプロジェクトでもパートナーとして共に現場に入っていただく予定です。

今回のイベントの目的は、
そんな菅谷氏の視点から新興国・発展途上国ビジネスがなぜ注目されるのか?
またそれらの国でビジネスを行うことが、なぜ困難なのか?
といったお話をいただくことで、
1)プロジェクトが今後突き当たるであろう壁を捉えること
2)日本企業の現状も鑑みた上で、本プロジェクトのどこが“チャレンジ”なのか共有することでした。

議論のテーマは多岐にわたりましたが、ここでは上述の目的と関連させて、特に考えさせられた内容を、以下の3つのテーマに集約して共有したいと思います。


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1,経済発展に伴う国の歪み
2,最低賃金引き上げの影響
3,技術イノベーションと普及力

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1,経済発展に伴う国の歪み

国の経済が発展すると、必ずそこには歪みが生じます。
例えば、都市部と農村部の間に生じた貧富の差は、常に暴動やデモに発展するリスクをはらんでいます。
中国のデモを背景にお話いただいた中では、物価高で賃金が上昇せず生活が苦しくなる都市部市民の不満、政府による土地の収奪や都市部との所得格差といった農民の不満、大卒者の就職先がないといった若者の不満、弾圧される少数民族の不満、といった事例があげられました。

フィリピンもまた、経済成長率6.5%、7%といった勢いで発展している国のひとつです。
そのような経済発展著しい国の農村部でプロジェクトを行う上で、上述のような“成長の歪み”の存在は知っておかなければならないことですし、プロジェクトがその歪みに対してどのような影響をもたらすか、についても長期的に評価しなくてはいけないと思います。

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2,最低賃金引き上げの影響

1,でも言及した歪みから生じる国民の不満を一時的に和らげるべく、最低賃金を引き上げる動きが各国で起きています。12年11月の日本経済新聞では、「インドネシアやタイの主要都市では政府が2013年の最低賃金を前年比で4割以上引き上げる。最低賃金がインフレ率の10倍近く上昇することで事業の採算性や物価の制御に混乱をもたらす可能性もある」と報じています。
従業員の賃金上昇、コスト面での競合相手の台頭、の2つはアジアにおいて撤退を決めた理由の1,2位です。
これはナプキンの販売価格を決定する上でも重要な要素になります。

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3,技術イノベーションと普及力

特許数は欧米よりも上、研究費の対GDP比も高い日本。にも関わらず、高い技術力が産業競争力に必ずしもつながっていないという現状があります。
技術イノベーションと同様に日本がより注力すべきは、世界普及力を高めることです。
菅谷氏からは「アピール力」「流通の確保」「組織構造」「資金力」の4つを特筆いただきましたが、ここではアピール力と流通の確保について言及したいと思います。

新興国・発展途上国、特に農村部にはその地に根付いたコミュニティが色濃く存在しています。そのコミュニティにアプローチし、商品をアピールするためには、当然コミュニティの特徴や地場産業について、現地住民が持つ日本企業に対するイメージなども知っておくことが重要です。
また、小売・流通も昔から存在する小規模なキオスクのような売店がベースになっていたり、地元女性が販売員となって家々を渡り歩いたり、と日本のそれとは勝手が異なります。

世界市場に販路を持つプレイヤー、世界の顧客IDを保有するプレイヤーをパートナーとして世界市場に打って出ることは、グローバルシェアを狙う“メーカー”のセオリーではありますが、コミュニティでビジネスを行う上でも、その土地の慣習、文脈に即した販路を持つプレイヤーとのパートナーシップは重要です。
フィリピンでいえばサリサリ・ストアという売店がそれにあたります。

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最後に、
菅谷さんはじめvery50の皆さま、d-laboの皆さま、ご参加いただいた皆さま、
また、会を気にかけていただいていた皆さま、本当にありがとうございました!


 

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