支援総額
目標金額 2,000,000円
- 支援者
- 255人
- 募集終了日
- 2012年12月27日
プロジェクトの遅延について
本プロジェクトにご支援くださいました皆様
大変ご無沙汰しております。本村拓人です。
まず、長い間プロジェクトのご報告が遅れており、申し訳ございません。また、多くの方々にご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。その原因と釈明について、前回の報告から現状の活動、今後の活動計画についてご報告させてください!
1. プロジェクトが遅延した原因
プロジェクトが計画通り進まずに、現在に至る原因は第一に私とそのチームのプロジェクトマネジメントにあります。途上国でのプロジェクトは日々、不測の事態が頻発することはわかっておきながら、十分な準備ができておりませんでした。
今回のプロジェクトが遅延した一番の原因は、ナプキン製造機を発明したムルガナンサムさん、そのマシンを改良し、インドなどで広めている団体(アーカ・イノベーション)との調整が難航したことです。特に、発明者とアーカ・イノベーションの間で勃発した知的所有権問題が長引き、今冬から数ヶ月間、私たちの手に負えない状況となりました。
今回のナプキンを届けるプロジェクトには大きく3つの目的がありました。1つ目は低所得者でも購入できるナプキン製品の開発と流通モデルの構築。2つ目に経済的弱者に新たな雇用機会を提供する事。そして、3つ目に草の根技術(グラスルーツイノベーション)の横展開(インドからフィリピンへ)の普及の3つです。
このうち、3つ目の目的において、我々は当初ムルガナンサムというインドの発明家が開発した機械の横展開を最短で進める為に、既に彼の初期フェーズの発明に手を加えている企業がある事をしり、その企業(アーカーイノベーション)が再開発したナプキン製造機を購入してフィリピンで事業展開をする計画で動いておりました。しかし、同社が2012年春頃から進めていた新たな機械が購入予定日である2013年2月になっても出荷できるレベルに至っていないという状況を同社から伝えられ、(結局完成は7月上旬となってしまった)2月上旬の船便での発送、3月上旬でのフィリピンでの機械稼働テスト等のスケジュールが大幅に遅れる事になりました。
アーカーイノベーション社は非常に志の高いすばらしい企業です。その社長と手を取って本プロジェクトを進める。これは昨年から考えていた決意の一つです。また、なれない輸送作業も進めており、2013年1月末時点で機械の完成を確認し、その後、本契約を済ませれば同社のナプキン製造機械が低価格で購入できる一歩手前まで手はずを整えておったので、「一からやり直すより、完成を少しまとう。途上国ではこういった遅延も予測のうち。起こりうることだと腹をくくろう」そう決めておりました。
上述したように、実際に機械が完成したのはそれから5ヶ月後。実際は3月に入ってから何度も問い合わせをし、催促をかけたのですが、工場稼働が予想以上にかかっている等、様々な理由で完成が遅れている旨を聞かされました。私がすぐにインドに飛び、工場に足を運べばもう少し早く決断できたのかもしれませんが、いただいた貴重なお金はなるべくフィリピンでのテストマーケティングやナプキン自体の開発費に活用したかった為、全てスカイプやemailなどを通じたコミュニケーションのみで確認をしておりました。ここは今思えば反省すべきポイントです。事件は全て現場でおこっているのですから。
機械完成が遅延している中、不測の事態がもう一つ発生します。冒頭でお伝えした発明家ムルガナンサムとの権利問題です。つまり、ナプキン製造機起案者と改良者の間での明確な権利における取り決めがなされておりませんでした。Intelectual Propoerty=知的財産権については非常に難しい問題で、どちらにも様々な言い分があり、私も相互の主張は理解しておるのですが、私の本件に対する主義主張は明確で、草の根技術の普及=権利は全て発案者に帰属されるべきで、改善•改良者が得られる利益についてもロイヤリティなどの対価を支払う=草の根技術の保護及び敬意を示す事が必須だと考えております。
しかしながら、アーカーイノベーション社の主張はそれとは違うものでした。改良、改善の為に血の滲む努力をしてきたのもわかりますが、そもそもの機械が遅延しておる状況、また、明確に完成日が明示されない状況下ということとも重なり、様々な討議を3者で(といっても、ムルガナンサム氏も忙しく中々コミュニケーションができない+スカイプ等のサービスを使える環境下ではない)繰り返した結果、2013年5月下旬にアーカーイノベーション社との契約(約束)を白紙に戻す事を決意しました。
勿論、私たちは彼らの立場も十分に理解はしておるので、現在も関係は続いておりますが、正直、彼に対しての懐疑心はないわけではありませんし、何よりも自分自身の怠惰さには怒りを通り越して、あきれております。そして、何よりも自身の決断の遅さが全てを招いているという点、また、皆様とお約束したプロジェクト遂行機関をしっかりと守れなかった点については全て私に原因があります。この事実につきましてはご支援いただいている皆様にまずは深くお詫びさせていただきたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
肝心の機械が届かないという事態がプロジェクト全体の予定を3ヶ月以上遅らせてしまった為、最速で機械をインドに届ける必要がでてきました。空輸での輸送はさけておったのですが、ここは時間に投資をするという意味で空輸を選択しました。予算が圧迫されている事態についても発案者であるムルガナンサム氏に説明したところ、ムルガナンサム氏が経営するサヤジーン工業より機械を全て寄付していただくことをかって出ていただきました。「彼の為にも本当にこのプロジェクトは成功させたい」そう強く心に決め、提供いただた機械をすぐにインドから出荷、つい1ヶ月前にインドで機械を梱包し、フィリピンへ機械が送り出されました。
一難去ってまた一難。機械は2013年8月5日付けでフィリピンへ到着しておりましたが、税関のチェックで足止めを食います。ナプキン製造機自体、非常に特殊な製品である事。また、インドから経済的な目的ではない理由で輸入をしたという事が逆に裏目にでてしまい、結果的に、一般貨物として発送前には書類上認められていた機械が、税関通過を前に特殊貨物扱いになったあげく、通関の為の輸入ラインセンスの取得が必須である旨を告げられました。ここでは専門的すぎるため、詳細は省きますが、約1ヶ月程、様々な知人から紹介されたブローカーを渡り歩きながら、なんとか低価格で輸入ライセンスを取得できる業者を探し出すことができ、2013年9月6日にようやく機械が倉庫から目的に発送される事を昨日ブローカー及び税関事務局員から伝えられており、機械到着後から続いた税関との交渉もようやく終熄する段階にきております。
※既にお金も支払っている点、また、ラインセンスが無事に取得できている点、さらに、税関事務局員(担当者)からも9月6日は死守できる旨はお聞きしているので、この場をもちまして、発送は可能だと判断しております。
尚、こういった”確定”したといった状況はこの一ヶ月、たびたび耳にしてきましたが、その都度何度も何度も耳を疑うような返答を聞かされてきましたが、今回は大丈夫だと判断をしております。万が一の場合は改めてご報告をさせていただきます。
※何よりも、インド-フィリピン間での輸送業務について一切とは言わないまでもライセンス取得の是非について全て自分が責任をもって徹底して調べる行為を怠った事が今回の遅延の大元と認識しておりますので、この姿勢は根本的に直すべきと考えております。
2. 前回の報告(2月7日)から現在までのハイライト
機械が届くのを指をくわえて待っていたわけではありません。私とスタッフの熊坂が複数に渡り、現地に飛んでパートナーの開拓、現地のニーズ調査、現地で調達できる素材の調査、製造や販売を担う女性起業家の発掘を行ってきました。
2月13日〜2月23日 ミンドロ島の視察、パイロットエリアの選定
フィリピンの首都マニラからミンドロ島のプロジェクトエリアまでの交通手段を紹介ついでに、ミンドロ島について簡単に説明します。
渋滞のマニラ首都圏をタクシーでバス停へ、ミンドロ島へのフェリーがでるバタンガス港まで、約2時間半。フェリー乗り場からジープニーに乗り込みしばらく走るとボートが停泊する海岸へ。ボートに揺られること1時間半、ミンドロ島の港町プエルトガレラへと到着します。そこからパイロットプロジェクトを行うコミュニティまで車で1時間強、バイクで30分、そこから更に徒歩で30分、ようやく到着します。少数民族マンギャン族がここまで奥地に住む理由は、他民族の迫害を逃れるためでした、そのため街から遠く離れた山間に居を構えるようになったのです。
今回のパイロットエリアは、製造と販売の現場を少し離れたエリアで行うことにしました。ここでは長くなりそうなので、次回以降のレポートで詳しく触れます。
3月10日〜6月20日 パートナーの決定
プロジェクトの成功に欠かせない現地パートナーは、フィリピン最大規模のマイクロファイナンス機関、CARD Bank(以下、カード)に決めました。フィリピン全国14州に555のオフィスを展開し、グループ全体で年間112万人余りのフィリピンの貧困女性にサービスを提供しています(2009年12月末現在)。
[CARD Bank集会の様子]
週に1回(不定期のエリアもある)、CARDの小口融資の借り手女性たちが定期的に20名程集まり、その返済や近況の報告を行い、カードスタッフからの連絡事項(例えば医療プログラムの紹介)を受けます。
[現地起業家候補との対話の様子]
ここに集まる女性たちの大半は、規模は小さいながらも、極小規模の商店(サリサリ・ストア)、パン屋さん、化粧品の訪問販売など、オーナーシップを持ってビジネス活動をしています。5回、6回と各コミュニティの定例会に参加し、彼女たちと対話を繰り返し、プロジェクトの紹介をしていく中で、自身の生計向上の機会として新しい事業を行うことに積極的な関心を示す女性たちと関係性を創り上げていきました。
6月25日〜7月10日 インドへの渡航
また、現地の活動だけでなく、日本国内でも本プロジェクトに協力してくれる仲間を募り、巻き込んでいきました。
早稲田大学工学部でバリューエンジニアリングを研究されている澤口教授、very50がサポーターとなり、本プロジェクトを支援してくれています。澤口さん、very50代表の菅谷さんはフィリピンの現場にも足を運んでくださり、現地メンバーの指導や機械の改良等に知恵と手を貸してくださっています。(この件については、追って、詳しく報告致します)
仲間は現在も募集中です。
3.今後の活動計画
現在、機械はマニラにあります。一度、マニラ大学のエンジニアチームと共に機械を機動させ、その後現地の流通業者に依頼し、ミンドロ島へ輸送します。ミンドロ島の受け入れ体制は4月よりフィリピンにて任務を遂行してくれている熊坂、そして、本村を中心に、パートナーとして様々なリソースを提供してくれているCARD BANKが中心となります。順調にいけば、今月中旬から製造・販売を開始し、来月中旬に目標の1000個の配布が完了します。
また、今月末9月19日から29日の間、本プロジェクトを共同で運営していくことになっておるvery50と共に、同団体が展開するビジネススクールの生徒約12名が現場であるミンドロ島に上陸する事になっています。現在はプロッジェクトリーダーと共に製品コンセプトの再検討からマーケティングプラン、販売網の立ち上げ等の事前調整をしておる段階です。
また、このミッションが終わる9月29日から10月4日まで、早稲田大学澤口創造理工学研究科経営デザイン専攻教授が5月依頼2回目の渡航を計画しております。澤口先生にはそれまでに打ち立てた製品コンセプトを効率良く生産するための機械の設計を具体的に実施していきます。こちらも追ってご報告いたします。
この他に10月21日には約9ヶ月の活動報告を上述した早稲田大学澤口教授と共にバリューエンジニアリング協会様主催の学会にてグラスルーツイノベーション=固有技術の可能性について発表をさせていただきます。なお、このタイミングで皆様のご都合にもよりますが、10月22日から26日の間、東京及び大阪にてお約束しておりました報告会を実施させていただきたいと思っております。こちらにつきましては個別にて詳細のご報告をさせていただきます。
最後になりますが、今回温かい気持ちでプロジェクトを応援してくださった多くの方々には今回の一件に関しまして本当に申し訳なく思っております。一度途絶えてしまった連絡をこちら側の都合で改めて再開させていただきたいなどとお尋ねすること次第言語道断な行為だと思います。
昨年からこのプロジェクトにかける気持ちは一つもかわっていないという事、また、何としてでも支援してくださった方々、そして、現地でナプキンを本当に必要としている人、雇用を必要としている人、さらに、インドで始まった草の根の技術の可能性を信じている人に対して、より良い結果を持ち帰れるよう引き続き仲間たち共に活動していく所存でございます。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます!!
本村拓人
リターン
3,000円+システム利用料
お礼状、現地の写真、プロジェクトの報告書をお送りします。
- 申込数
- 149
- 在庫数
- 制限なし
10,000円+システム利用料
現地で生産したナプキンを1セット(2枚入り)をお送りします。
現地で制作されたアクセサリーを1つお送りします。
加えて、3000円の引換券をお送りします。
- 申込数
- 83
- 在庫数
- 制限なし
3,000円+システム利用料
お礼状、現地の写真、プロジェクトの報告書をお送りします。
- 申込数
- 149
- 在庫数
- 制限なし
10,000円+システム利用料
現地で生産したナプキンを1セット(2枚入り)をお送りします。
現地で制作されたアクセサリーを1つお送りします。
加えて、3000円の引換券をお送りします。
- 申込数
- 83
- 在庫数
- 制限なし
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- 支援者
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- 19日
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