プロジェクト概要

インドの草の根から生まれた発明品である小型生理用ナプキン製造機を用いて、フィリピン農村部の女性にナプキンを届けます。

 

 はじめまして、株式会社グランマ/世界を変えるデザイン展実行委員長の本村拓人です。今回僕たちが皆さんと一緒に仕掛けるのは限られた資源・環境の中でみずからのアイデアを生活向上の手段へと昇華させ、新たな価値を産み出す人びとのプロジェクトです。

彼らは、グラスルーツ・イノベーター(草の根レベルの発明家)と呼ばれ、制約の中で創意工夫を持って問題を解決するその精神は、貧困という大きな問題にさえ立ち向かう力を持っています。彼らに共通する特徴は、大量生産・大量消費のモデルではなく、コミュニティ単位からはじまる小規模で生活に必要なプロダクトを、必要なだけ生産できる仕組みを持っていることです。

 
今回のプロジェクトは、グラスルーツイノベーターの一人である、インド南部タミルナドゥ州コインバートルに住むムルガナンサン氏が発明した安価な「生理用ナプキン製造機」を使い、フィリピンのミンドロ島で製造されたナプキンを販売することです。

 

貧困層から生まれたアイデアでも世界を変化させることができることを僕たちは証明していきたい、今皆様の支援が必要です。

 

製造機を開発したムルガナンサン氏

 

貧困層がアイデアを持っていないというのは、

僕たち先進国諸国の傲慢な考えであると気づいた。

 

そもそも僕が貧困問題に取り組むようになったのは、『未来を変える80人』という本に出会い、その中で紹介されていた起業家に直接会って話を聞いたことがきっかけです。彼は貧困層が自らの力で生活を改善させて行く為にまずは単純で誰にでもできる仕事を創り出せる仕組みを構築し、その仕組みを社会性と収益性を両立させるモデルに昇華させていました。彼の事業家としての想いだけじゃなくて、構想を一歩ずつ現実のモデルにまで落とし込んでしまう実行力と忍耐力に本当に感銘を受けました。高校を卒業後、一度事業を失敗した経験をしていた僕にとっては、その後の事業家としての考えをがらりと変えさせられる大きなきっかけとなりました。

 

 
グラスルーツイノベーションという概念は、実は後から知ったことでした。2010年、株式会社グランマ創業から1年が過ぎようとする頃、世界を変えるデザイン展開催へ向け、僕は展示するプロダクトを求め、アジア各国を飛び回っていました。世界を変えるデザイン展で展示したプロダクトは、先進国の人々が現地の生活視点や発想を基に開発したプロダクトが中心でしたが、それ以上に、その旅の途上で僕が直感的に惹かれていたのは、現地の人たちが自転車を改良して自作した研磨機、といった創意工夫の結晶たちでした。
 
その後、多くの日本の大手企業のBoPビジネス案件に携わらせていただく中で、「現地の潜在的なニーズをいかに把握すればよいのか?」「いかに辺境地までの流通を可能とするか?」「いかに現地の人たちが購入可能なレベルまでコストを抑えるか?」などなど、数々の困難にぶつかりました。この難問の解を探し求めていた時、インドの経営大学院の教授、アニル.K.グプタの提唱する「グラスルーツイノベーション」という言葉と出会います。それはまさに、僕が展覧会前の旅で出会った現地の人たちによる”発明”でした。
 
そして、この「グラスルーツイノベーション」は、僕がぶつかった問いの解となる可能性を存分に秘めていました。
 

 

「ナプキンなんか買ったら家族にミルクが買えなくなっちゃう」新婚の妻の一言で動き出したムルガナンサン

 

少しだけ、イノベーターのストーリーを紹介させてください。今回のプロジェクトで使用する「生理用ナプキン製造機」を開発、インドにおいて成功モデルを構築したムルガナンサン氏は、「ナプキンなんか買ったら家族にミルクが買えなくなっちゃう」と”ボロ布”を持ってどこかへ消えてしまう新婚の妻の一言で動き出します。彼は英語もできず、高校中退で知識はまったくありませんでした。そこからただ妻のためを思い、ナプキン作りがスタートします。しかし、若い女の子に新作ナプキンのテストを依頼し、変態、精神病患者などと周囲から揶揄され、妻には勘違いされ家出されます。一線を越えもしました。生理体験を自作自演し、つけ心地をチェックするため、彼自身が一週間つけて試してみたのです。他にも様々な困難を乗り越え、6年半の歳月をかけて「生理用ナプキン製造機」は完成しました。
 
 
完成したナプキン製造機
 

 

ナプキンを販売するのではなく、ナプキンの製造方法(製造機)を広める

 
ムルガナンサン氏の開発したナプキンは利用者の女性を通じて、口コミで広がりました。
値段が高く手に入らない、地域の商店の店員が男性で購入しづらい、という問題も解消されはじめました。
 
ナプキンは驚くことに女性の教育にも影響を与え始めました。生理で学校を休み、そのまま退学する女子学生が多かったのですが、ナプキンが普及したことにより継続して教育を受け続けられるようになりました。
 
さらに、ムルガナンサン氏はナプキンを売らずに、製造機を売ることにしました。そうすることで、農村女性の仕事が生まれました。(たった3時間でナプキン作りを学べ、誰でも仕事にできる)更に付加価値として、農村ごとに、自分の好みの厚さのナプキンを注文することができるようにもなりました。
 
今ではこのモデルがインド8州、680以上の地域に展開されています。
 
多くの女性に愛用されるようになっています
 

 

フィリピンミンドロ島の女性と共にナプキンを製造し、販売し、そして新たな雇用を生むプロジェクトにする。

 
今回はムルガナンサン氏が制作したナプキン製造機をフィリピンのミンドロ島にもちこみ、今度は彼の起こした奇跡を別の地で起こすべくチャレンジしたいと考えています。
私たちは、フィリピンでは以下のようなチャレンジを行います。
 
・ 生産者、販売員など、5名を雇用し、所得向上を実現します。
生理用ナプキンの不足によって途上国の女性は年間50日、人生のうち5年間分の学校で勉強する時間や仕事に費やす時間を失うと一般的に言われています。3ヶ月間で1,000枚の生理用ナプキンを販売することで、農村の女性たちが学校に通う時間、仕事に費やす時間を生み出します。
ナプキンの必要性を男性たちにも伝え、ナプキンが購入しやすい環境、女性の地位向上をサポートします。
 
 

ミンドロ島の様子

 

アジアでもグラスルーツイノベーションを広めていくことで、貧困層から生まれたアイデアで世界を変えていきたい

 

今回のプロジェクトで生まれる予定のモデルは、2012年11月にグランマがクアラルンプールで開催したワークショップのアジア12ヵ国からの参加者に共有し、他地域での展開を視野に入れています。現在の大量生産を否定するのではなく、辺境の生活者に適正な値段と品質で届ける共存するモデルとして、世界中に広がり、また、生理用ナプキン以外の他のプロダクトにも展開していく大きなムーブメントになっていくと考えています。

 
グラスルーツ・イノベーションを通じて、最後までプロダクトを届ける第一歩としての今回のプロジェクトに、皆様のあたたかい支援をどうぞ、宜しくお願いいたします。
 
 

「2012 年11 月にクアラルンプールで主催したワークショップ」

 

プロジェクト詳細

 
【製造について】
ミンドロ島住民の中で、本プロジェクトを共に創り上げるパートナーを募ります。
彼女たちを主体とした製造や、そのプロセスへの指導を、インドでムルガナンサン氏と共に製品改良・製造プロセスの改善を実現したAakar Innovation(アーカ・イノベーション)社、フィリピンの環境を熟知したローカルのエンジニア達と協働します。
 
 
【流通/販売、啓蒙・啓発について】
フィリピンの農村地域の小規模商店(現地では、「サリサリ・ストア」と呼ばれます)8,000店舗をネットワーク化し、オーナーへのトレーニングプログラムの提供、農村地域で求められる商品の流通/販売などを実践するHAPINOY(ハピノイ)、フィリピン最大のマイクロファイナンス機関CARD(カード)と共に実行します。
 
 
【スケジュール】
2012 年11 月
・プロジェクトサイト、ローカルパートナー等の確定
12 月
・生理用ナプキンに対するニーズ調査
2013 年1 月
・生理用ナプキン製造機の調整
・現地でのマーケティングプランの立案
2 月
・最終製品、製造プロセスの立案
・女性スタッフへの製造トレーニング開始
3 月
・生理用ナプキンに対する啓蒙活動
・女性販売員のトレーニング・プランの作成
4 月上旬
・ナプキンの販売開始
5 月末
・1,000 枚の販売目標達成
6 月末
日本での最終報告会

引換券について

・Rag2Richesの鞄もしくは小物

鞄の色や種類はこちらで選択してお送りさせていただきます。写真はサンプルです。

 


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