おはようございます、本村です!

一昨日より、ミンドロ島に上陸しています。

 

 

本日から、ナプキン製造機の改良をサポートしてくれている仲間を紹介したいと思います。

1人目は早稲田大学大学院の澤口先生。

 

先生との出会いのきっかけは2012年の秋口のバリューエンジニアリング協会会報誌のインタビューでした。

その取材後、協会の方々と何かコラボレーションできないか?とお互いが緊密に連絡を取り合い、議論を続けていました。その後、具体的かつ実現可能性のある案件をスタートさせるべく、澤口先生をご紹介いただくことになりました。

 

 

澤口学 教授(早稲田大学大学院創造理工学研究科)

 

産業能率大学教授として、長年、製造企業のR&D・設計部門を対象に、実践的な次世代事業戦略,価値創造設計の方法論を開発してきた。専門は、VE(価値工学)、TRIZ(革新的技術問題解決理論)など。最近は、VE/TRIZを融合したユニークなシステマティック・イノベーションの方法論を提唱している。
慶応義塾大学工学部数理工学科卒業(’82)、早稲田大学理工学研究科博士課程修了、博士(工学)(’05:早稲田大学)
研究室のサイト

 

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多くの人にとって聞き慣れない言葉「バリューエンジニアリング(以下、VE)」とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法です。簡単ではない内容なので、詳しいないようを知りたい方はVE協会のサイトをご覧ください。

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ムルガナンサムから調達した小型ナプキン製造機は、前提としてインドの農村女性を顧客として開発されています。しかし、インド人女性とフィリピンの女性の間では、着用する衣服が異なります。具体的にはインドは余裕のあるサリーを着用するが、フィリピンは普通のシャツと細身のパンツの方が多いのです。この他、目に見えない生活習慣の違いもあります。

 

また、事前にユーザー調査やインタビューを実施したところ、インドとは違ったニーズが明らかになりました。それは、“ムレ”や“カブれ”を気にする女性がいたことです。現行のナプキンに対する不満、求める機能や便益にもインドの女性との間で違いがあることが確認できました。

 

しかし、現在の小型ナプキン製造機で生産可能なナプキンは、サイズ(大きさ、厚さ)がインド用に決められています。そのため、フィリピンの顧客が求める機能、便益に対し、製造機に改良を加える必要がありました。(ex.プレスの圧力を高めて薄くする、大きさを変更する)

 

そのギャップを埋めるために、澤口先生の力をお借りすることになりました。先生はすぐに僕たちの意図を汲み取ってくれ、5月にフィリピンへ渡航していただきました。しかし、まだ、小型ナプキン製造機はインド、そこで、現地の状況把握と機械の改良に協力してくれる現地大学のエンジニア、イノベーション・センターのスタッフへVEのレクチャーを行いました。

 

具体的には、今回のプロジェクトをサポートしてくれる現地エンジニアチームに対する指導、製造機の改良、専門的なプロジェクトのマネジメントと進行管理のサポートです。これは、最低のコストで顧客の要求する機能を満たす商品を提供するための価値工学(Value Engineering)に基づいています。価値工学の専門家であり、欧米諸国やインドでの活動経験豊富な澤口先生でなくてはできないことです。

 

最後に、澤口先生がこのプロジェクトで成し遂げたいと考えていることは、「アジアの新興国、発展途上国におけるIE、VE、TRIZの活用事例をつくること」です。これまで先進国の大企業を中心に導入されてきたVEやTRIZを、社会課題が山積する発展途上国のコミュニティ・ビジネス、小規模分散型の生産に適応するという事例をつくりたい。過去に少なくとも日本のVE資格保持者や研究者等の関係者がグラスルーツイノベーション活動の中でVEやTRIZ等の管理技術を駆使して、成果を残した方がまだいない領域なのです。だからこそ、取り組む意義が非常に高いと澤口先生は考えられています。

 

来る2013年9月29日、澤口先生の第二回渡航を予定しています。