現在模写作業に当たっているメンバーは、研究室のOBOGの背中を見て育ってきました。

 

「学部生の時に先輩方の模写を見て感動しました。歴史に恥じることの無いよう頑張ります!」

メンバーの諸橋君は、このように意気込みを語ってくれました。

 

歴史的な作風を尊重し、また自身もそれを身につける鍛錬が必要になってまいります。

ではそれは一体どのような行程で進めていくのか。

今回は、模写作業の過程のうち「上写し」をご紹介させてください。

 

「上写し」とは、原画(あるいは原画の印刷物などの手本)の上に、にじみ止めした薄い和紙を重ね、その紙を巻き上げ、巻き下ろしを繰り返しながら、目に映る残像を利用しつつ、上に重ねた薄い和紙に原画を正確に描き写していく方法です。 

 

この段階では、まず線しか描きません。

描かれている人の表情や、対象物の陰影などを細かく線で写し取った後、全体の色彩や濃さを整えます。

 

その際に使うのは、通常よりも非常に細い穂先を持った筆。

 

原本の絵の輪郭を写し取るため、非常に先の細い筆を用います。

 

筆の他にも墨、和紙、筆の持ち方、線を描くスピード、作業中の精神統一に至るまで、全ての要素にこだわり、調整を重ねた上で描き始めます。

 

線描は模写作業の第一歩で、描き直しがききません。

研究室の生徒には、温故知新、当時の作風や表現手法を学び身につけてゆくことで、現状模写という古き良き、かつ新しい作品を生み出して欲しいと思っています。