模写作業の大変さの理由には、時間がかかるということのほかにも様々あります。

 

原本により近いかたちで模写するため、作品が所蔵されている奈良に足を運ぶ必要があります。

また、絵の雰囲気を的確に再現するため、当時使われた絵の具を使用します。

 

一点の模写を制作するのに約1年半の歳月がかかります。

制作にあたって、平安時代当時と変わらない日本画絵具を使うのが特徴です。

 

 

国宝『信貴山縁起絵巻』では非常に高価な天然の絵具が使用されています。

また紙としては和紙を使用しておりますが、職人が特別に手漉きで制作した薄美濃紙を使用しております。

 

どちらも入手することは可能ですが、材料費としては、非常に高価なものとなります。

 

大学からの予算もありますが、全体の制作に掛かる費用から考えますと、

全てをカバーできない部分もでてきています。

 

過去、三大絵巻のうち2作品を模写してくださった研究室のOB・OGの皆様の成果を引き継ぐためにも、このプロジェクトを何としてでも成功させなければならないと、身を引き締めて頑張っていきたいと思います。