プロジェクト概要

 

東京藝術大学・日本画研究室が

日本三大絵巻のひとつ、国宝『信貴山絵巻』の現状模写に挑む!

 

東京藝術大学・日本画研究室の手塚雄二です。これまで研究室では、法隆寺金堂壁画、高松塚古墳壁画、敦煌莫高窟壁画、国宝『源氏物語絵巻』、国宝『伴大納言絵巻』の現状模写の制作を行い、歴史的価値のある絵画の保存に努めてきました。そして2017年度より、今回の国宝『信貴山縁起絵巻』の現状模写をスタートします。

 

現存する歴史的作品を模写することは、後世にその姿を残すために非常に重要な活動です。

 

 

ここまで長い年月を掛けて、日本三大絵巻の2つは完成し、ここから11年の歳月を掛けて、この最後の作品へ挑戦します!

 

平安時代に制作された『信貴山縁起絵巻』は、現在奈良国立博物館に寄託されている国宝で、日本三大絵巻の一つです。これまで他二作品の現状模写を研究室として行っており、これがこの三大作品の最後の挑戦となります。全工程で11年間を要する、藝大所蔵の一式と、奈良国立博物館に納める一式を作り上げる一大プロジェクトです。

 

徹底的な正確さを要する現状模写は、絵巻が作られた当時の色彩を細部に渡るまで、調査・分析し、剥落、褪色、変色、欠損、汚れや虫食い跡に至るまで、現在の状態をまさに原本のまま写し取るものです。

 

2年で完成するこの内の4枚の完成に掛かる費用の一部として、200万円が必要です。劣化が進んでいってしまう原本を現在の姿で、しっかり残しておくことは大きな歴史的価値があります。ぜひ後世にこの絵画の姿を残していくために、皆さんのお力をお借りできればと思います。

 

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1日に数センチ四方ずつ進めていく、根気と繊細さが必要とされる作業。

 

 

800年以上前に完成した作品、日を追うごとに劣化が進むことを止めることはできません。一刻も早く現状模写を行い、この姿を後世に残さなければなりません。

 

日本の国宝に指定されている『信貴山縁起絵巻』は、現在奈良国立博物館に所蔵されている、平安時代に作成された、作者不明の作品です。 『源氏物語絵巻』、『伴大納言絵巻』と並ぶ日本三大絵巻として知られています。

 

12世紀後半に制作されたとされ、すでに現時点で完成してから800年以上もの年月が経過しています。日を追うごとに劣化が進んでしまうのは、避けられないことです。劣化が進んで、元の姿がわからなくなってしまう前に、この姿を今の状態で後世に残しておく必要があります。

 

壮大な作品のため、すべての模写が完成するのは、11年後。いま始めなければ、もっともっと劣化が進んでいってしまう可能性があります。

 

この作品は、『飛倉(とびくら)ノ巻』(山崎長者の巻)、
『延喜加持(えんぎかじ)ノ巻』、『尼公(あまぎみ)ノ巻』の三巻からなり、
通常の寺社縁起のごとく、開山の縁起を記したものではなく、
平安時代中期に信貴山で修行して当山の中興の祖とされる命蓮に関する説話を描いています。

人物の表情や、躍動感のある作風は絵巻の一大傑作であり、
『鳥獣人物戯画』とともに、日本の漫画文化のルーツとされます。

 

 

原本により近いかたちで模写するため、当時使われた絵の具を使用したり、作品が所蔵されている奈良に足を運ぶ必要がありますが、このための資金が足りていません。

 

一点の模写を制作するのに約1年半の歳月がかかります。作業としての時間が掛かるだけではなく、現地に足を運び、現物を見て色合いなどさまざまな調整が必要となります。今回の作品は奈良に所蔵されているため、取材地が遠方であり、負担は大きくなります。

 

制作にあたって、平安時代当時と変わらない日本画絵具を使いますが、模写を行う元となる、国宝『信貴山縁起絵巻』では非常に高価な天然の絵具が使用されており、これは必要不可欠なものとなります。また、紙としては和紙を使用しておりますが、職人が特別に手漉きで制作した薄美濃紙を使用しております。どちらも入手することは可能ですが、材料費としては、非常に高価なものとなります。

 

大学からの予算もありますが、全体の制作に掛かる費用から考えますと、全てをカバーできない部分もでてきています。

 

原本と見比べてその姿を「そのまま」再現する、汚れや劣化した部分もすべて描くことで表現しています。

 

 

すべての完成までには11年の月日が掛かる制作作業

 

原本を正確に写した写真を元に模写を行っていき、原本との色彩調整を行い、より本物に近い模写を制作していきます。汚れなどもすべて細かく点描で模写していく正確さと根気のいる作業です。

 

1:原寸大写真の上に、絵の具のにじみ止めを施した薄美濃紙(和紙)をセットします。

 

2:上に敷いた紙をめくりながら、観察し、手のスレを防ぐため左上から模写を行っていきます。

 

3:表情などを細かく写し取った後、全体の色彩や濃さを整えます。

 

4:全体の線を写し取った後、パネルに張り込みます。

 

5:現地で検証を行うための色見本を作成します。

 

6:現場で原本と色見本を入念に照らし合わせ、塗っていく色を決めます。

 

7:本物を見た際に感じた重厚感や絵の具の質、色味の印象などを大切にしながら、彩色を進めていきます。そして、原本との比較と調整を重ねます。

 

8:色彩が完成した後に、原本と同様にマットで表装し、桐箱に収めます。そして、箱に制作者の名前を刻み、完成となります。

 

 

すべての作品の模写が完成した際には、これまで歴代のOB・OGたちが作成してきた 『源氏物語絵巻』、『伴大納言絵巻』とともに展示を行います。

 

制作された模写は東京藝術大学日本画研究室の収蔵とし、奈良国立博物館の研究及び、本学の貴重重な教材として活用され、第3研究室大学院生と第3研究室OBの共同制作により、同じ場面を2場面ずつ制作し、東京藝術大学と奈良国立博物館に収蔵することとなります。  

 

今回の模写により国宝『源氏物語絵巻』、国宝『伴大納言絵巻』、国宝『信貴山縁起絵巻』の三大絵巻が全て揃うかたちとなります。これらが揃ったのちにはすべてを一同に介した展示会を行いたいと考えております。

 

国宝模写が3点揃った状態の展覧会は前例がありません。 模写と言いましても前述の通り単なるコピーにとどまらず、現代を生きる絵描きの嗅覚で古典を読み解き、高度な技術と感性をもった一人の画家が制作をしております。 その彼らの技術と努力の結晶ともいえる現状模写を、これまでの集大成として、一堂に並べた展覧会を開催したいと思っております。

 

現在美術界の最前線で活躍しているOB・OGも、今までの作品の技術を受け継ぎながら完成させてきました。

 

 

スケジュール(絵巻・計4面)​

 

2017年4月:制作開始 

上げ写し・裏打ち・研究

地塗り・彩色・研究

 

2017年5月:奈良国立博物館特別観覧

彩色・研究

2017年9月:奈良国立博物館特別観覧

彩色・研究

【翌年も同様に制作活動】

 

2018年12月:完成

表具(桐平箱仕立て)

 

2019年1月:表具に収まったかたちでの完成

      

資金使途

 

奈良国立博物館に所蔵されている国宝『信貴山縁起絵巻』(飛倉の巻・延喜加持の巻・尼公の巻)の現状模写を制作し、東京藝術大学大学院第三講座修士課程の修了模写として、学生1人につき絵1場面を取り組む事となります。(1場面につき2年間で4回特別観覧を行います)

 

今回のプロジェクトでは、みなさんからご支援をいただき、学生の現地取材費用、模写に必要な画材、完成した模写の保管用具、及び展覧会費用の一部に充当します。

 

今後美術作品の修復や修繕プロとして活躍していくような学生たちと本学を卒業して一線で活躍しているOB・OGたちがプロジェクトに携わり、制作にあたっていきます。

 

2年間、ひとりひとりが絵巻の制作にかかりっきりで向き合うため、なかなかアルバイトをする時間をつくることが難しい状況です。そんな学生たちの負担を減らし、彼らが極める道により集中し、よりよい作品が後世に向けて創造されるようお力添えをお願いします。

 

ひとりひとりが真剣に作品と向き合いながら、完成へと歩みを進めます。

 

 

今回のプロジェクト実施にあたって

 

国宝であるこれらの絵巻の原本は公開が制限されておりますが、現状模写ならば広く多くの方々に公開し鑑賞することが可能となります。このことにより、教育研究の場が広がることのみならず、素晴らしい日本文化のアイデンティティーを世界に発信することにもつながります。

 

皆様には自国の文化を継承し、その優れた技術、思想をもつ学生の良き理解者、支援者となっていただき、共に優れた日本文化の発展に寄与していただきたいと考えております。

 

東京藝術大学美術学部日本画専攻 主任教授 手塚雄二

 

 

 

税制上のメリットについて

 

■個人の寄附の場合:

個人で2,000円以上の寄附をされた方は、本学の発行した寄附金領収書を添えて確定申告を行うことにより、以下の措置が受けられます。

 

(所得税)

下記の金額が、その年の所得税の課税所得から控除されます。

課税所得の控除額=寄附金額(所得の40%を上限)-2,000円

 

(住民税)

所得税のほか、次の自治体にお住まいの方は住民税が一部控除されます。

・東京都足立区、神奈川県横浜市にお住まいの方

都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
市区町村民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×6%控除
…合計10%

・東京都、神奈川県にお住まいの方

都道府県民税の控除額:(寄附金額-2,000円)×4%控除
…合計4%

※確定申告を行わない方は、上記自治体に住民税の申告を行っていただく必要があります。

 

■法人の寄附の場合:

寄附金は、全額損金に算入することができます。

 

【参考】文部科学省ホームページ「寄附金の税制について」

 

 

寄附金領収書の発行について

 

本学にご寄附いただきましたら、後日「寄附金領収書」を送付いたします。確定申告の際、証明書としてご活用ください。

 

■領収書名義:

Readyforアカウントにご登録の氏名を宛名として作成します。

■領収書発送先:

Readyforアカウントにご登録の「リターンの発送先ご住所」にお送りします。

■寄附の受領日(領収日):

Readyforから本学に入金された日となります。

■領収書の発送日:

12月ごろを予定しています。発行までお時間をいただきますが予めご了承願います。

 


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