
オミャーゲ名古屋の店舗デザインについて(前編)
ホリエビルANNEXおよびOMYAGE NAGOYAは、名古屋芸術大学を卒業し2016年4月からデザインスタジオ Bouillon(ブイヨン)として活動している服部隼弥さんと那須裕樹さんに建物のリノベーションを依頼しました。彼らとは2017年にホリエビル本館を、2019年には包みパイ専門店MEAT PIES MEETでもお店づくり・場所づくりをいっしょに進めてきました。今回は彼らBouillonのふたりに、OMYAGE NAGOYAのことを聞いてみました。
聞いたひと:堀江浩彰
話したひと:デザインスタジオ Bouillon/服部隼弥・那須裕樹
書いたひと:山田真理子
堀江:この案件を最初に受けた時、どんな印象でしたか?
服部:正直に言うと、近いからやりたいよね、というのが二人の感想でした。しかし見るからに大変そうな物件だなという印象が強かったです。
那須:外観だけですけど、着工前の状態を知っているので、何かトラブルにならないか心配でした。
服部:今でこそタイルの印象が良く見えますけど、前は外壁タイルの落書きとか室外機や割れた看板などのノイズが多く、印象が悪く見えていました。
那須:堀江さん山田さんと一緒だからやってみようと思ったのがきっかけでしたね。
堀江:一番最初に内覧したときの印象は?
服部:中を見たら、やめようと思いました(笑)、いわゆる一般的な旅館とは、イメージが違っていた。
那須:未体験な世界でしたね。
堀江:おお、それはどういう感覚ですか?例えば、以前依頼したホリエビル改装との比較で言うと?今回の物件とホリエビルは築年数はほぼ一緒だったけど。
服部:ホリエビルのほうは、ぱっと見の外観で想像できました。内覧した時も印象通りだったんですが、大松旅館は中の形状がくびれていたり、建築全体をとらえるのが難しいなと感じました。この建物は両隣と3軒並びで同じような年代のビルが並んでいて、建物単体よりも、並び自体を街として捉えて見ていました。当時、同じような建物が並んでいる駅西エリアで、リノベーションしたホリエビルだけ少し様相が違って見えていた気がします。
堀江:なるほど、そんな感覚だったんだ。ちなみにプロジェクトに参加しよう!とスイッチが変わったタイミングやポイントはいかがですか?こちらからコンセプトシートを提案した春頃?それともわたしが(こんな風になるといいなという)完成イメージコラージュをつくったあたりかしら?
服部:最初はオレンジの会が、物件と契約する話が進んでいたので、テナント貸し部分になる1F内装工事のみかと思っていましたが、堀江さんに契約が変更となりプロジェクトの方針がしっかり固まってきたあたりでチームに溶け込んでいった感覚があります。土地として、また新しいものを吹き込みたいという堀江さん山田さんのコンセプトを聞いたときに表層的ではなく、いまの駅西の状況に対して意味づけのあるプロジェクトなんだと感じました。福祉的なチャレンジだけでなく、面白いお店づくり、街的なかかわりなんだと捉え直すようになりました。それまではこの物件を建築的視点でみることのほうが多かったんですが、建築・ビルリノベ・デザイン・福祉、どの視点から切り取ってみても面白い試みなんだと、スイッチが変わっていきました。
那須:これまで2017年~ホリエビルのリノベーション、2019年~MEAT PIES MEET(以下MPM)の内装工事に関わりました。MPMは商業店舗を目指したプランでしたが、ホリエビルは喫茶River、オンリーフリーペーパー名古屋、シェアオフィス、といった複合的な要素を持つビルだったので、OMYAGE NAGOYAはその新バージョンというのが近いのかな、という印象でした。「Bouillonの好きなようにデザインを任せる」という依頼を受けて、ホリエビルともMPMとも違うデザインができると決まった当初は、改装前の物件状態から考えると「さて、どうしよう」と思案しましたが、これまで旅館業であったことなどは少し頭から外し、この空間やこれから始めることをメインに考えるように変わってからは面白く考えられるようになったと思います。そこで別のスイッチが入ったんじゃないでしょうか。
服部:ぶっちゃけ最初は堀江さんがホリエビル新館(仮称:現ホリエビルANNEX)をやる意味が分からなかったです(笑)すでにホリエビル、MPMがあるのに、どういうビジョンなんだろう?と思ったんです。しかし、堀江さんやオレンジがこの物件に関わらなかったら、もしかしたらこの大松旅館は壊されたり、知らないどなたかが全然違う使い方をしてしまっていたと思います。Gallery NA2(ホリエビル本館 2F)では、2020年中までまでコロナ禍の影響でギャラリー無料レンタルということを行っていましたよね。通常のギャラリー運営でいえば作品/作家の質が落ちることを懸念し、中々踏み切りにくい判断だった思います。しかし今度のOMYAGE NAGOYAのように、新しくパッケージングをして、使い方や関わり方を提案していくことこそが、街での自然な残り方(あり方)なんではないかと考え始めました。なので、依頼を受けたからやらなきゃいけないという気持ちではなく、堀江さんと山田さんたちなら、様々な困難があってもふっと飛び越えて一緒にやれるかもしれないと思えるようになりました。どんな有名な建築家でも解決できない何かを、自分たちのチームで取り組めると感じ、Bouillonもわくわくしています。
堀江:そうだったんだ、対談形式だと当時の気持ちをふり返れたり伝えやすくていいね!(笑)ところで、今回は依頼内容(予算、期間、用途、「旅館というコンセプト」など)を伝えたあとは、かなりアバウトに二人にお任せしたけれど、それってやりやすかったのかな?
服部:これは本気でやらないといけないパターンだなと思いました。堀江さんもデザイナー出身だから理解してくれると思いますけど、やりたいようにやるのは一番難しい反面、一番求めてることなんですよね。簡単ではないですけど。なので、腕をまくってとりかかるぞ!と。
堀江:ホリエビルの時は私の好きな要素(写真・ワードなど)をかなり絞りつつも大量に伝えたけれど、今回はあんまりしていないですよね。外観でいえば開口部分はこうしたい、のれんつけたい、フラッグつけたい、というのが三大要素くらいだったんじゃないかな?
服部:難しいのは、堀江さんの的に当てにいくこともそうですが、バイタリティのほうです。大松旅館という場所を愛せるかどうか。とことん自分たちの好きな箇所を探すことでした。そうすると、オーダーがどうでもよくなってくる(笑)。なので途中からフラッグのことは頭から消えてました。自分の世界にもっていくワークになってくると、仕事感がなくなってきて、自分ごとになる。そうするとオーダーを忘れてしまうこともあるんですけど、一旦突き抜けるターンが必要になります。
堀江:好き勝手にやるという部分で印象的に残るのは床レンガの部分だよね。Bouillonは早い段階からレンガをやりたがっていたもんね。だから自分も山田さんも、やりたいという意思に同意していた。施主の依頼内容を無視してくれたのも(好きに任せるという)オーダーだとしたら、ちゃんとオーダーにかなっていてすごくよかった。
服部:本気でオーダーを忘れていたよね、二人とも。
那須:かなり好き勝手やったところが多いと思います。
堀江・山田:めちゃいいね(笑)
山田:二人とも特に好き勝手やったところはどこですか?
服部:床です!!
那須:床とルーバーです!!
服部:床だけは、もう絶対にこれだと早い段階で決めていた。何を言われてもレンガにするぞと。
山田:めっちゃ即答ですね(笑)
堀江:床の件、プレゼン時、服部くんから、ものすごく強い意志を感じたのを思い出した(笑)。
那須:(服部さんに)最初は総レンガ造りみたいなプランだったよね。
服部・那須:最初はふわっとしたイメージでデザインを始めるんです。それがすごく大事。そのふわっとした印象をしっかり形にしていくようにしています。
服部:ノープラン状態で最初に決めてたのは床のこと。那須君、素材何が使いたい?→「レンガ」→はい、レンガ決定!というように決めました。
那須:決まったのは早かったです。それを堀江さん山田さんにどう伝えようかなと思いました。
服部:自分たちの持っているこれまでのデータから、材量の組み合わせを大事にしています。ここに堅いものは合わないだろう、人が触れるならなおさら優しい印象がいいと思ったから、什器類も杉をメインに使用しました。弱くて傷がつきやすいので家具に不向きな杉なんですけど、レンガと組み合わせた時にお互いを保ちあって不思議な相性があります。レンガが室内にあると、少し荒々しくみえるかもしれませんが、杉が緩和させてくれているというか。オシャレな店舗にしたかったら、もっと堅いムクみたいな素材で仕上げるのがメジャーなんです。ただそうするとレンガを抑えられない気がしました。コスト面でも、物としても重量感を持たせつつ安価で使えるのは、杉でしかできない。フラッシュという安い木で組んで外側だけ貼る手法もありますが、本物感が出ないと思います。
山田:MPMでも杉を使っていましたよね
服部:あれは上から緑の塗料を塗っていますね。昔から使われている手法。使いやすい素材なんです。
堀江:那須君はなにかある?
那須:杉を使って什器の試作をしていましたが、強い印象にならないことを心掛けていました。床からデザイン案をつくっていき、壁、外壁と決まってきたときに、カウンターまわりの杉を使ったルーバー案が立ち上がってきました。入口でつかっているルーバーも、杉の間がから店舗内のレンガが透けて見えていることで、お店の印象が締まるように計算しています。
堀江:ざっくりいうと、この空間・デザインは何系?和モダンをオーダーしたわけではないけど…。
服部:ざっくりいうと、和ですよね
堀江:だよね。思ったよりも和になった気もするけど、そんなに和じゃない感じもする。
服部:レンガがあることが面白い違和感に繋がっているんだと思います。これだけ杉を使っているけど、和の印象をうまく抑えているのがレンガ。和だけど和じゃない。しいて言うなら全体にアースカラーを使っているので、和としても見えるようになっているんだと思います。
思いのほか長くなってきたので、後半に続きます!
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Bouillon
服部隼弥 と 那須裕樹 によるデザインスタジオ / Design studio by Shunya Hattori and Hiroki Nasu
名古屋芸術大学(SpatialDesign専攻)を卒業
2016年4月にデザインスタジオとしてBouillon(ブイヨン)を設立
http://www.design-bouillon.jp/
リターン
3,000円
OMYAGE NAGOYA ステッカー
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
・OMYAGE NAGOYA オリジナルステッカー
- 支援者
- 31人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
5,000円
たつの屋の“あんこがね”ご試食プラン
・“あんこがね”Sサイズ(8個入)2個分 店頭引き換え券
※引き換え券の有効期限は、発行から6ヶ月となります。
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 15人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
5,000円
MEAT PIES MEETの“包みパイ”ご試食プラン
・包みパイ、2個セット 店頭引き換え券
※引き換え券の有効期限は、発行から6ヶ月となります。
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 10人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
5,000円
店内御礼ボードにお名前掲載
・店内御礼ボード(A1サイズ)にお名前掲載(小サイズ)を掲載します。
※ボードはオープンから1年間掲出いたします。
- 支援者
- 16人
- 在庫数
- 84
- 発送完了予定月
- 2021年2月
6,000円
作家応援権 OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(1ヶ月分負担)
・今後レンタル棚を利用される地域作家さんの1ヶ月分の利用をご負担いただく応援プラン
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 3人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
10,000円
OMYAGE NAGOYA 応援プラン
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 7人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
10,000円
たつの屋の“あんこがね”ご試食プラン
・“あんこがね”Sサイズ(8個入)4個分 店頭引き換え券
※引き換え券の有効期限は、発行から6ヶ月となります。
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
10,000円
MEAT PIES MEETの“包みパイ”ご試食プラン
・包みパイ、8個セット 店頭引き換え券
※引き換え券の有効期限は、発行から6ヶ月となります。
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 5人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
10,000円
作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(3ヶ月)先行申込権
・作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(3ヶ月)先行申込権
※レンタル棚のサイズは、高さ40cm×横幅40cm×奥行40cmとなります。
※レンタル棚の通常価格は、1ヶ月3,500円(税込)+ 保証金 10,000円となります。
※販売手数料はお預かり商品(作品)の販売価格より20%をいただき、月毎に精算いたします。
※保証金はレンタル期間終了時のお預かり商品(作品)の返送(梱包資材等含む)費用を差し引き返金します。
※レンタル棚の位置はご指定いただけません。
※システム詳細はまた別途お知らせいたします。
- 支援者
- 5人
- 在庫数
- 5
- 発送完了予定月
- 2021年2月
12,000円
作家応援権 OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(2ヶ月分負担)
・今後レンタル棚を利用される地域作家さんの2ヶ月分の利用をご負担いただく応援プラン
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 4人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年2月
15,000円
OMYAGE NAGOYA オリジナル商品詰め合わせギフト
・OMYAGE NAGOYA オリジナル商品(10,000円相当)詰め合わせギフト
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 7人
- 在庫数
- 93
- 発送完了予定月
- 2021年3月
20,000円
作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(6ヶ月)先行申込権
・作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(6ヶ月)先行申込権
※レンタル棚のサイズは、高さ40cm×横幅40cm×奥行40cmとなります。
※レンタル棚の通常価格は、1ヶ月3,500円(税込)+ 保証金 10,000円となります。
※販売手数料はお預かり商品(作品)の販売価格より20%をいただき、月毎に精算いたします。
※保証金はレンタル期間終了時のお預かり商品(作品)の返送(梱包資材等含む)費用を差し引き返金します。
※レンタル棚の位置はご指定いただけません。
※システム詳細はまた別途お知らせいたします。
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 8
- 発送完了予定月
- 2021年2月
30,000円
作家応援権 OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(6ヶ月分負担)
・今後レンタル棚を利用される地域作家さんの6ヶ月分の利用をご負担いただく応援プラン
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
※レンタル棚のサイズは、高さ40cm×横幅40cm×奥行40cmとなります。
※レンタル棚の通常価格は、1ヶ月3,500円(税込)+ 保証金 10,000円となります。
※販売手数料はお預かり商品(作品)の販売価格より20%をいただき、月毎に精算いたします。
※保証金はレンタル期間終了時のお預かり商品(作品)の返送(梱包資材等含む)費用を差し引き返金します。
※レンタル棚の位置はご指定いただけません。
※システム詳細はまた別途お知らせいたします。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
30,000円
OMYAGE NAGOYA オリジナル商品詰め合わせギフト
・OMYAGE NAGOYA オリジナル商品(20,000円相当)詰め合わせギフト
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 10人
- 在庫数
- 90
- 発送完了予定月
- 2021年3月
30,000円
店内御礼ボードにお名前掲載
・店内御礼ボード(A1サイズ)にお名前掲載(中サイズ)を掲載します。
※ボードはオープンから1年間掲出いたします。
- 支援者
- 3人
- 在庫数
- 27
- 発送完了予定月
- 2021年2月
40,000円
作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(12ヶ月)先行申込権
・作家さん向け OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(12ヶ月)先行申込権
※レンタル棚のサイズは、高さ40cm×横幅40cm×奥行40cmとなります。
※レンタル棚の通常価格は、1ヶ月3,500円(税込)+ 保証金 10,000円となります。
※販売手数料はお預かり商品(作品)の販売価格より20%をいただき、月毎に精算いたします。
※保証金はレンタル期間終了時のお預かり商品(作品)の返送(梱包資材等含む)費用を差し引き返金します。
※レンタル棚の位置はご指定いただけません。
※システム詳細はまた別途お知らせいたします。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 9
- 発送完了予定月
- 2021年2月
60,000円
作家応援権 OMYAGE NAGOYAのレンタル棚(12ヶ月分負担)
・今後レンタル棚を利用される地域作家さんの12ヶ月分の利用をご負担いただく応援プラン
・感謝の気持ちを込めたお礼のメール
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2021年3月
100,000円
店内御礼ボードにお名前掲載
・店内御礼ボード(A1サイズ)にお名前掲載(大サイズ)を掲載します。
※ボードはオープンから1年間掲出いたします。
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 8
- 発送完了予定月
- 2021年2月
300,000円
店内御礼ボードにお名前掲載
・店内御礼ボード(A1サイズ)にお名前掲載(特大サイズ)を掲載します。
※ボードはオープンから1年間掲出いたします。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 5
- 発送完了予定月
- 2021年2月