【第10弾】歌舞伎や映画、フィルムがつないだ記憶を遺す。

支援総額

3,126,000

目標金額 2,500,000円

支援者
284人
募集終了日
2021年10月27日

    https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan10?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2021年09月27日 14:09

リターンの文庫本カバーのご紹介 その3 歌舞伎『桜姫東文章』

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

 

プロジェクトを開始して20日が過ぎましたが、現在141名の方から166万4千円のご支援を頂いております!当館へのご来館が難しい遠方からもご支援を頂きまして、スタッフの励みになっております。募集終了までの残り30日も一同頑張ってまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します!

 

さて今回の新着情報では、ご支援いただきました方への成立後のお礼についてご紹介いたします。

 

5千円以上のご支援を下さった方へのお礼として、当館の所蔵資料がいつも皆様と共にあるように、という気持ちを込め、当館所蔵の台本の表紙をデザインに使用したオリジナルの文庫本カバーを作成します。2種類1セットで、歌舞伎と映画から1冊ずつ台本を選んでおります。(デザインは全て同じです)

 

映画台本『夜叉ヶ池』のご紹介はこちら

 

そして、今回は歌舞伎台本『桜姫東文章』のご紹介です。

 

『桜姫東文章』は今年の歌舞伎座で、4月に上の巻、6月に下の巻が上演されましたが、片岡仁左衛門の清玄と釣鐘権助、坂東玉三郎の白菊丸と桜姫という配役では36年ぶりの競演ということで大変話題になりました。実はその36年前の上演というのは、昭和60年3月歌舞伎座のことで、今回のデザインに使用しているのが当時の上演台本です。

 

(左)昭和60年3月歌舞伎座上演台本、(右)文庫本カバー見本

 

『桜姫東文章』が初演されたのは、文化14年(1817)3月河原崎座で、作者の四世鶴屋南北は当時63歳、前年11月の顔見世興行から河原崎座に移り、専属の座付作者になったばかりでした。河原崎座の座頭は27歳の七世市川團十郎、立女形は42歳の五世岩井半四郎で、清玄と釣鐘権助を團十郎が、桜姫を半四郎が演じ、白菊丸は半四郎の息子の岩井松之助が14歳で演じました。当時、弥生狂言としてお馴染みの清玄桜姫の世界に、隅田川の吉田家のお家騒動を綯い交ぜにした作品で、若き座頭の團十郎と、眼千両とうたわれた美貌の女形半四郎に当てて、役者の芸風が存分に発揮されるように円熟期の南北が腕を振るったと考えられます。


当時の評判記『役者当撰鏡』(文化15年正月刊)には、「大上上吉 市川團十郎 三月狂言に東文章 清玄まつ押出しが清水の住職と見へ升た 二役釣かね権介錦升丈に少シもおとらぬできやう」「極上上吉 岩井半四郎 桜姫後に小塚原の風鈴お姫 おし出しのうつくしさから気の替りやう いやはやほめやうのないほどおもしろい事」とその評判ぶりがうかがえます。

 

このように初演は好評だったようですが、その後は再演がなく、再び上演されるようになるのは昭和に入ってからになります。

 

昭和期戦前の上演台本

(左)昭和2年10月本郷座『清水精舎東文章』(警視庁検閲台本)
(右)昭和5年9月明治座『當流東文章』序幕(警視庁検閲台本)、二幕目、大詰(稽古本)

 

実は、河竹黙阿弥が自ら一部を手写ししたという台帳が黙阿弥家に所蔵されていましたが、惜しくも関東大震災で焼失してしまいます。幸いにも演劇研究者であり評論家の渥美清太郎が、震災前に黙阿弥家から借りて読んだ折に写したものが残っていたため、『大南北全集第八巻』に収録され、大正14年に出版されました。作品の存在が知られるようになったことで、再び上演されるようになりましたが、昭和42年3月国立劇場で郡司正勝補綴演出による本格的な通し上演が行われ、その台本が現在の上演台本の基礎となっています。

 

(左)昭和42年3月国立劇場上演台本決定稿
(右)昭和50年6月新橋演舞場上演台本

 

片岡仁左衛門は、昭和50年6月新橋演舞場で釣鐘権助を初めて演じていますが、この昭和60年3月歌舞伎座の上演のときには、初演と同じく清玄と釣鐘権助の二役を演じました。坂東玉三郎は、昭和42年3月国立劇場で白菊丸を演じ、昭和50年6月新橋演舞場で初めて桜姫を演じています。昭和60年3月歌舞伎座の上演のときは6度目となる桜姫で、孝玉コンビとうたわれた二人の共演作の中でも傑作と評された話題の舞台でした。翌月にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも上演されています。

 

この記念すべき『桜姫東文章』の上演の台本をデザインに使用した文庫本カバーを、お礼としてお送りいたします。ぜひお手元でご愛用いただき、当時の舞台に想いを馳せていただけますと幸いです。

リターン

3,000


alt

活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載

■サンクスメール
■4月末に報告メール
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

申込数
57
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年4月

5,000


松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)※デザインは全て一緒です
当プロジェクト限定
 歌舞伎台本『桜姫東文章』昭和60年3月歌舞伎座公演
 映画台本『『夜叉ケ池』1979年篠田正浩監督作品
の表紙デザイン!

申込数
109
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年4月

3,000


alt

活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載

■サンクスメール
■4月末に報告メール
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

申込数
57
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年4月

5,000


松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)※デザインは全て一緒です
当プロジェクト限定
 歌舞伎台本『桜姫東文章』昭和60年3月歌舞伎座公演
 映画台本『『夜叉ケ池』1979年篠田正浩監督作品
の表紙デザイン!

申込数
109
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年4月
1 ~ 1/ 6


最近見たプロジェクト

もっと見る

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る