支援総額
目標金額 2,500,000円
- 支援者
- 284人
- 募集終了日
- 2021年10月27日
リターンの文庫本カバーのご紹介 その3 歌舞伎『桜姫東文章』
お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。
プロジェクトを開始して20日が過ぎましたが、現在141名の方から166万4千円のご支援を頂いております!当館へのご来館が難しい遠方からもご支援を頂きまして、スタッフの励みになっております。募集終了までの残り30日も一同頑張ってまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します!
さて今回の新着情報では、ご支援いただきました方への成立後のお礼についてご紹介いたします。
5千円以上のご支援を下さった方へのお礼として、当館の所蔵資料がいつも皆様と共にあるように、という気持ちを込め、当館所蔵の台本の表紙をデザインに使用したオリジナルの文庫本カバーを作成します。2種類1セットで、歌舞伎と映画から1冊ずつ台本を選んでおります。(デザインは全て同じです)
映画台本『夜叉ヶ池』のご紹介はこちら
そして、今回は歌舞伎台本『桜姫東文章』のご紹介です。
『桜姫東文章』は今年の歌舞伎座で、4月に上の巻、6月に下の巻が上演されましたが、片岡仁左衛門の清玄と釣鐘権助、坂東玉三郎の白菊丸と桜姫という配役では36年ぶりの競演ということで大変話題になりました。実はその36年前の上演というのは、昭和60年3月歌舞伎座のことで、今回のデザインに使用しているのが当時の上演台本です。
(左)昭和60年3月歌舞伎座上演台本、(右)文庫本カバー見本
『桜姫東文章』が初演されたのは、文化14年(1817)3月河原崎座で、作者の四世鶴屋南北は当時63歳、前年11月の顔見世興行から河原崎座に移り、専属の座付作者になったばかりでした。河原崎座の座頭は27歳の七世市川團十郎、立女形は42歳の五世岩井半四郎で、清玄と釣鐘権助を團十郎が、桜姫を半四郎が演じ、白菊丸は半四郎の息子の岩井松之助が14歳で演じました。当時、弥生狂言としてお馴染みの清玄桜姫の世界に、隅田川の吉田家のお家騒動を綯い交ぜにした作品で、若き座頭の團十郎と、眼千両とうたわれた美貌の女形半四郎に当てて、役者の芸風が存分に発揮されるように円熟期の南北が腕を振るったと考えられます。
当時の評判記『役者当撰鏡』(文化15年正月刊)には、「大上上吉 市川團十郎 三月狂言に東文章 清玄まつ押出しが清水の住職と見へ升た 二役釣かね権介錦升丈に少シもおとらぬできやう」「極上上吉 岩井半四郎 桜姫後に小塚原の風鈴お姫 おし出しのうつくしさから気の替りやう いやはやほめやうのないほどおもしろい事」とその評判ぶりがうかがえます。
このように初演は好評だったようですが、その後は再演がなく、再び上演されるようになるのは昭和に入ってからになります。
昭和期戦前の上演台本
(左)昭和2年10月本郷座『清水精舎東文章』(警視庁検閲台本)
(右)昭和5年9月明治座『當流東文章』序幕(警視庁検閲台本)、二幕目、大詰(稽古本)
実は、河竹黙阿弥が自ら一部を手写ししたという台帳が黙阿弥家に所蔵されていましたが、惜しくも関東大震災で焼失してしまいます。幸いにも演劇研究者であり評論家の渥美清太郎が、震災前に黙阿弥家から借りて読んだ折に写したものが残っていたため、『大南北全集第八巻』に収録され、大正14年に出版されました。作品の存在が知られるようになったことで、再び上演されるようになりましたが、昭和42年3月国立劇場で郡司正勝補綴演出による本格的な通し上演が行われ、その台本が現在の上演台本の基礎となっています。
(左)昭和42年3月国立劇場上演台本決定稿
(右)昭和50年6月新橋演舞場上演台本
片岡仁左衛門は、昭和50年6月新橋演舞場で釣鐘権助を初めて演じていますが、この昭和60年3月歌舞伎座の上演のときには、初演と同じく清玄と釣鐘権助の二役を演じました。坂東玉三郎は、昭和42年3月国立劇場で白菊丸を演じ、昭和50年6月新橋演舞場で初めて桜姫を演じています。昭和60年3月歌舞伎座の上演のときは6度目となる桜姫で、孝玉コンビとうたわれた二人の共演作の中でも傑作と評された話題の舞台でした。翌月にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場でも上演されています。
この記念すべき『桜姫東文章』
リターン
3,000円
活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載
■サンクスメール
■4月末に報告メール
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします
- 支援者
- 50人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
5,000円
松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)
3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)※デザインは全て一緒です
当プロジェクト限定
歌舞伎台本『桜姫東文章』昭和60年3月歌舞伎座公演
映画台本『『夜叉ケ池』1979年篠田正浩監督作品
の表紙デザイン!
- 支援者
- 106人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
10,000円
オリジナル文庫本カバー+台本カバーにお名入れ
5,000円のリターンコース内容に加え、
■台本カバーに支援者様のお名前をお入れします
【歌舞伎・新派・松竹新喜劇台本】
【映画台本】
【寅さん台本】
の3つの作品リストより、ご希望の1作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントにお書き下さい
※作品リストはプロジェクト本文「リターンについて」の台本カバーの説明部分にリンクがあります
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします
- 支援者
- 97人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
30,000円
オリジナル文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ
10,000円のリターンコース内容に加え、
■当館所蔵 組上燈籠絵『組上付属おはやし』『組上燈籠付属絵』のデザインのオリジナル文庫本カバー
- 支援者
- 11人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
50,000円
【5万円 応援コース】
※こちらのコースは、頂くご支援のほとんどをプロジェクトの実行費として使わせていただきます。
■サンクスメール
■4月末に報告書送付
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします
- 支援者
- 8人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
50,000円
【5万円 リターンコース】松竹大谷図書館見学会(歌舞伎記録映像上映付)+文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ
30,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館見学会にご招待
2021年11月25日(木)開催
(1)10時~11時半
(2)12時半~14時
(3)15時~16時半
の3回を予定(各回6名以下)
ご希望の回をご支援時の質問の回答にお書き下さい(先着順)
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします
※11月25日の見学会に参加できない方には予約制で、松竹大谷図書館を1時間ご案内するガイダンスの招待券をお送りします。有効期限:2021年12月~2022年7月の平日(開館日及び整理休館中)
※今回の見学会につきましては、書庫内のガイドツアーは開催いたしません
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、ご案内の範囲や期間を変更させて頂く場合がございます
- 支援者
- 13人
- 在庫数
- 5
- 発送完了予定月
- 2022年4月