支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 286人
- 募集終了日
- 2024年10月23日
北條秀司スクラップブックご紹介 その4 新派十二選
幅広いジャンルで作品を発表し続けた劇作家・北條秀司。今回の活動報告では北條秀司の「新派十二選」作品を北條秀司スクラップブックとともにご紹介いたします。
歌舞伎、新派をはじめ新国劇、商業演劇、舞踊、ミュージカル、レビューと、幅広いジャンルで作品を発表し続けた北條秀司は、昭和50年6月、劇作生活四十年を機にそれまでの全作品の中から、歌舞伎、新派、新国劇、舞踊劇の四分野で、それぞれ12作品を選び「北條十二選」と名付けました。
そのうちの「新派十二選」が、1『華やかな夜景』2『閣下』3『高砂』4『歳月』5『女将』6『太夫さん』7『智恵子抄』8『明石の姫』9『佃の渡し』10『京舞』11『明治の雪』12『女優』の12作品です。
1『華やかな夜景』昭和12年11月明治座初演
井上正夫は北條秀司の処女作『表彰式前後』が雑誌『舞台』で発表されると、主宰する「井上演劇道場」での上演を交渉しますが、すでに新国劇での上演が決まっていたため、他の作品を依頼します。そして書かれたのが『華やかな夜景』です。遊蕩家の社長に振り回される秘書の安来を井上正夫、家庭を顧みない夫にヒステリー気味の妻しづ子を岡田嘉子が演じました。戦後、1952年には松竹で映画化され、原作にはない安来の娘(津島恵子)とその恋人(佐田啓二)の関係の行方が、話の中心に据えられました。
2『閣下』昭和15年1月明治座初演
「閣下」と呼ばれる大企業の総帥・大原は、思いつくままに昔馴染みの温泉宿に立ち寄ったつもりが、望まぬ宴席を設けられてしまいます。自分勝手な人々に嫌気がさした大原は、若い頃に療治で逗留していた旧館に戻り、自分の面倒を見てくれる純朴な新米女中に、かつて世話をしてくれた女中の姿を見出し懐かしむのでした。大原を井上正夫が、今は按摩をしている元女中を初代水谷八重子が演じました。
3『高砂』昭和18年8月明治座初演
筝曲花山流家元の老女ますのと、尺八志賀流宗家の嫡男でありながら芸の道を捨てた老画家の白鸚。二人はかつて婚約者同士でしたが、いまや会話を交わしても気が付かぬまま同じ温泉宿に滞在しています。宿の主人の言葉から老女がますのと知る白鸚はふと長年しまい込んでいた尺八を演奏します。その音に白鸚が初恋相手と知ったますのは白鸚の座敷を訪ね、思いを込めて合奏をします。ますのを花柳章太郎、白鸚を大矢市次郎が演じました。
4『歳月』昭和21年12月東京劇場初演
深川の板前粂造は、花形芸者の小ふみと夫婦約束をする仲でしたが、小ふみが旦那を隠していた事を知り、二人の関係を詰る土地の若い者にけがを負わせ、深川にいられなくなってしまいます。40年後、信州路の鄙びた温泉宿で湯番となっている粂造の宿に、ある夜金持の隠居夫婦が止泊まりに来ました。落ち着いた様子のその妻はかつての小ふみでした。粂造を柳永二郎、小ふみを水谷八重子が演じました。
5『女将』昭和27年6月新橋演舞場初演
花柳章太郎のために書き下ろした「女将三部作」と言われる作品群の第一作目です。新富町の料亭の女将恵美は戦後の物不足のなか、一人娘の洋子のため苦心して白無垢の花嫁衣裳を用意してやりますが恵美の古い価値観に洋子は反抗的に振舞います。相手が東大卒ということで気を張って式の準備をする恵美は、仲人の校長夫婦を招宴している最中に、洋子が連れ帰った婚約者とその仲間が大騒ぎをするのに呆れますが、恵美の夫は、あれなら娘も嫁がつとまるだろうとかえって安心するのでした。恵美を花柳章太郎、夫を藤村秀夫、洋子を森赫子、校長夫婦を大矢市次郎と市川紅梅が演じました。
6『太夫さん』昭和30年11月明治座初演
『女将』『土砂降り』に続く「女将三部作」の三作目にあたります。2024年10月03日の活動報告【北條秀司スクラップブックご紹介 その2『太夫さん』】でご紹介していますので、詳しくはこちらをご覧ください。
7『智恵子抄』昭和31年11月明治座初演
芸術家高村光太郎とその妻智恵子の深い愛の絆を描いた作品です。夫を支えるため絵筆を捨てようとする智恵子に病の前兆があらわれます。心の病を深くしていく智恵子は、光太郎の努力にもかかわらず天上に旅立ちます。その後東北の山中で地元の青年たちに詩の朗読などを教える生活を送る光太郎は、いまだ智恵子を失った悲しみのなかにいました。ある夜耐え難い思いで智恵子の名を呼ぶ光太郎の前に、智恵子が若い頃の姿で現れます。その日から雪が降るたびに訪れると約束する智恵子の幻との交歓に、光太郎は失っていた創作への意欲が再び湧き上がってくるのを感じるのでした。光太郎を大矢市次郎、智恵子を初代水谷八重子が演じました。
8『明石の姫』昭和32年2月新橋演舞場初演
北條源氏の五作目。新派では初めて手掛けた源氏物語でした。
政争に敗れた光源氏は、須磨に配流となり、明石入道の邸に身を寄せます。そこで入道の娘の明石と出会い心惹かれますが、倫理観の強い明石は、都の紫の上を気遣い、源氏の想いを拒みます。そんな中、光源氏を慕う五節の君が船を仕立てて明石の浜まできますが、明石は光源氏に会わせずに船を帰してしまいます。怒った源氏は、明石の行為に嫉妬心がある事を見抜き、ついに明石を自分のものにします。翌年赦免された光源氏は、明石を伴い京都へ帰参しようとしますが、明石はそれを拒み、身籠った事も告げずに一人明石に残るのでした。光源氏を花柳章太郎、明石の姫を初代水谷八重子、明石入道を大矢市次郎が演じました。
9『佃の渡し』昭和32年12月新橋演舞場初演
佃島の漁師の娘お咲は、妻のいる佃煮屋の若旦那栄之助と駆け落ちをしますが、栄之助の罪を被って入牢します。出所の日、栄之助に会いたい気持ちから佃の渡しにやってきたお咲は、友人の伝手で会った栄之助から、また共に島を出ようといわれ、以前と変わらぬ愛情に喜びますが、栄之助から妻に子供が出来たと聞かされ、泣き崩れます。馴染みのおでん屋の仙吉を相手に話すうち、一人で房州へ落ちる決意を固めたお咲は、偶然通りかかった栄之助の妻が、栄之助が妊娠を喜んでくれたことを連れの女たちに話すようすを聞き、激情にかられ、仙吉の出刃包丁を掴んで後を追います。お咲を花柳章太郎、仙吉を大矢市次郎、栄之助を伊井友三郎が演じました。
10『京舞』昭和35年4月明治座初演
京舞井上流三世井上八千代の芸への執念を描いた作品です。
大正の初期の頃、祇園の鬼師匠の仇名で知られた京舞の三世井上八千代こと片山春子は、15歳の内弟子の愛子に誰よりも厳しく芸を仕込みます。泣きながらも必死で稽古に励む愛子を、春子の息子博通は何かと庇い、見守るのでした。やがて春子は、愛子に四世井上八千代を継がせる事にします。昭和12年、春子の百寿を祝う会が催され、春子は矍鑠と「猩々」を舞い、その翌年、眠るように百一歳の生涯を遂げます。月日は経ち、昭和33年、芸術院会員となった四世井上八千代こと愛子を祝う会で「屋島」を舞う愛子の目に、亡き春子の姿が映るのでした。片山春子(三世井上八千代)を花柳章太郎、愛子(四世井上八千代)を初代水谷八重子、片山博通を伊志井寛が演じました。
11『明治の雪』昭和41年11月新橋演舞場初演
戯曲研究誌『舞台劇』に発表した作品です。
樋口夏子(一葉)は、歌の師である中島歌子から、夏子が小説で師事している半井桃水に悪い噂がある事を伝えられ、桃水から離れるよう釘を刺されます。小説の道を捨てる覚悟で桃水を訪ねた夏子は、噂が嘘である事を知り、いずれ結婚したいという桃水の言葉を信じ、再び小説を書き始めます。その年の大つごもり、なけなしの稿料を母親に飲み代にされる日々を送っていた夏子は、歌人仲間から桃水の結婚話を聞き、絶望を覚えます。2年後の秋、夏子は小説で名が上がる一方で、抜け出せない貧乏生活を続けていました。次々に傑作を発表した夏子は売れっ子となりますが、無理がたたり血を吐いて倒れてしまいます。病室でも筆を止めない夏子のもとに、桃水が駆け付けますが、帰ったのちも命が尽きるまで、再び書き始めるのでした。樋口夏子を初代水谷八重子、半井桃水を森雅之が演じました。
12『女優』昭和44年11月新橋演舞場初演
文芸協会に所属する松井須磨子は女優としての才を島村抱月に見いだされ、相次ぐ大役を得ますが、、妻子ある抱月と恋愛関係となった事で、抱月と共に文芸協会を去る事となります。抱月は須磨子を看板女優に芸術座を結成し、革新的な上演演目で人気を博しますが、須磨子の我儘に、他の団員の不満が募り、さらに劇団の経営難を乗り越えるための歌入りの芝居の上演に、多くの団員が離反してしまいます。芸術座が上演した『復活』は劇中歌「カチューシャの唄」が大人気となり、レコードが発売され須磨子は一躍大スターとなります。抱月は歌入り芝居で得た資金で芸術性の高い芝居を上演する二元主義を確立しますが、志半ばにスペイン風邪で急逝してしまいます。抱月を失った須磨子は絶望の日を送るのでした。松井須磨子を水谷良重[二代目水谷八重子]、島村抱月を伊志井寛、森律子を初代水谷八重子が演じました。
プロジェクトを開始して35日目となりました。この週末もご支援を頂き、現在目標額の78%となっております!引き続き成立へ向けて頑張って参りますので、なにとぞよろしくお願いいたします!
リターン
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
-----
※ 本コースへのご支援は税控除の対象となりませんのでご注意ください
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
3,000円+システム利用料

A|【税控除対象】お気持ち応援コース(3千円)
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■寄付受領書・控除証明書(2025年1月末に発送予定)
- 申込数
- 80
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月
5,000円+システム利用料

B|北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
北條秀司作品『井伊大老』『浮舟』の台本の表紙をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー(非売品) をお届けいたします。
■サンクスメール
■松竹大谷図書館HPへのお名前掲載(ご希望の方のみ)
■報告書(2025年4月末に送信予定)
■北條秀司作品台本デザインオリジナル文庫本カバー
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※ 本コースへのご支援は税控除の対象となりませんのでご注意ください
- 申込数
- 55
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2025年4月

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