【第4弾】歌舞伎や映画、日本文化の歴史を後世に伝える。

【第4弾】歌舞伎や映画、日本文化の歴史を後世に伝える。

支援総額

2,878,000

目標金額 2,500,000円

支援者
231人
募集終了日
2015年10月28日

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2016年08月30日 15:08

9-10月の展示「初代喜多村緑郎」展

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

二週間の夏期特別整理休館を終え、いよいよ本日30日より開館いたしました。皆さまのご来館をスタッフ一同お待ち申し上げております。

 

さて、閲覧室内のミニ展示を展示替えいたしましたので、お知らせいたします。

本年9月新橋演舞場と大阪松竹座にて行われる「市川月乃助改め二代目喜多村緑郎襲名披露 九月新派特別公演」を記念して、新派を代表する名女形、初代喜多村緑郎の資料を展示します。

9月に襲名を披露する二代目喜多村緑郎は、涼しげな目元が美しい二枚目の立役ですが、初代喜多村緑郎は女形で、新派を代表する名優です。明治4[1871]年7月23日、日本橋橘町の薬種商の子として生れた初代は、素人芝居や青柳捨三郎一座の北海道巡業、山口定雄や福井茂兵衛など様々な一座の芝居に出演した後に関西へ移り、明治29[1896]年大阪の角座にて、高田實、小織桂一郎、秋月桂太郎らと共に「成美団」を旗揚げします。

こちらの当館所蔵の番付は、その「成美団」が旗揚げされた年、明治29年9月8日初日角劇場[角座]の「成美団」の番付です。演目は『明治四十有余年』『七人斬』です。

赤い矢印の箇所に初代喜多村緑郎の名があります。これでは名前が見えませんね。

一部拡大してみます。

 

分かりますでしょうか? 秋月桂太郎、高田實、小織桂一郎の名もあります。

「成美団」は、それまでの壮士芝居や書生芝居とは異なるリアリズムを追及した芝居を上演し、その演劇は今日の新派の礎となりました。

こちらの番付は、《松竹大谷図書館所蔵・芝居番付検索閲覧システム》で検索できます。ぜひ検索をお試し下さいませ。閲覧室展示では、参考資料として縮小複製のコピーを展示しております。

 

そして、成美団の解散、道頓堀朝日座における新演劇公演での奮闘などを経て、明治39[1906]年6月、10年ぶりに東京へ戻り、本郷座の高田實一座に加わり『やどり木』で主演します。同年10月に初演の『侠艶録』が評判となり、以後、本郷座を拠点に「本郷座時代」と呼ばれる、新派の黄金時代を築きました。

こちらが、明治39年、東京に戻って出演した際の本郷座のプログラムです。

 

左は、プログラムの表紙、右は1ページ目を拡大したものです。「當興行より大阪に於て多年一方の牛耳を執って居りました喜多村緑郎が加盟し…」とあります。この文章から、いかに初代喜多村緑郎が大阪で活躍していたかがわかりますね。閲覧室展示では、プログラム表紙を複製展示、1ページ目を資料展示しております。

 

また、初代は泉鏡花と親交が深く、様々な鏡花作品を初演しました。『婦系図』や『日本橋』の初演では、それぞれお蔦、お孝を演じています。その中から今回は、大正4年[1915]3月本郷座初演の『日本橋』のスチール写真を展示しております。初代喜多村緑郎のお孝、新派の名優伊井蓉峰の葛木晋三が写った貴重な資料です。

大正に入ってからは、伊井蓉峰・河合武雄・初代喜多村緑郎の三巨頭時代と謳われる新派の牽引役を担い、河合とともに新派の名女形として名を馳せました。昭和23[1948]年芸術院会員に選出、昭和30[1955]年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定され、文化功労者に選ばれました。明治より昭和まで長年に渡って活躍し、昭和31[1956]年1月には、産経ホールにて85歳で『婦系図』のお蔦を演じています。昭和36[1961]年5月16日没。享年91歳でした。最後の舞台は昭和34[1959]年11月明治座『近松物語』意俊の伯母お米でした。新派の生き字引といわれたその生涯は、まさに新派の歴史そのものでもありました。

 

展示では他に、数々の舞台姿のスチール写真や、警視庁の検閲印が入った昭和15[1940]年2月東京劇場上演の『日本橋』の台本、図書では初代が著した『わが藝談』、初代の夫人が編んだ『喜多村緑郎日記』など、多彩な資料を展示しております。

 

今回の展示期間は、2016年8月30日より10月26日となっております。お近くにいらした折には、是非お立ち寄りになってみて下さいませ。

 

リターン

3,000


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■サンクスメール
■4月末に報告メール
■HPに名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

支援者
26人
在庫数
制限なし

5,000


3,000円の引換券に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー
 2種類1組セット
蔵出し台本『勧進帳』平成26年3月歌舞伎座公演 &『秋刀魚の味』小津安二郎最後の監督作品の表紙の特製デザイン!

支援者
74人
在庫数
制限なし

10,000


5,000円の引換券に加え、
■台本カバーに支援者のお名前をお入れします

※作品リストより(本文「引換券について」の台本カバーの説明のところから見られます)ご希望の作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントにお書き下さい
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします

支援者
104人
在庫数
制限なし

30,000


10,000円の引換券に加え、
■川上音二郎の出世作「意外」(明治27年1月浅草座)の絵本番付の表紙と挿絵をデザインに使用したオリジナル文庫本カバー
■歌舞伎座ギャラリーペア招待券

支援者
14人
在庫数
制限なし

50,000


30,000円の引換券に加え、
■図書館見学会にご招待
※午前(15人)/午後(15人)
「午前」「午後」のご希望を応援コメントにお書き下さい
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします

支援者
16人
在庫数
12

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