【第9弾】演劇史を紐解く、歌舞伎座の絵本番付と筋書を後世へ。

【第9弾】演劇史を紐解く、歌舞伎座の絵本番付と筋書を後世へ。

支援総額

3,250,000

目標金額 2,500,000円

支援者
260人
募集終了日
2020年10月28日

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2020年09月28日 17:10

文庫本カバーのご紹介『連獅子』

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

 

プロジェクトを開始して20日が経ちましたが、この週末にご支援が目標額の60%を超えました!以前のプロジェクトから当館を支えて下さっている方からのご支援、そして今回初めてプロジェクトを知って下さった方からのご支援、そして、皆様からの応援コメントがスタッフの励みとなっております!引き続き成立へ向けて頑張って参りますので、なにとぞよろしくお願い致します!

 

さて前回の新着情報に続いて、ご支援いただきました方への成立後のお礼についてご紹介いたします。


5千円以上のご支援を下さった方へのお礼として、当館の所蔵資料がいつも皆様と共にあるように、という気持ちを込め、当館所蔵の台本の表紙をデザインに使用したオリジナルの文庫本カバーを作成します。2種類1セットで、歌舞伎と映画から1冊ずつ台本を選んでおります。(デザインは全て同じです)


今回は歌舞伎台本の作品のご紹介です。

【大】本物の台本、【小】文庫本カバー見本

 

今回のデザインに使用している歌舞伎の上演台本は『連獅子』、令和元年11月歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で上演されたときのものです。狂言師右近後に親獅子の精を十代目松本幸四郎、狂言師左近後に仔獅子の精を八代目市川染五郎が演じました。この配役での上演は、平成30年に南座の襲名披露公演で演じて以来で、歌舞伎座では襲名後初めての上演となりました。

 

この長唄の歌舞伎舞踊『連獅子』という作品の成り立ちについて、少しみてみましょう。まず、河竹黙阿弥(当時は河竹其水)が文久元(1861)年5月に、舞踊家の初世花柳寿輔と二世花柳芳次郎の親子のために書いたのが最初といわれています。この上演は素踊りであったようですが、二世花柳芳次郎の名披露目公演でもあり、親獅子を演じた寿輔が振付をしています。作曲者の二世杵屋勝三郎の名を称して、「勝三郎連獅子(かつさぶろうれんじし)」といわれています。


そののち、明治5(1872)年7月東京村山座で歌舞伎俳優が上演するにあたり、黙阿弥(当時は二世河竹新七)はこれに詞章を追加して補綴し、三世杵屋正次郎(正治郎)が作曲をしました。五世坂東彦三郎の親獅子、二世沢村訥升の仔獅子によって演じられたこの作品は、「正次郎(正治郎)連獅子(しょうじろうれんじし)」と称され、これが現行の『連獅子』のもととなっています。


かつてはいろいろな演出方法があったと伝えられていますが、松羽目を背景にした形で今のような演出が確立したのは、明治34(1901)年2月東京座での初世市川猿之助(後の二世市川段四郎)と四世市川染五郎(後の七世松本幸四郎)による上演からといわれています。

 

大正2(1913)年11月本郷座辻番付と筋書の挿絵より
このときは間狂言に4人の胡蝶が出たようです。

 

前半の前シテといわれる狂言師の姿で踊る部分の一番のみどころは、親獅子が仔獅子を鍛えようとあえて谷底に突き落とすと、仔獅子がそれに応えて健気に這い上がってくる場面でしょう。この場面は獅子の伝説の故事に因んだものですが、突き落とした後で仔獅子を心配して谷底を覗き込む親獅子の心情や、這い上がるのに少し疲れてうとうとしてしまう仔獅子の可愛らしさなど、まるで人間の親子のような情愛が生き生きと描かれています。そして後半、後シテとなって二人が獅子の姿を現す場面では、親獅子は白い毛を勇壮に振り、仔獅子は赤い毛を溌溂と振って踊ります。能の『石橋』に影響は受けていますが、歌舞伎舞踊ならではの演出が多く、人気の高い演目です。


黙阿弥が実の親子のための舞踊として作った作品であり、現在でも実際の親子によって踊られることも多いので、獅子の親子の物語を、演じている歌舞伎俳優の親子の芸道修業の厳しさに映して見ることもできます。また、若い頃仔獅子を踊った俳優が成長するにつれ、やがて親獅子を踊るのを見る楽しみなど、それぞれの世代の舞台に想いを巡らせながら、さらに深く味わうこともできる作品です。


古今の名優たちによって上演され続けてきた歌舞伎舞踊『連獅子』、その台本をデザインにしたこの文庫本カバーをぜひお手元でご愛用いただけると幸いです。

リターン

3,000


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活動報告+サンクスメール+HPにお名前掲載

■サンクスメール
■4月末に報告メール
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

支援者
41人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年4月

5,000


松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)

3,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館オリジナル文庫本カバー(2種類1組セット)※デザインは全て一緒です
当プロジェクト限定
 歌舞伎台本『連獅子』
 映画台本『彼岸花』
の表紙デザイン!

支援者
81人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年4月

10,000


オリジナル文庫本カバー+台本カバーにお名入れ

オリジナル文庫本カバー+台本カバーにお名入れ

5,000円のリターンコース内容に加え、
■台本カバーに支援者様のお名前をお入れします
【歌舞伎・新派・松竹新喜劇台本】
【映画台本】
【寅さん台本】
の3つの作品リストより、ご希望の1作品の「台本番号」と「タイトル」を応援コメントにお書き下さい

※作品リストはプロジェクト本文「リターンについて」の台本カバーの説明部分にリンクがあります
※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします

支援者
100人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年4月

30,000


オリジナル文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ

オリジナル文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ

10,000円のリターンコース内容に加え、
■明治24年1月の歌舞伎座の【筋書】と【絵本番付】のデザインのオリジナル文庫本カバー

支援者
22人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年4月

50,000


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【5万円 応援コース】

※こちらのコースは、頂くご支援のほとんどをプロジェクトの実行費として使わせて頂きます。

■サンクスメール
■4月末に報告書送付
■松竹大谷図書館HPにお名前を掲載
※ご了承いただいた方のみ掲載いたします

支援者
5人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年4月

50,000


【5万円 リターンコース】松竹大谷図書館見学会(歌舞伎記録映像上映付)+文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ

【5万円 リターンコース】松竹大谷図書館見学会(歌舞伎記録映像上映付)+文庫本カバー(3種)+台本カバーにお名入れ

30,000円のリターンコース内容に加え、
■松竹大谷図書館見学会にご招待
2020年11/26日(木)開催
 (1)10時~11時半
 (2)12時半~14時
 (3)15時~16時半
の3回を予定(各回10名以下)
ご希望の回をご支援時の質問の回答にお書き下さい(先着順)

※今すぐ決まらない方は、プロジェクト達成後にもご希望をお伺いいたします
※11月26日の見学会に参加出来ない方には予約制で、松竹大谷図書館を1時間ご案内するガイダンスの招待券をお送りします。有効期限:2020年12月~2021年7月の平日(開館日及び整理休館中)
※今回の見学会につきましては、書庫内のガイドツアーは開催致しません
※新型コロナウイルスの感染の拡大状況によっては、ご案内の範囲や期間を変更させて頂く場合がございます

支援者
13人
在庫数
16
発送完了予定月
2021年4月

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