パアララン・パンタオで学んだ生徒から、はじめての大学進学者が出たのは1999年です。

開校から10年間の間に、パアララン・パンタオからは50人ほどの生徒を、ハイスクールに送り出しました。みんな熱心に勉強し、編入試験に合格してハイスクールに進みました。しかし、ハイスクールを卒業できた生徒は、わずかに3人。ほとんどの生徒が、お金がない、家族の理解がない、もっと働かなければいけない、などの事情で、中退していました。

そんななか、レイナルドとジュリアンというふたりの少年が、ゴミ拾いをして働きながら、ハイスクールを卒業し、成績もとてもよかったのです。レティ先生はふたりに奨学金を出して、カレッジへの進学を応援することにしました。

カレッジでレイナルドは最優秀の成績をおさめて、金メダルをもらい、ジュリアンも優秀な成績で卒業しました。

現在、レイナルドはバランガイ(地域の行政組織)センターで働き、ジュリアンも企業に就職しています。ふたりとも今も妻子とともにパヤタスに住んで、パアラランや地域のためにいろいろ尽くしてくれています。

 

ちょうど、2000年のゴミ山崩落惨事のあと、外国のNGOが、パヤタス地区への支援をはじめたこともあり、パアララン・パンタオからも、毎年数人の大学生高校生に奨学金を出してきました。

しかし、2012年ごろから、パアララン・パンタオは深刻な資金不足で(支援してくれていた外国のNGOの撤退、フィリピンの物価高、日本の円安などのため)奨学金の予算を確保できなくなり、奨学生はいなくなっていました。

 

☆☆

 

ですが去年、レティ先生は、ひとりの少年(ロウェル君、17歳)に、カレッジに通う奨学金を出すことを決めました。(レティ先生とロウェルくん。2014年10月)

ロウェルは、お父さんが亡くなったために、カレッジに通えなくなり、お母さんがつくる菓子(ゼリー)を売り歩いていました。パアラランの子どもたちに菓子を売りに来たことから、事情がわかり、応援することにしたのです。

復学できることになって、ロウェルもうれしそうでしたが、それ以上に、レティ先生が楽しそうでした。

(菓子の行商をするロウェルくん。2014年10月)

ロウェルは11月から、カレッジに復学してコンピューターを学んでいます。なんとか予算をやりくりして、卒業まで応援したいと思います。

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