緊急支援：介護現場に広島産ガウンを ＃介護を守り医療を守る

このたび、多額のご寄付を頂きました、株式会社エブリイ 代表取締役社長の 岡﨑浩樹さんに、インタビューを行いました。運営されていたビュッフェ型飲食店の閉店をせざるを得ないなど、厳しい状況の中、それでも地域の食を支える企業としての熱い思いを感じました。ありがとうございます！

 

－コロナ禍において、どのような想いでスーパーマーケットを運営されてきましたか。

 

(岡﨑)　現在、我々のスーパーにはありがたいことに、毎日10万人（全店合計）が来店して下さっています。一方で、どうしても多人数に対して対面する仕事はストレスがかかりますし、急な学校の休校もあり、スタッフの中には、お子さんに家で留守番をしてもらったり、家族に預けて出勤せざるを得えない状況もありました。そのような中でも、多くのスタッフが食をお届けすることにやりがいを持って働いてくれたことはありがたかったです。
　私たちは、1月31日に社内へ新型コロナウイルス対策本部を立ち上げ、これまで20回以上、会議を続けています。何よりもスタッフとお客様の安心・安全を担保すべく進めてきました。改めて、商売とはどういうものなのかを考えさせられるいい機会となっています。私自身も家で食事をすることが多くなり、「食卓」の大事さを考えさせられる機会になりました。

 

－スタッフの皆さんには、具体的にどのような対応をなさったのですか？

 

(岡﨑)　新型コロナウイルスへの対応には、正解がありません。そのような中で、何を軸に判断するかが重要だと考えています。私の考える軸は、次の3つです。

　１．スタッフとそのご家族の安心・安全
　２・お客様の安心・安全
　３．この地域で「食」に関わる方々のできるだけの支えとなること

 

　この3つの判断軸をもとに、様々な意思決定を行ってきました。例えば、安全のためには、店舗での密集を避けないといけない。なので、チラシの折り込みはやめましたし、ポイントアップもやめました。その代わり、日々の食卓に欠かせない商品の価格に還元し、毎日お手頃価格で提供させて頂いています。
 

　地域の食に関わる方々に向けては、「地産地消！地元飲食店盛り上げ隊プロジェクト」を実施しました。「美味しいものをお届けしたい」という想いで起業された飲食店の方々へ、店頭スペースを無償提供しお弁当などを販売して頂いたり、店内売場にお弁当やお惣菜を出品して頂きました。多くの飲食店さんが休業を余儀なくされる中、スーパーの売場を新たな販路として使って頂き、大変喜んで頂きました。

 

　そして、働くスタッフの安心・安全。感染対策として、スーパー店内のレジカウンターにアクリルボードで間仕切りを設置、店頭に消毒液を設置し、店舗内での感染防止対策にも力を入れました。また、仕事用とは別に、プライベートでの感染防止対策にも役立ててほしいとの想いから、スタッフ一人につき100枚の自宅用マスク、消毒液を配布しました。
　また、4月・5月には、スタッフ5000人に対して、正社員一人当たり合計6万円のヒーローボーナス（感謝金）をお渡ししました。第一弾となる4月度の感謝金は、振り込むと決めてから、4日後には振り込みを完了してくれました。最前線の現場はもちろん、スピード感を持って、決めた事に対して動いてくれた管理本部のみんなにも感謝しています。

 

－エブリイさんは、スーパーだけでなく外食部門もあり、新型コロナの影響が大きく大変だったと伺っております。

 

(岡﨑)　はい、当グループではスーパーマーケットを中核に、外食や事業所向け給食、夕食材料宅配などといった「食」に関わる多くの事業を展開しています。
その中で、安心・安全の観点から、どうしても事業の棚卸をしないといけませんでした。新型コロナウイルスの感染拡大は長期間にわたって続くことを前提に舵取りをする必要があると考えたからです。

 

－ワールドビュッフェの閉店は本当に残念でした。大好きでよく家族で利用させていただいていましたので。

 

(岡﨑)　直近では前年比115％で売上を伸ばしてくれていたので、苦渋の決断でした。美味しいものを提供するのはもちろん大切ですが、その手前には安心・安全が担保されていることが重要だと思っています。ワールドビュッフェは約250席を抱える大空間をもち、休業前、休日には1日平均3,000名（4店舗合計）のお客様にお越し頂いていたビュッフェ形式という特徴を持つことから、お客様とスタッフの安心・安全の確保を担保することが難しいと考え、閉店することと致しました。その他の業態は、考えられる限りの感染対策を施し、７月から再スタートしています。

 

－スタッフの皆さんもお辛いですよね

 

(岡﨑)　はい、コロナ禍において、飲食業態のスタッフは、お客様に来ていただけない、という辛さがありました。店舗が休業している期間には、約２００名の外食スタッフがスーパーに出向してくれました。働けることへの感謝を口にしてくれているスタッフがとても多く、感謝しています。また、スーパーのスタッフも、外食のスタッフから接客面などでたくさんの刺激を受けています。

 

－クラウドファンディングへのご支援も大変ありがたかったです。

 

(岡﨑)　きっかけは、日東製網の小林社長から電話を頂いたことです。その時「福山のために、たのむぞ」と言われ、自分たちなりにどんなことができるか、考えぬきました。
　もちろん、自分たちのスーパーも感染対策で大変です。しかし、医療現場も大変な中、地域の健康、安心・安全を守るために最前線で戦われていらっしゃいます。そこで新型コロナの最前線である感染症医療機関へ、感謝と応援の意を込めて、エブリイのパンを提供させて頂きました。その中で、枝広市長からお電話を頂き、医療機関だけでなく、保健所も大変なのだとわかり、保健所の皆様にもパンを提供させて頂きました。そして、医療と食に対して使って頂きたいとの想いから、福山市へ1000万円を寄付させて頂きました。
　今回のクラウドファンディングの件は、大田記念病院の大田先生から介護の大切さもお聞きしましたので、ご協力させて頂きました。

－素晴らしい取り組み、本当に感謝いたします。エブリイさんとしての、今後の取り組みを教えてください。

 

(岡﨑)　私たちはこれまで、新型コロナウイルスに対して約100施策を行ってきました。スタッフの為、地域のお客様の為、地域の「食」に関わる方々への恩返しと思い、今後も、「安心・安全」を最優先に考えながら、愚直に日々の商売を真剣にやっていくことが大切だと思っています。支えて頂いている多くの方々への感謝の想いをカタチにして、地域に美味しい「食」を、安心・安全にお届けできるよう、努力して参ります。