プロジェクト終了報告

2018年08月18日

【終了報告】南スーダン難民に「心のケア」を届けました

皆さま、こんにちは!ミレニアム・プロミス・ジャパン(MPJ)です。

 

多くの方々に応援していただきながら実施していた

南スーダン難民の子ども達への「心のケア」プロジェクトが終了しました。

 

プロジェクトの準備からウガンダ北部での現場でも

様々な苦労がありましたが、皆さまが応援してくださったおかげで

紛争のトラウマを抱える子ども達に何とか支援を届ける事が出来ました。

 

こうしてプロジェクトの終了を無事に報告出来る事を嬉しく思っています。

ご支援をいただいた全ての方々に感謝の気持ちを伝えたいです。

本当にありがとうございました!

 

【心のケアワークショップ】

2018年5月から8月にかけて「心のケアワークショップ」を実施しました。

学校の先生からの聞き取り調査と心理テストの結果から

心理的に特に調子の悪い小学生63人が選定され

15~16人ずつのグループに分かれて、ワークショップに参加してもらいました。

子ども達は週1回、全部で12回のワークショップを受けました。

 

(ワークショップの初回。駐在員・片野田が写真を使って

 感情や想像力を表現させるワークショップを行いました)

 

はじめは明らかに落ち込んでいたり、人前で話すのが苦手だった子ども達。

回数を重ねるごとに笑顔が増え、つらい経験も友達に語れるようになりました。

 

ワークショップのファシリテーターを務めた駐在員やウガンダ人スタッフは

子ども達のポジティブな変化を目の当たりにして

このプロジェクトは本当に「心のケア」に繋がっている

子ども達にワークショップに参加してもらって良かった!と感じました。

 

実際にワークショップに参加してくれた子ども達に感想を聞くと

「MPJのおかげて強くなることが出来ました。

以前のように南スーダンでのつらい思い出を

しょっちゅう思い出す事もなくなり、人前でも自信を持って

話せるようになりました。本当に感謝しています!」と言ってくれました。

 

12回のワークショップが終わる頃には、子ども達の集中力も明らかに上がり

これからもMPJにワークショップを続けて欲しい!と泣き出す子までいました。

皆さまのご支援のおかげで、素晴らしい成果を出すことが出来ました。

 

(針金と粘土を使って人生を表現する「針金の人生」ワークショップで

 グループ内で発表する女の子。参加者のほぼ全員が両親や兄弟を亡くしています。 

 語られる人生は10代の子ども達とは思えないほど壮絶です)

 

ワークショップは予定どおり「オリエンテーション/アイスブレイク」から始まり

「二次元創作ワークショップ」へと進みました。

このワークショップで一番大切だったテーマは【忘れられないあの日】です。

子ども達は、このテーマを絵にして他の参加者と共有する事で

南スーダンで体験した紛争のトラウマに向き合いました。

 

(自分の目の前で殺された家族を描いた作品)

 

(「忘れられないあの日」を描く子ども達。皆さまのご寄付で

 絵の具や筆など材料を購入できました!)

 

(出来上がった作品をみんなの前で発表します)

 

発表によってトラウマを「語る」というプロセスが、心のケアには非常に重要です。

トラウマを誰にも話さず心の奥に閉じ込めたままにしておくと

心の病気となって、長い間本人を苦しめます。

 

「二次元創作ワークショップ」を終えた子ども達は

「三次元創作ワークショップ」へと進みました。

このワークショップでも粘土を使って【忘れられないあの日】を表現しました。

 

(心理的社会的ケアの専門家・桑山紀彦医師も現場に入り

 ワークショップのファシリテーションを行いました。

 MPJ現地スタッフにも直接ファシリテーションの指導をしていただきました)

 

(放火された家と焼き殺された家族を作った作品)

 

(発表中に泣き出してしまう子も)

 

つらい記憶を語って、涙をみせる子ども達もたくさんいました。

語っている瞬間は心が苦しいかもしれませんが

ある程度時間が経つと、不思議と心が軽くなっていきます。

毎回ワークショップが終わるころには、みんな笑顔になって帰っていきました。

 

もう一つの三次元創作である「ジオラマワークショップ」では

グループ毎に「自分達が住みたい町」を作成しました。

 

(グループで力を合わせて理想の町を作ります)

 

(出来上がった町には、家や学校、動物など

 子ども達が紛争中に失ったものがつまっています。

 亡くなった家族を想いながら作った子ども達もいた事でしょう)

 

(ジオラマが完成したら、発表とディスカッションを行いました)

 

実際住んでいた村や町を失った子ども達ですが

将来の住みたい町を素晴らしい形にして表現してくれました。

 

個性的な町がたくさん出来上がりましたが、どのグループにも共通していたのは 

「争いがなく平和で、豊かで安心して暮らせる町」という事でした。

あるグループがつけた町の名前は【希望】

将来子ども達が成長したら、この日作ったような場所に

暮らせる事を切に願っています。

 

ワークショプの最終段階は、時の流れを表現に組み込む「四次元創作」

「音楽ワークショップ」でした。

 

これまで共有してきたトラウマ体験、現在の生活、そして将来への思いを

グループ毎に歌詞を作り、メロディに乗せて歌いました。

 

(まずMPJ現地スタッフが、子どもたちにメロディを教えます。

 日本人専門家(左)もギターを弾いてサポートしました。)

 

(アイディアを出し合って歌詞を作っているグループ)

 

(みんなの前での歌の発表。

 駐在員も楽器を弾いてワークショップを盛り上げました)

 

あるグループが音楽ワークショップで作った歌詞を紹介します。

 

♪戦争の前、南スーダンで両親は生きていた

 今よりも良い学校に通って、友達と一緒だった

 戦争中、女性はレイプされた

 両親は殺された。子ども達は亡くなった

 生活は苦しかった。道路は閉鎖された

 平和をなくして、逃げるしかなかった♪

 

♪難民キャンプに着いた時、生活は大変だった

 みんな病気なった。食料は足りなかった

 今は学校に通えるようになった

 食べ物はあるし、幸せだ

 平和に暮らしている。治安もいい

 水もあるし、前より良くなった♪

 

♪良い先生になりたい。看護士になりたい

 エンジニアになりたい

 私たちの国、南スーダンのために

 国を再建したい。最高の未来のために

 私たちはなりたい。平和を愛する人に

 希望の人に、生活の救世主に♪

 

ここまでワークショップに参加した子ども達は

約3か月前に、第一回ワークショップに来た時とは

表情が全然違っていました。よく話すようになり

自然と笑顔も見せられるようになりました。

 

ワークショップ初回に受けてもらった心理テスト結果と

最終日に実施した心理テストの結果を比べても

子ども達の心の調子が良くなった事が明らかになりました。

 

お父さんやお母さんが目の前で殺された過去を変える事はできません。

でも、これからどう生きるかを決める事は出来る。

ワークショップに参加した子ども達には、トラウマに押しつぶされず

前向きな人生を歩んでもらえる事を願っています。


【収支報告】

皆さまからいただいたご寄付は、下記のように使用させていただきました。

 

 50,000円  ワークショップ実施のための備品購入費(子ども達への配布分含む)
200,000円 ワークショップのファシリテーターとして雇用した現地専門家人件費
150,000円 難民居住地へ移動するための車両借上げ代
 70,000円  ワークショップを監督する心理社会的ケア専門家派遣費用
 32,210円  ウガンダ事務所運営雑費
 20,000円  リターン作成費用

   6,500円  資金の海外送金手数料

108,290円 Ready for 使用手数料

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計 637,000円

【事業終了報告書の発送について】

1万円以上寄付してくださった方々に、事業終了報告書を送付させていただきます。

現在作成中ですが、予定通り10月までには送付いたしますので

今しばらくお待ちください。


【今後について】
このプロジェクトは一旦終了しますが、これからもMPJは

ウガンダ北部でトラウマを抱えた南スーダン難民の方々に

支援を届けたいと考えております。

 

実際に、今回のプロジェクトのような「心のケア」を提供するための

新しい事業を計画しています。MPJの活動の最新情報はホームページで

確認していただけますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

 

ミレニアム・プロミス・ジャパンHP

http://millenniumpromise.jp/