こんにちは、セカイ・メディアラボ事務局の古田です。

 

私たちがなぜ、VR(バーチャル・リアリティ)を使って、途上国の暮らしを再現したいと動き出したのか・・・。第1回第2回で、少しは感じていただけましたでしょうか。

 

日本の子どもたちと一緒に実現したいこと、引き続きお読みください!

 

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子どもたちを突き動かす

エネルギーをつくりたい

 

安田:私は今年の5月にイラク北部の難民キャンプにおじゃました時、最終日に滞在させていただいたお宅で、娘さんの出産に立ち会うことができたんです。

 

多くの人の命が奪われていく中でも、そこには生まれてくる命がある。私たち日本人は、かの地で暮らす人たちと”違うこと”を探すのではなく、共感できるピースを拾い上げる作業が必要なのではないでしょうか。

 

石井さんは最近、児童書の執筆にも力を入れていらっしゃいます。子どもたちにそこまでして伝えたいという思いは、どこからくるのでしょうか。

 

 

石井:僕は常に、子どもたちの心に「火をつけたい」と考えています。大人はどうしても論を語りがちですが、僕が児童書を書いているのは、何かを”教えたい”のではなく、子どもたちを突き動かすエネルギーをつくりたいと思っているからです。

 

「何を伝えたいんですか」とよく聞かれますが、大人が伝えたいことがそのまま伝わるわけではないし、むしろそうでない方がいい。子どもたちが自分で解釈して、考えたり感じたりしてほしいんです。

 

僕は基本的には書き手ですが、子どもたちに火をつけられるならそれ以外の手段でもいいし、だからあえて今回VRに挑戦しています。

 

イラクへの撮影は、僕と安田さんで行く予定ですが、日本の子どもたちに「こういうものを見てきました」と押し付けるのではなく、共有したいんです。彼らが何を思うかは自由だし、それを認めてあげるのが大人の役割です。

 

VRは自分の意志で、いろいろな角度から映像を見ることができます。それをそれぞれに解釈して感じた「何か」が、その子の未来につながっていくのだと思います。押し付けられて見るものとは違う、リアルなVR映像を、日本に広めたいのです。

 

「体験」を通じて

他人を認めることができる

社会をつくりたい

 

安田:私も中東を取材させていただいて、シリア難民の問題をどう日本の人たちに伝えるか、日本と現地の子どもたちの心の距離をどう縮めていけるのかを、常に考えています。

 

石井:必ずしも縮めなくてもいいのかもしれません。距離があると感じることに意味がある。僕はアフガニスタンの難民キャンプで逃げ出してしまったけど、その数年後に行動につながった。VRが怖くて見れなかった、30秒でやめてしまった、とか、いろいろな子が出てくると思います。人それぞれでいいし、いろんな機会を作ることが自分の仕事だと考えています。

 

安田:子どもたちの“行動の花”が少しずつ咲いてきた時に、社会はどのように変わってくると思いますか。

 

石井:もっと、他人を認めることができる社会になってほしいです。100%その人を受け入れられなくても、いろいろな形で苦しんでいる人、悲しんでいる人に寄り添うことができる優しさがあれば、社会は少しずつ変わっていく。そうした優しさは、やはり「体験」を通じて得られるものだと信じています。

 

安田、石井:クラウドファンディングの挑戦も、もうすぐ折り返し地点です。「開発途上国の暮らしをリアルに体験できるVR映像をつくりたい」へのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

 

(終わり)

 

 

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