『死生観光トランプ』を制作して死を考えたい

『死生観光トランプ』を制作して死を考えたい

支援総額

1,087,000

目標金額 350,000円

支援者
227人
募集終了日
2020年9月25日

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2020年09月20日 08:30

「かつて誰かが実際に生き、実際に感じた54の死生観」

「このトランプの54の死生観は、

誰かの生きた、感じた

死生観・証しだと感じました。

本当に実際に存在した、

誰かが感じたことなんですよね。」

イラストレーター吉井直道さんに聞く

『死生観光トランプ』を通して

表現したかったこと

 

こんにちは!多くのご支援、本当にありがとうございます。

 

さて、『死生観光トランプ』は、世界各国の死生観や弔いの作法をイラストとキャッチコピーで紹介したトランプです。全国各地のお坊さんや仏教を愛する方、総勢14名の方々にイラストを描いていただきました。そこで、『死生観光トランプ』イラストレーターの方々に、描いてみた感想や、イラストに込めた想いなどについてお聞きしました。

 

今回は、浄土真宗本願寺派僧侶の吉井直道(よしいじきどう)さんにお話を伺いました。聞き手はワカゾーの藤井智子(ふじいさとこ)、書き手は藤井一葉(ふじいかずは)です。

 

 

ーー「死生観光トランプ」ということで、死生観に光を当てていますが、吉井さんは「死」に対してどんなイメージがありますか?

 

僕のなかで、「死」はその時、その時によって変化しています。

 

大学生の頃の講義で、死のワークショップをやったことがありました。初めてのことでしたが、死のイメージを雑誌から切り取ったり、描いたりしながら表現するんです。その講義の最後に、できあがったものをみんなで見せあった時があったのですが、自分のを見たらめちゃくちゃ黒かったんです。「死=恐怖!」みたいな。

 

けど、他のみんなの出来上がったものを見てみると、明るかったり、お花とか笑顔とかが表現されていたりしました。それが衝撃的でしたね!なんで、みんな僕のとはこんなに違うんだろう。なんでみんな死ぬのが怖くないんだろうって。それが大きな転換でしたね。

 

死生観光トランプもそうじゃないですか。外国ではこんな考え方するんだ!とか、自分の枠を超えたものと出会う気がします。色々と考えるきっかけになります。

 

ーー自分とは違った姿勢感に出会って、死に対してのイメージが変わったということですか?

 

そうですね。今では、納棺士さんに向けて、死のコラージュという研修会もさせてもらっています。

 

幼い時から「死」は怖いもの、という印象がありました。けど、仏教を学ぶようになってから、死ってそんなに悪いものでもないのかもって思いました。ちょっと明るい世界も見えてきたように思います。

 

ただ、僕は父親が急に亡くなり、23歳で住職になったので、使命感もあったと思うんですが、「死に明るい面があるといっても、自分が死んだら実際にはお寺は困るかなぁ」とも思っていました。住職をして、僕が2ヶ月で死んだらお寺としても困るでしょう。それはいけない、と思っていたので、もっと現実的な世界で生きてきました。

 

吉井さんの描かれた絵。砂浜にて

 

ーー仏教を学ぶ中で、死が怖いだけじゃない、明るいものにもみえてきたということについて、具体的に聞かせてください。

 

僕、仏教に出会うまでは、死後の世界をあんまり考えてなかったんですよね。現実に生きている、この世界だけを考えていたんです。そうすると、「死」がめちゃくちゃ怖かったです。

 

例えば、飛行機に乗って、飛行機が揺れると「落ちたらどうしよう⋯⋯」とか「落ちた瞬間って痛いのかなぁ」とか。生(せい)の視点から死をみると怖いことが多い気がしています。けど、仏教って、そこではないんですよね。全く違う見方をしていることに気がつきました。

 

極楽浄土という、世界観があった上で生(せい)をみている。いま、生きている意味とかを捉えますよね。それは、これまでとは全く見方が違うと思うんですよ。

 

もちろん、今でも飛行機に乗って落ちたら怖いけど、それは生き物して死を恐れている恐怖、生命が脅かされるものですが、それとは違う「死」を捉え方があったのは、大きかったです。

 

ーー「生(せい)の側面からだけで「死」を見つめたらめちゃくちゃ怖かった」というのはすごく印象的です。生も死も包括する世界観を聞かせてもらった気がします。少しお寺のことも聞かせてください。ご住職としてお寺での日々のお参りやご法務をされながら、畑もなさっているとお聞きしました。

 

そうなんです!300坪くらいで、20種類くらいのお野菜を育てています。これは僕だけで育てているわけじゃなくて、畑の出資者の方たちと一緒に耕しています。

 

実際の畑の様子

 

ーー出資者の方がいらっしゃる?

 

僕は北海道の苫小牧にお寺があるのですが、畑は、苫小牧の隣のむかわ町という、地震があった地域にあります。

 

畑の出資者である苫小牧住まいの方が、むかわ町に行って畑をします。そして、畑をして終了!ではなく、その後に収穫した野菜を苫小牧の地元のお店で振る舞ってもらいました。

 

収穫した野菜

 

苫小牧は都会である札幌に近いので、苫小牧の方が食事をする時は、札幌に行ってしまいます。苫小牧にも美味しい地元のお店がたくさんあるんですが、それを知るきっかけがあまりないんですよね。なので、苫小牧の方が「地元の美味しいお店を知る」という機会にもなっているんです。

 

ーー畑に関わることによって、地域に循環が生まれているような気がしますね。

 

そうですね。畑のコンセプトは、野菜を育てるだけじゃなくて、その畑からそれぞれの地域で動きが生まれ、地元のお寺やお店が人の動きによって活性化されていくことです。

 

今まさに、そんな動きが出来上がっています。実は昨日、お寺の畑の出資者の食事会をしたんですが、13名もの方が参加してくれました。また、来月には、むかわ町で被災された寺院、舛田那由他(ますだなゆた)ご住職のお寺でみんなで合宿する予定です。

 

食事会の様子

 

ーーどうして、そういったことを始めようと思われたんですか?

 

私のお寺でやっている企画は大きく分けて2つあるんです。1つは自分で主催するものと、あとは持ち込み企画です。持ち込み企画だと、昨日はピザ窯を作りたいっていう方がいたり(笑)。

 

基本的に僕が企画をするものは、企画だけで終わらないようにしてます。必ずエネルギーが次に回っていく様にしています。畑は良い例ですね。

 

①出資者をあつめる、②作物を育てるために人が移動する、③作物を根気よく育てるためのエネルギーも畑にむかう、④育てた作物を地元のお店に集まって食べる、⑤そのお店にみんなのエネルギーが還元される、といった感じでしょうか。

 

更には、そのお店に初めて来た人とお店が繋がる。「このお店でこんな企画してもいいんだ!」とお客さんが知る。そうしたら1つのことなのにいろんなところに還元して、エネルギーが動いていくじゃないですか。

 

僕はただただ、畑をするために1000円出資してねって言っただけど、道を作るようにしています。なぜなら、寿命が短いから!(笑)

 

ーー⋯⋯え?寿命が短い!??

 

先ほども話しましたが、自分の父親が急にばたっと倒れて亡くなり、僕が23歳の時に急に住職になりました。そして、僕は今、29歳なんですけど、28歳で死ぬと本気で思っていました⋯⋯。

 

23歳でお寺を継いでいるので、28歳までは残り5年しかない。僕が死んでからも成り立つお寺に、5年でしないといけないっていうことに必死でした。

この5年で自分が死んでも成り立つようにすれば、もしかしたら、今後1000年成り立つお寺になる可能性があったので、ここ数年の活動は全部、お寺をとつながるように意識していました。

 

僕という1人の僧侶は死んでも、お寺は死なないので。

 

 

ーー話をうかがえばうかがうほど吉井さんの底知れぬ行動力、発想力は本当にすごいなぁっと思うのですが、それは、「死」をリアルに見つめていった先に生まれているようにも感じました。実際にトランプを書かれての感想を聞いてもいいですか?

 

印象的だったのは、動物が死者の前を横切ると天使が天国に連れていくというものでした。

 

最初描いた絵は担当の方から、NGというかコメントをもらったこともあり、書き直しました(笑)。

 

絵柄に動物を描いたのですが、その動物に最初は亀を描きました。けど、その後に、ウサギに書き直しました。実はどっちもお寺にいるんですけど(笑)。一言で「動物」と言っても、僕の動物のイメージが違ったんですよね。担当者はウサギで、僕は亀でした!

 

 

その時に想像したのが、実際にメキシコで、本当にその世界で、その場面で、実際に家の前に亀が横切ったとしたら、「あれはちがう!ウサギが通らんとダメ!」とか「ウサギもカメもダメ!バッファローが通らないと!」と、そんな会話がされていたら面白いなぁと。

 

お寺のうさぎ

 

ー想像力もリアル(笑)!最後のトランプを手に取った方々へメッセージをお願いできますか?

 

お坊さんのイメージって、絵を描くイメージとかないとも思うので、絵を描くお坊さんもいるって知ってほしいですね。いろんなお坊さんがいて、エネルギーに溢れてるよって感じですかね。

 

それと、死生観についてですが、今回改めて気がついたんですが「死生観」って誰の死生観か?ってことでした。

 

死生観って、「人の」死生観じゃないですか。そこには絶対に「人」がいて、どこかの地域の、いつの時代かの、たった一人の、誰かの想いが共有されてきたんじゃないでしょうか。そのことを突き詰めていくと、特定の誰かの死生感や想いがある。そしてそれが人を介してひろがったりすると「これが日本の死生観です」とかになっていくような気がしています。

 

このトランプの54枚の死生観は、誰かの生きた、感じた死生観・証しだと感じました。本当に実際にいた誰かが感じたことなんですよね。

 

ーー本当ですね。インタビュー中ずっと吉井さんの視点に驚かされながら、新しい視点を私ももらった気がします。本当にありがとうございました!

 

 

来月には、吉井さんも絵を描かれた正光寺美術館が開催されるそうです!こちらも気になります!
▶︎正光寺美術館 @正光寺(苫小牧市高砂町2-3-21)

2020/09/19〜09/25|10:00〜16:00|入場無料

 

 

 

吉井直道(よしいじきどう)

北海道苫小牧市。正光寺住職。生活に仏教を。お寺でヘアショーしたり肝試しやお絵かきしたり。時にはBARでお話したり。夢は苫小牧にお寺参りの文化を創ること!世界を変える為にTwitter始めました!#わらしべ住職

正光寺ウェブサイト 

LINEでのご相談

 

 

 

聞き手:藤井智子

書き手:藤井一葉

リターン

1,000


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【返礼なし!】『死生観光トランプ』を応援

■お礼のメールをお送りします

支援者
7人
在庫数
80
発送完了予定月
2020年11月

3,000


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【遊ぶ!】『死生観光トランプ』を購入

■お礼のお手紙をお送りします
■『死生観光トランプ』をお送りします

支援者
216人
在庫数
58
発送完了予定月
2020年11月

50,000


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【広める!】『死生観光トランプ』ワークショップ(あるいは講演会)を実施

■お礼のお手紙をお送りします
■『死生観光トランプ』をお送りします
■『死生観光トランプ』のWEBページにお名前を記載します
■『死生観光トランプ』を出張ワークショップ(あるいは、講演会)をします
*全国各地どこにでも伺います
*オンラインでの開催も可能です
*日時、場所、内容はご相談させてください
*交通費(当日、大阪に戻ることができない場合は加えて宿泊費)はご負担をお願いいたします
*注意事項:「WEBページにお名前を記載」に関する条件の詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください

支援者
5人
在庫数
完売
発送完了予定月
2020年11月

50,000


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<追加>【広める!】『死生観光トランプ』ワークショップ(あるいは講演会)を実施

■お礼のお手紙をお送りします
■『死生観光トランプ』をお送りします
■『死生観光トランプ』のWEBページにお名前を記載します
■『死生観光トランプ』を出張ワークショップ(あるいは、講演会)をします
*全国各地どこにでも伺います
*オンラインでの開催も可能です
*日時、場所、内容はご相談させてください
*交通費(当日、大阪に戻ることができない場合は加えて宿泊費)はご負担をお願いいたします
*注意事項:「WEBページにお名前を記載」に関する条件の詳細については、リンク先(https://readyfor.jp/terms_of_service#appendix)の「リターンに関するご留意事項」をご確認ください

支援者
2人
在庫数
3
発送完了予定月
2020年11月

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