支援者さま470人を超えました！しあわせになった卒業生きあら　人間の大きな罪の一部

　小さい身体で、元気に動き回り可愛い声を聴かせてくれたあの子。

　保護活動って大変そうね。えらいわー。私にはとてもできない。という、理解があるような他人事のようなコメントをよく受けます。私達ボラは褒められたくてやっているなら、もっと多分違うことをやる。自分も動物の生命が消えることは耐えられなくて、自分なりにこんなことしてて、という話はどんなサイズ感でも同志！って感じで素直に受け入れられるのですが。

　世の中の仕組みを丸ごと私1人で変えられるとは思ってないけど、小さく抵抗し目の前の生命に向き合っていく人が1人でも増えていけば何かが変わる、とは本気で思っています。

　このモフモフあったかそうな模様は、秋冬のひざ掛けが何かの総柄ならよかったのですが、ある多頭崩壊現場の様子です。他県のこの現場から、のちのきあら、レーベンでの名前がみさきだった犬はやってきました。

　似た毛柄が多いのは、近親関係からの子どもが増えたことを想像させます。この密度の中で、身体が小さい子がどれだけ不利な環境に置かれたか考えると。怖い思いもしたことでしょう。

　レーベンに来た時には妊娠も末期。栄養が悪いので身体が必ずしも大きいとは限りませんが、医師が確認すれば間違いない。中絶堕胎のタイミングは逃し、危険なく出産を無事させられるかを考えるのが適切でした。身重で栄養が特に必要で体調にも配慮が必要な身体でこの中に。

　頑張っているのは人間じゃない。動物そのものなんです。

　まだ自分の身体のメンテナンスまで手が回らない。懸命に子どもを育てます。

　この後母犬は避妊手術を受け、妊娠して身を削ることはなくなりました。不思議なもので、そこから自分の甘えたい気持ちを表現できる無邪気な子どものようになる犬が、少なからずいます。甘えん坊で可愛いみさき。

　家族となった犬に、どうしても避妊去勢手術をしたくないという方がいます。それであれば、意図せず妊娠して頭数が増えたり、ホルモンバランスで喧嘩になったりしないように、それぞれの犬に目と手をしっかりかけられるのか、そのことで起こる病気やトラブルの責任を全て人間がとれるのか、検討してみればいい。今、お金が足りないから。そのうち避妊去勢手術やってもらおうと思ってたんだけど、気がついたら増えて手が回らなくなって。ご飯や医療のお金が余計に回らなくなっていたら更に増えて、となるまでの時間は、人間が考えるよりもはるかに短いのです。人間はそこから逃げますか。動物はどうなるのでしょう。

　里親候補が見つかり、トライアルに行くも脱走から捜索になり、破談したこともありました。こうした経験は犬にトラウマを残すこともあり、絶対に避けたいものです。次の里親さんにも、他の里親さん達と同様かそれ以上にそれを強く伝えました。

　今の里親さんが、先日のイベントに連れてきてくれました。今のお名前は、輝愛咲と書いて「きあら」。愛をいっぱいに受けて、咲き誇る輝くお花のようです。