うつ病で休職中の不安に寄り添う。復職支援サービス立ち上げへ！

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「佐藤さん　Sの母です。また前回と同じように・・・」と私の留守番電話に昨日メッセージを残してくれたのは、私と同じ障害者の親御さんです。

S君は、軽度の知的障害で普段の生活は、自立していて十分社会で働ける能力を身に着けていたのですが、知的障害が壁となり就職先に恵まれずにいました。

ささやかな縁からの始まりだったが、私が彼の就職先を見つけ障害者雇用枠でS君が働き始めて今年で8年目になります。職場は、大手飲食店の昼に店舗内での勤務。仕事内容は店舗内の清掃とテーブルに置いてある醤油入れの補充など。単純繰り返しの仕事ではあるが、几帳面できれい好きな知的障害者には理想的な職場です。

飲食店でのこのような雇用は、今ではあまり珍しいことではなくなりましたが、当時としては、経営者サイドの知的障害者についての認識の低さによる、拒絶反応があり、いわゆる身体障害者の雇用とは違う意味での高いハードルが存在しました。そのハードルを下げ雇用につなげるのもプロとしての私の仕事です。

S君の母の電話は、本人が今の仕事をやめて転職したいと言い出したという内容でした。やめたい理由ははっきりしている。仕事S君は職場で2年前にも同じことを言いだしたのです。S君は、サービス精神が旺盛で職場でだれかれとなく話しかける。じっとしていられないのである。S君は話すことで上手くコミニュケーションを取っているつもりだが、一方的にとにかくよくしゃべる。これを彼は毎日繰り返す。決して悪気はないことをご理解いただきたい。

これが軽度の知的障害者の一つの特徴なのです。この点を職場の人たち(主に学生のアルバイト)には理解不能となり、いじめはしなくとも彼とはできるだけ関わらないようとする。結果、S君は職場で孤立し、やめたいと言い出すのです。

前回は私と直接面談しました。やめたいというS君には、どこかほかのお店に行くというのはどうなの？行きたい店舗はあるの？と尋ねると、今の会社が別ブランドで展開している店で働きたいというところがあるのだと素直に話してくれました。それを会社側に相談したところS君の希望はすんなりと叶った。それはある意味、S君が会社にとって戦力になっていることの証明でもありました。

そして、新しいお店での店長さんとの顔合わせのとき「電車からこの店かっこよく見えるんすよ」と笑顔で話していたことが、昨日のことのように思えるのだが・・・このような仕事をこれまでやってきました。この仕事は、常に自分の暗黙知力をいつも試されているようなものだと思います。今までの経験値を援用して、うつ病復職支援に挑戦します。