漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト

漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト

寄付総額

4,687,000

目標金額 2,000,000円

寄付者
217人
募集終了日
2019年12月26日

    https://readyfor.jp/projects/soseki-library?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2019年11月28日 12:58

セカンドステージのご案内

プロジェクトの残り一か月、セカンドステージへと進ませていただきたく思います。セカンドステージでは、漱石文庫デジタルアーカイブの第2段階である蔵書の書き込みのデジタル化にとりくみます。蔵書中に遺された漱石の肉筆は自筆資料にも負けず劣らずの重要なものです。

 

※ セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。

 

漱石文庫の書き込みとはどのようなものなのか

 

では漱石文庫の書き込み(書き入れと呼ぶ場合もあります)とはどのようなものなのでしょうか?

小宮豊隆はこう書いています。

 

漱石の書き入れを読んで、我我が先ず感じる事は、いかに漱石が全幅の精神を傾倒し、まるで真剣勝負でもするような気組で、この仕事に立ち向かっていたかという事である。例えばシェクスピアの『ハムレット』の書入れ、もしくはトマス・ア・ケムピスの『イミテーション・オブ・クライスト』の書入れ、もしくはニイチェの『ツァラツストラ』の書き入れである。其所では漱石は、自分の一切の教養と自分の一切の体験とを動員して、相手の書いている事の一一を厳密に検討し精倒に批評し、もしくはそれに関連して自分自身の内部を深切に反省しつつ、次ぎから次ぎへと自分の意見を書きつけて行っているのである。読書を人生修業の道場の一つであると考えていた漱石の読書の仕方を、——— 読書に際する漱石の魂の入れ方を如実に示すもの、是らの書き入れに如くはないと、言って可い

       小宮豊隆『別冊』(「漱石の芸術」(岩波書店, 1942)より)

     ※原文は旧字・旧仮名遣いです。

 

書き込みの量は膨大です。漱石の蔵書で書入れが確認されているもので約700点あります。今後、新たに発見される可能性もあります。またアンダーラインが引いてあるだけ、というものから、長いコメントまで多様です。また現在未確認の資料から書き入れが見つかる場合が今でもあります。量的にも内容的にも自筆資料にない難しさがあります。

 

漱石全集でも、「蔵書に書き込まれた短評・雑感」(「漱石全集第27巻」岩波書店、1997)として、400頁余を割いていますが、ここでも「膨大な書込みをすべて収録することはもとより不可能であり」とされています。


具体的にどのような資料があるのか、幾つか紹介します。

 

(1) 『ハムレット』(『The works of William Shakespeare』(Arden版))漱496番

 

左ページ欄外に「幽霊ノ話ヲ出ス処少々マヅシ、余ナラバH.ノ「余父ヲ見ル様ニ思フ」ト云フノヲHo.ガ聞イテ薄気味悪キ思フナシアタリヲ見廻ハストHガ不審ヲ起シテ之ヲ詰問スルスルトHoガ実ハカクカクト云ウ風ニカク積リナリ」と書き込まれています。漱石が小説家として綿密に分析している様子がうかがえます。

 

 

 

(2)『 The meaning and value of life』1909, 漱847番

 

次の写真では、パッと見た限りでは、書き入れがあるようには見えないかもしれません。  

 

 

次の写真は拡大したものです。薄く赤字で何かが書かれていた痕跡が見えてきます。  

 

 

次の写真は、向きを変えて画質の調整をしたものです。

まだ読み取るのは難しいですが、字が書かれていることがわかってきます。このような処理ができることが、デジタル化の強みです。

 

 

 

赤字の書き込みを例として挙げましたが、他にも薄い鉛筆のよるものなど、肉眼でも判読が難しい書き込みがたくさんあります。

 

画像の提供にあたっては、判読が難しい書き込みについても画像処理はせずに、撮影した高解像度の画像をそのまま公開・提供する形にしたいと思います。画像処理のツールは今後もどんどん発達していくことが予想されますし、画像処理は利用者におまかせしたいと思います。画像処理後の画像の掲載・放送などの二次利用については、元の画像の二次利用と同様に利用申請は省略する方向で考えています。

 

 

セカンドステージで何を目指すのか

 

現在、書き込みが確認できている約700点については

 

  (1) 図書館スタッフによる調査

      アンダーライン等の軽微な書き込みはこの時点で撮影

  (2) 専門業者による撮影

 

を行います。基本的には書き込み部分のみのデジタル化を想定していますが、必要に応じて書き込みのないページのデジタル化も行います。撮影枚数は概算で約1万7千コマと見込んでいますが、さらに増えるかもしれません。ここまでをセカンドステージで目指したいと思います。

 

書き込みのない頁、また今のところ書き込みが確認されていない資料については、撮影するとなると概算で37万7千コマという膨大な量となる見込みで、すべてを高精細でデジタル化をすることは困難です。マイクロフィルムは作成済みですが、マイクロフィルムでは確認できなかったが現物を見たら書き込みが見つかったという例もあります。これらのデジタル化をどのようにすすめていくのか?これはプロジェクトの第三段階として、今後あらためて取り組んでいきたいと思います。

 

「漱石文庫」を大切に守りながら、漱石の肉筆をインターネットを介して

みなさまの手許にお届けする、そのためのご支援を引き続きよろしくお願いいたします。

ギフト

3,000


alt

3000円コース(サンクスメール)

・サンクスメール
・寄附金領収書

申込数
79
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

10,000


1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・ポストカード3枚セット
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書

ポストカードの柄は全8種類から、3種類をセレクトいたします。
※柄はお選びいただけませんのでご了承ください。
クリアファイルは香日ゆらさんデザインのオリジナルロゴをあしらったシックなデザインです。

申込数
75
在庫数
324
発送完了予定月
2020年3月

3,000


alt

3000円コース(サンクスメール)

・サンクスメール
・寄附金領収書

申込数
79
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

10,000


1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・ポストカード3枚セット
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書

ポストカードの柄は全8種類から、3種類をセレクトいたします。
※柄はお選びいただけませんのでご了承ください。
クリアファイルは香日ゆらさんデザインのオリジナルロゴをあしらったシックなデザインです。

申込数
75
在庫数
324
発送完了予定月
2020年3月
1 ~ 1/ 11

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る