漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト

漱石の肉筆を後世へ!漱石文庫デジタルアーカイブプロジェクト

寄付総額

4,687,000

目標金額 2,000,000円

寄付者
217人
募集終了日
2019年12月26日

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2020年07月01日 11:40

漱石文庫の自筆資料を整理する ―目録の話(2)―

 第2回目では、最新の『漱石文庫マイクロフィルム目録』(平成9年)へ至るまでの自筆資料整理の来し方を振り返ります。

 

 漱石文庫が昭和18年に東北大学(当時は東北帝国大学)に受け入れられた後、まずは蔵書のみの目録が編まれました。その後長い間、残りの資料の目録化が大きな課題となりました。特に、日記・手帳・ノート以外の、冊子形態をとらない「断片」資料の整理に、何人もの関係者が努力と試行錯誤を重ねる時期が続きます。

 

(左)受入れ時に目録を作成し、その複製を閲覧室へ備え付けた。(右上)左の冊子目録の内部 (右下)カード目録

 

 後の『漱石文庫目録』(昭和46年)冒頭文によると、蔵書以外の日記、手帳、ノート断片などいわゆる「身辺自筆資料」と呼ばれる資料群は、当初は小宮豊隆が自身で整理する心づもりであったらしく、小宮の手元にしばらく置かれていたそうです。また、日記2冊の欠落も判明し、後に買い足すということもありました。

 その後、昭和25年になってから、これらは「雑件文書一袋」などとして一括して図書館に受け入れられましたが、目録化されず、未整理のまま保存されました。

 自筆資料は、昭和37年に当時の図書館長の委嘱を受けた文学部の北住敏夫教授(国文学)と村岡勇教授(英文学)によって整理されることになりました。その成果は『漱石資料ー文学論ノート』(岩波書店、 昭和51年)として出版されました。この期間、附属図書館では漱石の自画像および書簡を含む晩翠文庫の受け入れ(昭和41年)や、『道草』原稿の受け入れ(昭和45年頃)などにより、所蔵資料の充実が進みました。

 

 昭和46年には『漱石文庫目録(東北大学附属図書館所蔵特殊文庫目録シリーズ1)』が発刊されました。これは東北大学に漱石文庫が設置されてから、初めて公に刊行された目録です。これは世の中に大変歓迎されたそうで、当時の館報『図書館通信No.93』によると「寄贈のあとに残しておいたものも、たちまち受贈の申込みによってほとんど無くなってしまった」そうです。

 自筆資料については、わずかに項目と総枚数だけが記録されるだけにとどまりました。しかし、現在から見て、この目録の優れている特徴の一つとして、昭和25年までに受け入れられた資料と、後に関連して集められた資料がはっきり分けて記録されているということが挙げられます。その後の『漱石文庫マイクロフィルム目録』では、これらの資料は区別せずに記録されることになります。

 

昭和46年刊行の『漱石文庫目録』

 

 平成に入ってからも整理は続きます。マイクロフィルム化の作業のために、全蔵書の全ページを点検した際には、従来の資料に加え、蔵書中に挿入されたメモなど120点についても初めて全貌が明らかになりました。岩波書店や本学教員の協力を仰ぎながら整理を進めた記録が、平成8年度の館報『木這子』に残っています。

 

湯本智子「漱石文庫の整理にたずさわって(1)蔵書中の挿入物について」

(Vol.21 No.1)

 

湯本智子『漱石文庫の整理にたずさわって(2)書簡について』

(Vol.21 No.2)

 

湯本智子『漱石文庫の整理にたずさわって(3)自筆資料に見られる用紙と未翻刻断片について』 (Vol.21 No.3)

 

湯本智子『漱石文庫の整理にたずさわって(4)蔵書目録をめぐって』

(Vol.21 No.4)

 

 断片資料を目録化する作業は、日本語・英語が入り乱れる独特の筆致の紙片を読み解き、書かれた内容や資料の形態を参考にしながら、いくつかのカテゴリにまとめ直すこととなります。

 本とは違ってタイトルも頁付もないため、ひとつひとつに新たに資料名を考え、順序付けを行わなければなりません。もともと糊付けされていたものが破損・分離していたり、紙片に穴が開いて読めない文字もあります。当時の担当者が熱意と使命感をもって根気強く取り組んだと想像されます。

 

漱石の『文学論』の中核を成すこととなる(F+f)の概念を用いた考察メモ

 

英国留学時代のノートにびっしり書き込まれたメモ。性急な筆致で、英語・カタカナ・漢字を織り交ぜ思考を整理している

 

 こうして作成されたマイクロフィルムは『漱石文庫マイクロフィルム目録』に整理され、また同時期に自筆資料を撮影したカラーフィルムに関連して『漱石文庫自筆資料カラーフィルム目録』『漱石文庫自筆資料フォトCD集成』『漱石文庫自筆資料フォトCD目録』が作成されました。カラーフィルムは、『東北大学デジタルコレクション』の収録画像の元データにもなりました。インターネット上での目録や画像の公開が試みられるようになったのもこの頃からです。

 その後の自筆資料整理に関連する成果としては、平成12年の「漱石文庫「身辺自筆資料及び漱石関係収蔵資料」目録リスト」(石垣久四郎著『東北大学附属図書館研究年報』33)の発表が挙げられます。

 

参考文献:原田隆吉「東北大学附属図書館「漱石文庫」のインスペクション」『図書館学研究報告』Vol.13, 昭和55年)

 

(つづく)

 

 

ギフト

3,000


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3000円コース(サンクスメール)

・サンクスメール
・寄附金領収書

寄付者
74人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

10,000


1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・ポストカード3枚セット
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書

ポストカードの柄は全8種類から、3種類をセレクトいたします。
※柄はお選びいただけませんのでご了承ください。
クリアファイルは香日ゆらさんデザインのオリジナルロゴをあしらったシックなデザインです。

寄付者
75人
在庫数
324
発送完了予定月
2020年3月

30,000


3万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

3万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書

1万円コースと同じクリアファイルに加えて、オリジナル漱石グッズの組み合わせをお送りします。
※写真は一例で、内容はお任せください。

寄付者
9人
在庫数
141
発送完了予定月
2020年3月

50,000


5万円コース①(特別展示会ご招待+漱石文庫オリジナルグッズ)

5万円コース①(特別展示会ご招待+漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書

3万円コースと同じグッズに加え、漱石文庫の原資料の特別展覧会にご招待いたします。
資料保存の観点からも、デジタル公開後は原資料公開は基本的に制限する方針であり、この機会を逃すと、もう現物閲覧は困難です!

寄付者
6人
在庫数
44
発送完了予定月
2020年3月

50,000


5万円コース②(漱石自筆資料画像ディスク+漱石文庫オリジナルグッズ)

5万円コース②(漱石自筆資料画像ディスク+漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・漱石自筆資料画像ディスク 
・寄附金領収書

3万円コースと同じグッズに加え、今回のデジタル化に際し撮影した自筆資料の画像ファイルを、DVDなどのディスクに保存してお送りします。
※ディスクはグッズとは別に、2020年12月に発送予定です。
※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。

寄付者
20人
在庫数
30
発送完了予定月
2020年3月

100,000


10万円コース①(特別展示会ご招待+漱石自筆資料画像ディスク+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)

10万円コース①(特別展示会ご招待+漱石自筆資料画像ディスク+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・漱石自筆資料画像ディスク ※2020年12月に発送予定
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書

5万円コース①②のリターンを組み合わせたものに、当館所蔵貴重資料の図録を加えた内容です。
※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。

寄付者
1人
在庫数
29
発送完了予定月
2020年3月

100,000


10万円コース②(図書館特別利用証+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)

10万円コース②(図書館特別利用証+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・図書館特別利用証
・寄附金領収書

3万円コースと同じグッズ、当館所蔵貴重資料の図録に加え、ご本人に限り永年利用いただける図書館特別利用証を発行いたします。東北大学のお近くにお住まいの方におすすめです!
※カードのデザイン・仕様は変更になる可能性がございます。ご了承ください。

寄付者
4人
在庫数
26
発送完了予定月
2020年3月

300,000


30万円コース(特別報告会+特別展示会+画像ディスク+図書館特別利用証+貴重書図録+オリジナルグッズ)

30万円コース(特別報告会+特別展示会+画像ディスク+図書館特別利用証+貴重書図録+オリジナルグッズ)

・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・漱石自筆資料画像ディスク ※2020年12月に発送予定
・図書館特別利用証
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
・特別報告会へご招待(2020年12月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書

贅沢に特典を盛り込んだコースです。
特別報告会(2020年12月、仙台にて開催予定)は、このコースでご支援くださった方向けに開催します!

※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。

寄付者
2人
在庫数
8
発送完了予定月
2020年3月

10,000


漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書

寄付者
23人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

50,000


漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書

寄付者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

100,000


漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース

*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書

寄付者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2020年3月

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