寄付総額
目標金額 2,000,000円
- 寄付者
- 217人
- 募集終了日
- 2019年12月26日
漱石と子規(1)七草集
人間として、又文學者として、最も「拙」の缺乏した男であつた。永年彼と交際をした何の月にも、何の日にも、余は未だ曾て彼の拙を笑ひ得るの機會を捉へ得た試がない。
(漱石「子規の畫」青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/1749_19606.html)
と漱石が語った子規こと正岡常規は、漱石と同年の慶応3年生まれで大学予備門(漱石の入学当時。在学中の明治19年に第一高等中学校となります。さらに後年には旧制第一高等学校)時代に親しい友人となりました。
子規は特に、俳句の革新(運動)で有名ですが、遺した作品や彼の興味の赴く先は俳句のほか、小説、短歌、写生文、絵画などたいへん広く、そのため彼の周囲に集まる友人や弟子たちも俳句仲間に限られず多様でした。没後に書かれたたくさんの追悼文の執筆者を見るとその多方面への活躍がうかがわれます。
9月19日は正岡子規の命日です。彼が亡くなる前日午前に詠んだ、以下の3句が人々に強い印象を与え、子規の追悼記事などでもこれらの句が縷々喧伝されたので、その日は子規忌のほか糸瓜忌とも呼ばれています。
「糸瓜咲て痰のつまりし佛かな」
「痰一斗糸瓜の水も間にあはず」
「をととひのへちまの水も取らざりき」
今回デジタル化の対象となった自筆資料中には、2人の交友を示すたいへん貴重なものがあります。以前、既にご紹介した資料もありますが、新しく撮影したきれいな画像と共に、改めて3回にわたってご紹介いたします。
こちらは、交友のごく早い頃の資料である子規自筆の「無何有洲 七草集(むかうしま ななくさしゅう)」です。
子規は明治21年の夏休みに帰省せず、勉強のため向島須崎村(現在 墨田区向島須崎町)の宝寿山長命寺門前の桜餅屋の二階に仮寓し、そこを月香楼と呼び過ごしました。
そこで秋の七草にちなんだ名を冠した、主に向島や隅田川をテーマとする「蘭(フジバカマ)之巻」(漢文) 、「萩之巻」(漢詩)、「をミなへし乃巻」(和歌) 、「尾花(ススキ)のまき」(俳句)、「あさかほのまき」(謡曲)、「かる萱の巻」(随筆)の6巻を書き、その年の年末までに「葛之巻」(向島地誌)を書きました。そして翌22年4月に「瞿麦(ナデシコ)の巻」(小説)を書き足して「かる萱の巻」をはずし、友人らによる「七草集批評」を加えて1冊にまとめました。なお、子規全集に翻刻されている「かる萱の巻」は、本学蔵の『七草集』には付属していません。
子規は『七草集』を友人たちへ回覧し批評を乞いました。そのうちの1つが、漱石が明治22年5月25日付で記した批評文で、それが漱石と号した初めであることが同5月27日付の子規宛の手紙でわかります。
恥ずかしくて本名では批評できなかっただとか、「漱」の字を書き間違えてしまったかも、などと書いていて、これから親しくなろうとする者同士の初々しさを感じます。
ちなみに漱石が同年9月に書いた紀行文集『木屑録』に寄せられた子規の評語によれば、2人は顔を見知っていたものの、親しい往来は同年1月ころから始まったようです。
なお奇しくも、子規がホトトギスの意味である「子規」と号し始めたのが、漱石の批評の15日前、5月10日でした。これは9日に喀血、10日夜再び喀血し、それから数時間の内に、40~50程のホトトギスの句を得た後、翌朝さらに喀血したため、鳴いて血を吐くと言い習わしのあるホトトギスに自分を擬したからだそうです。
また、本名の常規の文字も含んでいたため、良い号を思いついたと喜んだとも伝えられています。
(つづく)
ギフト
3,000円
3000円コース(サンクスメール)
・サンクスメール
・寄附金領収書
- 寄付者
- 74人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年3月
10,000円
1万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・ポストカード3枚セット
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書
ポストカードの柄は全8種類から、3種類をセレクトいたします。
※柄はお選びいただけませんのでご了承ください。
クリアファイルは香日ゆらさんデザインのオリジナルロゴをあしらったシックなデザインです。
- 寄付者
- 75人
- 在庫数
- 324
- 発送完了予定月
- 2020年3月
30,000円
3万円コース(漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・寄附金領収書
1万円コースと同じクリアファイルに加えて、オリジナル漱石グッズの組み合わせをお送りします。
※写真は一例で、内容はお任せください。
- 寄付者
- 9人
- 在庫数
- 141
- 発送完了予定月
- 2020年3月
50,000円
5万円コース①(特別展示会ご招待+漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書
3万円コースと同じグッズに加え、漱石文庫の原資料の特別展覧会にご招待いたします。
資料保存の観点からも、デジタル公開後は原資料公開は基本的に制限する方針であり、この機会を逃すと、もう現物閲覧は困難です!
- 寄付者
- 6人
- 在庫数
- 44
- 発送完了予定月
- 2020年3月
50,000円
5万円コース②(漱石自筆資料画像ディスク+漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・漱石自筆資料画像ディスク
・寄附金領収書
3万円コースと同じグッズに加え、今回のデジタル化に際し撮影した自筆資料の画像ファイルを、DVDなどのディスクに保存してお送りします。
※ディスクはグッズとは別に、2020年12月に発送予定です。
※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。
- 寄付者
- 20人
- 在庫数
- 30
- 発送完了予定月
- 2020年3月
100,000円
10万円コース①(特別展示会ご招待+漱石自筆資料画像ディスク+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・漱石自筆資料画像ディスク ※2020年12月に発送予定
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書
5万円コース①②のリターンを組み合わせたものに、当館所蔵貴重資料の図録を加えた内容です。
※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。
- 寄付者
- 1人
- 在庫数
- 29
- 発送完了予定月
- 2020年3月
100,000円
10万円コース②(図書館特別利用証+貴重書図録+漱石文庫オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・図書館特別利用証
・寄附金領収書
3万円コースと同じグッズ、当館所蔵貴重資料の図録に加え、ご本人に限り永年利用いただける図書館特別利用証を発行いたします。東北大学のお近くにお住まいの方におすすめです!
※カードのデザイン・仕様は変更になる可能性がございます。ご了承ください。
- 寄付者
- 4人
- 在庫数
- 26
- 発送完了予定月
- 2020年3月
300,000円
30万円コース(特別報告会+特別展示会+画像ディスク+図書館特別利用証+貴重書図録+オリジナルグッズ)
・サンクスメール
・オリジナル漱石グッズ(内容はお楽しみ)
・漱石文庫クリアファイル
・図録「国宝「史記」から漱石原稿まで」
・漱石自筆資料画像ディスク ※2020年12月に発送予定
・図書館特別利用証
・特別展示会へご招待(2020年6月、仙台にて開催予定)
・特別報告会へご招待(2020年12月、仙台にて開催予定)
※宿泊費・旅費につきましては各自でご負担ください。
・寄附金領収書
贅沢に特典を盛り込んだコースです。
特別報告会(2020年12月、仙台にて開催予定)は、このコースでご支援くださった方向けに開催します!
※セカンドステージで撮影した画像は、リターンの漱石自筆資料画像ディスクにも追加します。
- 寄付者
- 2人
- 在庫数
- 8
- 発送完了予定月
- 2020年3月
10,000円
漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース
*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書
- 寄付者
- 23人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年3月
50,000円
漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース
*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書
- 寄付者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年3月
100,000円
漱石の肉筆を後世へ!プロジェクト応援コース
*ギフトがご不要な方向けのコースです*
・サンクスメール
・寄附金領収書
- 寄付者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2020年3月