話す場所を制限されている小中学生へ「なんでも話せる場所」を届けたい

＃10 たいわ室コーチからのメッセージ

木下恵理奈（福岡県在住）

いつも応援して頂いている皆さま、そして初めましての皆さま。
この記事にお立ち寄り頂きありがとうございます。
今日は少しだけ、私の話をさせて下さい。

ーーーーーー

私が「たいわ室」に携わろうと思った一番のきっかけは
過去の「とことん自分の話を聴いてもらった経験」からでした。

今でこそ「話を聴くプロ」として「たいわ室」でお話を聴かせて頂いていますが、
幼い頃は常に「口を閉じていないことがない」と言われるくらいのおしゃべりな子どもでした。

そのとき私の話を聴いてくれたのは「母」です。

学校のこと、進路のこと、好きな人のこと。
嬉しかったこと、ムカついたこと、悲しかったこと。
家に帰ってひたすら話し続ける毎日でした。

そんな私と話をする母は
話し上手でも、褒め上手でもなく
否定も肯定もせずに話を聴くだけ。

ただ、子どもが前に進めず迷っているときに
決まって言っていたのは「あなたならできる」という言葉でした。

もちろん、結果的にできたことも、できなかったこともありましたが
「自分の可能性を信じてくれる人がいたこと」自体が
大きな財産だったと大人になった今、実感しています

私にとっては、この「聴いてもらった経験」が明日への活力や自信となりました。

また「私も誰かの話を聴ける人になりたい」と感じたことで、
大切な人の話を聴く機会が増え、
仕事では新しい道を作るきっかけにもなりました。

一方、今「たいわ室」でお話をしてくれる子どもたちの場合はというと…

好きなものや特技を披露する場、
頭の中を整理する時間であったり、
ちょっとした弱音を吐ける場や、
自分を肯定する気持ちになる時間。

皆さん一人ひとり違った、様々な感情を持ち帰って頂いているなと感じています。

「誰かに話を聴いてもらう経験」
を通して子どもたちが何を感じ、
この先の日常をどう過ごしていくのか。

そんな子どもたちの未来がとても楽しみですし、
その大切な時間をご一緒できていることが私たちの誇りです。