夢のはじまり(プロジェクト終了のご報告)
みなさまからのご支援が目標金額に達したのは、
最終日の早朝のことでした。
「生徒のため」
思えば、そればかり考えてきた人生でした。
生徒に支えられてきました。
しかし、生徒を一人きりで背負ってきた自負は、知らず知らずのうちに私を孤独な世界観の中に閉じ込めていたようで、
いつしか私は生徒以外の人からの応援など受けるべきものではないし、受けられないと考えるようになっていたのでした。
そんな折、私はクラウドファンディングをしようと思いつきました。
それは、私がたくさんの方々に応援をしていただけると思ったわけではなく、
不登校生徒や高校中退者への支援の重要性を世に問うためでした。
私の発想の斬新さを見せつけるような打算もあったように思います。
とにかく、私に高飛車な感覚があったのは間違いありませんでした。
しかし、クラウドファンディングがいざ始まってみると、
すぐ、自分の浅はかさに気が付きました。
知らない人から次々と支援が入るというのではなく、
私がかつて教えた生徒が、その親御さんが、おじいちゃんおばあちゃんが、
必死になって支援をしてくれ、また知人に声をかけて、支援者を募ってくれていたのです。
私の先進性などという不確かなものではなく、人と人とのつながりが、
私のクラウドファンディングでした。
それを事前に知っていたら、私はおそらくクラウドファンディングを始めなかったと思います。それくらい私は人のことを頼ったり、何かを頼むのが、苦手で苦手でたまらなかったのです。自分のために大切な誰かが苦労をすることが、申し訳なくてたまらなかった。
このプロジェクトを通じて私を知ってくださった方々はほんの数パーセントで、
大多数のかたは私がそれまでの人生で大切だと思っていた方と、
その方々が大切と思った方々。そして、私が教育者としてやってきたことを、
遠くから見守ってくださっていた方々でした。
私は、本当に恵まれていて幸せな人間でした。
孤独だなんて、とんでもない的外れでした。
私はこのプロジェクトを経て、私が支えられてここまで来たことを知り、
そして、人に頼ることが、愛しいことだと知りました。
3月、私は初めて、どこかに所属する教員ではなくなりました。
テナントを探して、探して、北赤羽駅前についに見つけました。
そこからかかった費用(概算)は以下の通りです。
敷金と礼金と初月のテナント料
112万円
それ以降のテナント料
65万円
これまでの光熱費、水道代、通信費
11万円
机、椅子、パーテーション
18万円
その他 教室内の備品
10万円
現在までの広告費、学校説明会参加費
44万円
パンフレット、チラシ作成費
8万円
これまでの野球場代、ユニフォーム代、審判費用
23万円
人件費以外で、300万円近くを使っています。
そして、これからもたくさんお金はかかっていきます。
生徒は2人入りました。
ひとりはまだ入ったばかりですが、最初の生徒は4月に入学してくれ、
高校の卒業をほぼ確実にしています。
今は大学進学に向けて、受験勉強の日々です。
経営は大変です。
でも、言えることがあります。
私は今の生活、もっと言えば今の人生が、
これまでの人生のなかで最も幸せであるということです。
教員2人は私の元生徒です。
大好きな生徒と一緒に仕事ができる喜びを私は知りました。
今の生徒と、職員と毎日一緒に勉強して、そして野球をして、
疲れて家に帰っても、次の日のことが楽しみで仕方ありません。
そして、全国には私や職員、生徒を応援してくれる方々が、たくさんいる。
こんな幸せな人生は、なかなかありません。
あとは、生徒がよりたくさん、学校のことを知ってくれて、
入ってくれて、育ってくれて、経営が安定したら、
もっとちゃんとみなさんにも、恩返しができます。
それにもっとたくさんの子どもたちのためになれます。
私の夢は、学校に通いたい人がみんな学校に通えるような環境を作ることであり、
学校に通えない人、学校以外で成長できる場所を必要としている人が、通える場所を作ることです。
それは途方もない夢です。
でも、叶えられないことはないと思います。
私はそんな夢に、大切な生徒と共に、大切な職員と共に、そして、私をこんなに支えてくださるみなさんと共に、これから向かっていきます。
そんな未来が楽しみで、目を閉じていても、目を開けていても、四六時中、
私は夢を見ています。
これまで、本当にありがとうございました。
そして、これからもよろしくお願いします。
どうかみなさんに、私以上の幸せな毎日が訪れ続けますように。
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クラウドファンディングのリターンは、
Tシャツ
試合のお誘い
缶バッジ
ラーメン
ご支援者名簿
支援者サイト
サンクスメール
教育成果報告会のお誘い
学校見学デーへのお誘い
以上が送付済みで、
講演録一冊
が未完成です。
10月末を予定しております。
もうしばらくお待ちください。
書く内容があまりに増えてしまって、原稿締め切りに間に合わずご迷惑をお掛けしていること、深くお詫び申し上げます。