伝統工芸に宿る日本の思いやりの心を動画で多くの人に伝えたい
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支援総額

1,078,000

目標金額 1,000,000円

支援者
17人
募集終了日
2019年5月31日

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2019年05月17日 10:00

【過去取材先レポート④】巧版画

東京都新宿区にある匠木版画工房「ふれあい館」。ここでは職人さんによる実際の作業の様子を見せて頂きながら、日本の伝統工芸である版画について学びました。

 

 

 

▼浮世絵とは(歴史)

浮世絵彫師匠「浮世絵は仏教とともに日本に入ってきた木版画から発展しました。これは京都の五重の塔に小さな仏様がたくさん並んでいます。これが一番古い木版画です。お寺関係の作品が多いですね。

 

江戸時代になったら瓦版になり、石川師宣(イシカワモロノブ)が初めて木版画というものを作りました。木版画は板の表面を削ってつくります。昔は板の縁も掘ったりしていました。これが木版画のはじまりです。初めは白黒だけでした。これは手彩色といって、この黄色はくちなしの花を煮たものです。

 

中国に年画というものがあります。そこから影響され錦絵(ニシキエ)というものが誕生したのです。これが木版画の初期ですが、後から見当というものができ、何色も入るようになりました。それから、そういった様々な絵師がでてきました。明治になると世界から注目されるようになりました。」

 

 

 

▼浮世絵の技法

浮世絵彫師匠「浮世絵の基本はまず骨格となるものを刷ります。ここに色を入れるとこうなる。すべて線と線の間に色を入れていきます。ねずみ色をいれるとこうなります。空のベージュですね。うすいねずみ色のぼかしを入れるとこうなります。

 

次は同じ板で墨をぼかします。次は藍が3面入ります。これが薄い藍。次は中くらいの藍。これで完成のように見えますが、もう一色藍の濃い色が入ります。これでこうなります。浮世絵はすべてこのような工程を経てできています。」

 

レポーター「なるほど。」

 

浮世絵彫師匠「これは北斎のもので、一本一本パッパッとシャープな線が入っています。これだけで作成に1ヶ月かかります。朝8時半から夜の6時半まで9時間作業です。」

 

レポーター「1ヶ月、、」

 

浮世絵彫師匠「はい。1ヶ月間これだけを掘ります。これはすべて凸にして掘るから時間がかかります。この絵だけ見るとそんなに細かく入っているようには見えませんが、この北斎の切れ味がだせないと職人にはなれない。僕も7年目で切れ味でてきて職人になりました。

 

この毛割りをみてください。」

 

レポーター「すごい。」

 

浮世絵彫師匠これが彫れるようになるまでに20年はかかります。名人じゃないと彫れません。若い男の子はみんな我慢できずに結婚するけど、ぼくはこれが彫れるまで結婚しないと決めていました。結局、結婚したのは39歳の時になっちゃったけど。」

 

レポーター「修行は大変ですね。」

 

浮世絵彫師匠「これも彫れる人が限られます。僕の師匠は名人でした。でも、もう彫れる人はいません。」

 

世界に広がる浮世絵

 

これは世界一有名な刺青の彫り師の3代目堀内先生です。この方の紹介でロンドンタトゥーコンベンションに6年前に行きました。この方が白黒の絵を初めてカラーにしたんです。」

 

レポーター「タトゥーとも繋がるんですね。」

 

浮世絵彫師匠「歌川国芳という絵師が昔いました。その人自ら刺青を彫っていたんです。今世界中の和彫は、機械で彫っています。原宿に行くと100何十軒あるらしいけど、ほとんど機械で彫っているんです。手彫りはほとんどいません。

 

この人は手彫りで彫っている世界一有名な方です。世界二大タトゥーコンベンションが

ロンドンとミラノで開かれますが、この方はロンドンのブース畳で1畳ちょっとのスペースで、1日40〜50万かかるところを3日間、無料で版画を刷ってくれていました。

 

浮世絵の作品は世界中にとても多いです。これはロサンゼルスの美術の先生の作品。」

 

レポーター「確かにアメリカっぽいですね。」

 

浮世絵彫師匠「だってこれ、猫がね、食べてる。鳥が猫を抑えています。この作品のタイトルは「青い月 夜のおやつ」っていうんです。だから日本人には書けない。発想の仕方がちょっと違います。」

 

 

 

▼全てにつながる浮世絵

レポーター「準備に1時間半かかるんですね。」

 

浮世絵彫師匠「そうですね。」

 

レポーター「そして後片付けに1時間くらいかかりますよね?」

 

浮世絵彫師匠「そうですね。まあ今回は刷毛6本で板も少ないし、1時間で終わるでしょう。」

 

レポーター「すごく大変そうですね」

 

浮世絵彫師匠「いや、なんでもそうでしょう」

 

レポーター「私たちはITだからパソコンを開けばどこでも仕事ができます。」

 

浮世絵彫師匠「社長となれば段取り考えるでしょう。それと一緒ですよ。まず準備段階があって、後片付けも。みんな帰った後に今日1日の反省して、明日はどうしようって考えるでしょう。それと一緒です。」

 

レポーター「すごく大変なことのように思います。」

 

浮世絵彫師匠「1月1日だけが休み。弟子の育成と教室授業があって彫れる人が少なくなってしまったので、今は忙しい。でもこの歳で忙しいって嬉しいことですよ。僕の同級生はみんな定年退職して悠々自適です。僕だけ一生懸命。

 

でもぼくはデビューが遅かったから、40歳のときに子供ができた。普通の人より10年遅い。みんな50・20って言って、50歳で二十歳の子供ができるのが、男性の場合スタンダード。ぼくの場合は60・20だから、みんなが65歳で定年退職ならぼくは75歳まで頑張る。

 

その代わり体調管理とかしないといけません。暴飲暴食してますけどね。」

 

レポーター「貴重なお話をありがとうございます。」

 

▼作業の様子(エピローグ)

浮世絵彫師匠「すこしだけつけて、左手で持った方がいい。

ここ気をつけて。左手で押さえて、右手で持って、かるく滑らせる。

速やかに紙をめくってください」

 

レポーター「ここに力入っちゃった。難しい」

 

浮世絵彫師師「あまり力入れすぎないで、全体になじませる。息を止めて慎重に」

 

レポーター「できた。」

 

浮世絵彫師匠「素晴らしい。」

 

 

リターン

5,000


【10名限定】伝統工芸師さんからの直筆お手紙コース

【10名限定】伝統工芸師さんからの直筆お手紙コース

①寄木細工 ②小田原漆器 ③鎌倉彫 の伝統工芸師さんから、直筆のお手紙をお届けします。
伝統工芸師さんの温かな思いを身近に感じることができます。
(上記3名の工芸師さんから1名お選びいただけます)

申込数
3
在庫数
7
発送完了予定月
2019年8月

10,000


日本の伝統工芸品を守るための大応援コース

日本の伝統工芸品を守るための大応援コース

感謝の気持ちを込めた手紙と、伝統工芸品1品(小物)をお送りいたします。
(工芸品は①寄木細工 ②小田原漆器 ③鎌倉彫 のいずれかランダムでのお届けとなります。)

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年8月

5,000


【10名限定】伝統工芸師さんからの直筆お手紙コース

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①寄木細工 ②小田原漆器 ③鎌倉彫 の伝統工芸師さんから、直筆のお手紙をお届けします。
伝統工芸師さんの温かな思いを身近に感じることができます。
(上記3名の工芸師さんから1名お選びいただけます)

申込数
3
在庫数
7
発送完了予定月
2019年8月

10,000


日本の伝統工芸品を守るための大応援コース

日本の伝統工芸品を守るための大応援コース

感謝の気持ちを込めた手紙と、伝統工芸品1品(小物)をお送りいたします。
(工芸品は①寄木細工 ②小田原漆器 ③鎌倉彫 のいずれかランダムでのお届けとなります。)

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2019年8月
1 ~ 1/ 11


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