繊細な子どもとお母さんの居場所であるフリースクールを守りたい。

 

貧困やジェンダーなどの現代社会の問題を多角的に捉えるために哲学や文化人類学、思想などさまざまな学問を幅広く学んでいる濱崎和佳さんより応援メッセージです。濱崎さんはSOUND WORKSという素晴らしい音楽家に出会い、彼の奏でる優しい音に魅了され、詩の朗読と音楽を掛け合わせた新しいアート作品を創作したいと思い立ち、去年から「とりねこ」という名前で活動をしています。初のライブの場所がてらこやだったという事でご縁ができました。

 

西南学院大学国際文化学部 4 年の濱崎和佳です。大学では、貧困やジェンダーなど

の現代世界の問題を多角的に捉えるために哲学や文化人類学、思想などさまざま学

問を幅広く学んでいます。2 年前には研修旅行でヨーロッパのアウシュヴィッツ収容所

を訪れ戦争や命について深く考えさせられました。今思い返せば、私は昔から考える

ことが好きでした。中学生の頃から「何のために生きているんだろう」「どう生きるべき

か」と哲学的な問いをずっと持っていて伝記や人生論、詩集などの本を好んで読んで

いました。当時の一般的な中学生と比べて私は少し達観していて、自分を顧みすぎる

あまり、悩みも多く社会に生きづらさを覚えていたようにいまは思います。そんな心の

モヤモヤを私は「詩を書く」という行為で昇華させていました。詩を書いているときは私

の心は自由になります。とても楽になります。生々しい感情を生々しいまま表現する

のではなく、自分が美しいと思ったカタチで言葉を紡ぐことで、やっと生きた心地を感じ

るのです。

中学生のときから詩を創作し始めたこと、小学生のときの演劇部で表現することが好

きだったことを通じて、詩と朗読で自己表現をしたいと大学生に入ってから考えていま

した。ちょうどそのときに奇跡的に兄の紹介で[K] SOUND WORKS という素晴らしい

音楽家と出会えて、彼の奏でる優しい音に魅了され、詩の朗読と音楽を掛け合わせ

た新しいアート作品を創作したいと思い立ち、昨年から音楽活動を開始しました。「と

ねりこ」という名前で活動しています。名前の由来は「とねりこ」という植物の花言葉か

らとっていて意味は「私といたら安心」です。わたしたちの作る音楽が世界中のどこか

にいる誰かにとって安心できる存在になれたらと願って日々創作しています。有難い

ことに結成して一周年が経ちました。とねりこの作品はYoutube に載せているので「と

ねりこ」でぜひ検索していただけると嬉しいです。

 

てらこやさんの存在はお世話になっている知り合いの方のご紹介で、昨年出会いまし

た。実はとねりこを結成してから初めてのライブの場所は、てらこやさんだったんです。

7月7日の七夕の日の夜に、みんなで願い事を書いた笹の葉を背景に優しいキャンド

ルの光に包まれて朗読させてもらった経験は本当に良い思い出になり、また挑戦す

る勇気を得ることができました。きっかけを提供してくれたてらこや主宰の美帆さんに

は心から感謝しています。

また、てらこやさんとの出会いがきっかけでヨガを習うようになりました。以前はマグロ

のように止まることなく思考がグルグルしていたのですが、現在は週に一回ヨガで自

分を整えることで脱力して生活できるようになりました。自分を苦しめる考えや思いを

手放したり、焦らず待つということをヨガを通して学ばせてもらった気がします。いずれ

も現在の自分を構築するうえで重要なエッセンスになりました。自分のことを応援でき

る自分になれたことが本当に嬉しいです。

 

てらこやさんと出会って、私は「自分は自分のままでいいんだ」と心から思えるように

なりました。高校まではいわゆる学力競争社会のような場所にいたのでテストだけで

学力を測る仕組みに疑問を感じたり、朝課外などのハードなスケジュールを上手くこ

なせない自分はダメ人間なのかなと思っていました。しかし、てらこやにいる方々と出

会って様々な生き方や価値観があることを知り、高校生のときに言いたかったけど人

目を気にして我慢して言えなかった感情や考えをてらこやの中では話せるようになり

ました。率直に、自分のことを理解してくれる大人たちに出会えて嬉しかったです。居

場所ができた感覚でした。てらこやに来た当初は「何者かにならなくちゃ」や「すごい

人にならないといけない」といつも誰かと比べて見えない何かに焦っていました。しか

し時間を重ねるうちにたくさんの人々に出会い、様々な価値観に触れることで、次第

に自分の生き方にも誇りを持てるようになりました。私も含め、みなさんにはみなさん

だけの「個性」や「好き」、「得意」があります。他人と比べるのではなく、自分に持って

いるものを生かす。そんな当たり前で当り前じゃない大切なことを教えてくれた、てら

こやさんに心から感謝しています。

 

濱崎和佳(はまさき わか)様プロフィール

1998 年生まれ 福岡県出身

西南学院大学国際文化学部 4 年在学中

詩の朗読と音楽を掛け合わせた新しいアート作品を「とねりこ」という名前で創作している