特別養子縁組の子供の当事者同士が繋がりたい

私はもともと児童養護施設で働いていたのですが、より心理的な支援が施設児には必要なのではないかと考えて、仕事をいったん辞めて臨床心理系の大学院に進学しました。そして大学院で私の指導をしてくださっている教授が協力しているフォスタリング研修にスタッフとして参加した時に、現在「Origin」の代表理事をされているみそぎさんに出会いました。

みそぎさんはその研修に講師として来られて、ご自身のこれまでの人生をどう生きてこられたのか、その中での迷いや葛藤などを語られました。私はその語りの中でも特に印象に残っているのは、みそぎさんが自分の出自を追い求めて調べられていたエピソードです。そのエピソードを聞いて、特別養子縁組の養子は自分がどこで生まれたのか、誰から生まれたのか、なぜ生まれたのか、どのように生まれたのか、大抵の人は当然のように分かっていて、深く考えたこともないかもしれない本当にベースになっているような部分から問わないといけないのだと考えました。

もともと児童養護に関わっていたこともあってか、私の中でみそぎさんも語りがどうしても頭から離れず、何かみそぎさんのお手伝いができないかと思いみそぎさんに連絡したところ、特別養子縁組の支援団体を立ち上げようとしていると聞き、関西支部の運営スタッフとして携わらせていただくこととなりました。

私自身は特別養子縁組と何か関係があるわけではないので、ある意味部外者とも言えるかもしれません。ですが、部外者だからこそ養親の思いの丈を受け止める、自身も養子であるスタッフを支えるなど、自身も養子であるスタッフにはしんどいかもしれないこともできるのではないかと考えます。そのため、あまり自分の立場を限定的に考えず広く動いて少しでも特別養子縁組の当事者の皆様の手助けになれたらと思います。

「Origin」はまだできたてで、関西支部に至ってはこれまで活動をしていなかった地域なので、これからつながりを少しずつ作っていく段階です。それぞれの支部によって特色は変わってくるかと思いますが、関西支部のスタッフは個性豊かで気さくな方が多いので、スタッフで協力して少しでも特別養子縁組の当事者の皆様が輪に入りやすいような雰囲気を作っていければと思っています。

もしこれを読まれて関心を持たれた方がおりましたら、支援していただけると嬉しく思います。