徳川家康公の平和に対する深い想いを、世界中の人に知ってもらいたい！

　「6歳で織田方の人質となり、8歳で人質交換が行われて今川方の囚われの身になった。そして19歳で生まれ変わった」

　と言われる家康公の人生ですが、実はこれ、全て数え年なのです。満年齢で考えてみると「家康公像とその見える風景」が変わります。

　数え年の計算方法は、誕生日は関係ありません。生まれたそのときが1歳。 そして生まれてからどれだけの日数でも、年が明けて1月1日（元日）になれば年が1つ増えます。 

　竹千代が生まれたのは12月26日。だから、一週間経たずして2歳になっています。

　現代風に満年齢で言うと、

　＊竹千代が生まれた時、両親の歳はそれぞれ15歳（父広忠）と13歳（母於大の方）でした。今では考えられない若さです。

　＊母於大の方が政略離婚で竹千代のもとを離れたのは、2歳の誕生日を迎える前でした。だから、アニメや漫画でよく見られるように岡崎城を去っていく母親を「ははうえ～！」と追う姿は考えにくいですね。

　＊人質に出された時が、6歳とありますが、満4歳です。本当にいたいけな姿であったことが想像できます。織田方で4歳から6歳までを過ごしました。

　＊父親が暗殺されたと聞かされたのが満6歳です。同じ年、織田方から今川方に人質交換で移送されます。馬に乗って移動したとのことですが、いくら当時の武士の子が幼いころから乗馬を習っていても、名古屋から岡崎まで50キロ。岡崎から静岡まで150キロを馬で移動するのは、6歳児では難しかったのではないでしょうか。

　＊竹千代の師匠の太原雪斎（今川義元の軍師）は、論語などの四書五経を使って英才教育をほどこしたとのことです。最初は、口頭の禅問答に近かったと思いますが、その凄さが分かります。

　＊「17歳で結婚、18歳で長男誕生、19歳で長女誕生」と記録されていますが、満年齢だとそれぞれ15、16、17です。その世代の子たちにこの話をすると、〝早っや！〟と言われます。

　＊桶狭間の戦いで所属した今川軍が破れ、己の人生に悲嘆した元康（若き家康公の名前）が岡崎に戻り、大樹寺の祖先の墓前で自害しようとしたのが19歳とされますが、今風に言えば17歳。高校2年生です。そう考えると、家康公の人生の凄まじさがよりリアルに感じられるのではないでしょうか。

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