ポーランド巡演を応援してくださった皆様へご報告
9月13日から24日までのポーランド巡演を無事終えて帰国いたしましたことをご報告いたします。
クラウドファンディングを通して、「オペラで国際交流を」という我々の挑戦を応援してくださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
7月12日、劇的にクラウドファンディングが成立したときは、皆さまと気持ちが一つになったと感じました。ハラハラドキドキもありましたが、ポーランド巡演のはずみになったと思います。
ご支援くださった方、ご心配おかけした方、協力してくださった方、皆さまにポーランド公演成功のうれしい報告をさせていただきます!
2019年は日本とポーランドの国交樹立100周年ということで、我々もオペラを通してポーランドの方々と交流する目的をもって巡演を行いました。
オペラ「忘れられた少年ー天正遣欧少年使節」は、キリスト教を学ぶため初めて日本からヨーロッパへ派遣された少年たちの物語です。この内容をしっかり理解していただくため、舞台を見ながらポーランド語字幕を読んでいただけるように工夫しました。
演出としても、ポーランドの民族舞踊団にマズルカでダンスしていただき、少年使節と一緒に踊る様子も演じていただきました。
これはクラクフの国立歌劇場、”オペラクラクフ”での一場面です。
ポーランドの若くて才能ある指揮者と、37名のオーケストラによる演奏もあり、とても贅沢な舞台になったと思います。
ポーランドの方との交流といっても、まず言葉は通じません。最初はどんな人たちだろうと緊張感があります。しかし、音楽で表現することやダンスすることは、言葉の意味が分からなくても通じ合えるものですね。挨拶と笑顔は大事ですが。
オーケストラもダンサーも、このオペラを何とか良くしよう、という気持ちを持ってくださり協力してくださったのです。本当にうれしかったです。
ポーランドで出会った方々は、女性はとても美しく、男性はとても親切です。ポーランドでの戦争の悲しい過去もあるのでしょうが、どなたも穏やかで親切に接してくださいます。
また、このオペラを見に来てくださった方は、1幕と2幕を合わせて2時間半の間、飽きた様子も見せず、舞台も字幕もパンフレットもすべて真剣にご覧になります。寝ている人はいません。
最後は、会場の皆さんから立ち上がっての大拍手をいただきました。
オペラクラクフでスタンディングオベーションは珍しい、と後で聞きました。ヤッタ!
公演後は必ず会場の皆さんと一緒に、「森へ行きましょう(Szła dzieweczka)」と
「100年を祝う歌(sto lat)」をポーランド語で歌いました。
会場の皆さんも体を揺らして楽し気に歌ってくださいます。
100年を祝う歌で締めくくれるなんて、とても良い選曲だったと思います。
皆さまからいただいたご支援金はすべて、オペラクラクフの公演費用に使用させていただきました。本当にありがとうございました!
支出
①指揮者謝礼(編曲含む);13万円
②オーケストラ37名;80万円
③会場費(2日間使用);81万円
④技術スタッフ;39万円
⑤字幕、宣伝印刷物;34万円
*不足分については、会場収益や寄付金にて補てんしております。
我々はオペラクラクフも含めて、10日間で5か所のオペラ公演をすることができました。
●ニエポカラノフ ボナヴェントゥラホール
●ワルシャワ フレタードミニカ教会
●ワルシャワ 聖十字架教会
●クラクフ オペラクラクフ
●オシフィエンチム 聖マキシミリアン殉教者教区教会
クラクフ以外4か所はすべて教会でしたが、どの教会の神父様にも大変温かく迎えていただき、親切にしていただきました。思い出しても心が温かくなります。
お客様にも沢山来ていただき、やはり真剣にご覧いただきました。
公演後は、「本当に感動した」「今日一日は頭を離れないと思う」「素晴らしかった」「天使の歌声」と感想を伝えてくださいました。さっきまで静かにご覧になっていた方が興奮して話しかけてこられるのです。
これはオシフィエンチムの聖マキシミリアン殉教者教区教会の公演後です。
神父様は「この教会で日本のオペラをしてくださり嬉しい」とお話ししてくださいました。
これほど素敵な巡演になるとは思いませんでした。
クラウドファンディングの成功から始まったミラクルでしょうか?
オペラを海外で公演するのは、その国の協力者を探し、共演者を紹介していただき、会場や共演者とのコンタクトを密にとり、その国の習慣を知り、経済状態も知り・・・
本当に多くの下準備が必要です。
しかし、その過程で助けてくださり協力してくださる方に出会える喜びは、忘れられません。そこからその国への愛着がわき始めます。
知り合いを増やし、いろいろな考え方を知り、習慣を受け入れ、同じものを作る達成感を味わうことができて、最後に、「交流してよかった」と思います。
10日間の巡演によって、日本に愛着をもってくださったポーランド人、ポーランド人を好きになった日本人が増えたに違いない、と確信しています。
応援してくださった皆さまに、ポーランド参加者総勢38名、関係者より、厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。
リターンについてのご連絡
ポーランドのお土産の発送は、10月中旬から下旬を目指します。
写真集は10月から編集予定です。
公演ご招待については、今後の東京オペラ協会HPの「公演スケジュール」をご覧になり、ご希望のものがありましたらメールでお知らせください。(お住まいが近い場合、こちらからお声かけすることもあります)(公演スケジュールは更新し増えていきます)