アートディレクションをした伊藤弘二さんを紹介します

オクタマトリカルタ。

 

ひと目見てワクワク感が高まるのが、表面に鳥のイラストが入ったパッケージです。よく見ると「オクタマトリカルタ」の文字が読み取れます。

 

 

ふたを開くと、たくさんの鳥の声があふれ出してきます。

 

 

パッケージとカード、鳥スポットの地図など、イラストからデザインまで、全体のアートディレクションをしていただいたのが、コウモリヤ伊藤弘二さんです。伊藤さんは6年前に、奥多摩へ移住されました。

 

 

伊藤さんとの出会い

 

はじめての出会いは、奥多摩せせらぎの里美術館での「美術館のKomoriya展」でした。

 

 

伊藤さんの展示作品は多彩で、映画美術の絵画から布地のデザインまであり、「この中に住みたい！」と思うような、落ち着く空間でした。鉛筆の線、水彩絵の具のにじみ。顕微鏡でのぞいたような、望遠鏡でのぞいたような。太古の昔から知っているような懐かしさ。そんな印象を受けました。

 

「トリカルタのパッケージや、中に入れるオクタマ鳥マップのイラストとデザインを伊藤さんにお願いできないか。」

一緒にトリカルタを制作した濱田さんからの提案で、ムリを承知で伊藤さんにプレゼンをしてみたところ、ご快諾いただきました。

 

どんな思いで表現したのか

 

伊藤さんにたずねてみました。

 

●「大変だったのは、どんなところですか？」

 

「大変だったのは、鳥の鳴き声が置き換えられた文字を33種類それぞれのカードの写真の中に配置した点でしょうか。

「この鳥の鳴き声には、どんな字体でどんな大きさや長さを持たせたら良いのか？」や「鳴き声の文字がカード内の写真の空間から浮きすぎないよう、鳥のいるロケーションの中で自然に響き渡るようレイアウトする」ところが悩みどころでした。鳴き声のオノマトペを文字情報としての説明だけで終わらせずに視覚化することで、文字だけ見ても鳥の姿がイメージ出来ることを目指しました。デザイナーの秋山さんと協力して写真と文字が一致してくるまで根気強く、深夜に渡り何度もやり取りのメールをキャッチボールしたのがとても思い出深いです。」

 

 

●「工夫した点について、教えてください」

 

「言うまでもなく、鳥や奥多摩の自然をテーマやモチーフとしたカードゲームではありますが、「鳥」や「自然」だけが特化することなくそこに「遊び、学ぶ」といった「人の行為」が加わりこのプロダクトがあることが、デザインとして伝えられたらいいなと制作しました。鳥を通して自然を知りたい思いをパッケージや、説明書、マップの中に感じてもらえたら嬉しいです。」

 

●「オクタマトリカルタの、ここを見てほしいという点はありますか？」

 

「全体の佇まいがどこかで見たような既存のデザインをなぞる事なく（都会的にもなりすぎず、かと言って郊外の田舎である事も押し付けすぎない）ステレオタイプのイメージから脱却して等身大の奥多摩を感じられるようなお土産のかたち。今、奥多摩に住み感受しているありのままの魅力が表せたらいいなとデザインや監修をしました。」

 

5/28（日）まで、奥多摩せせらぎの里美術館の「西多摩の表現者たち」展で、オクタマトリカルタの原画が展示されています。印刷物では伝えきれない色使いや質感。お時間のある方は原画をぜひ見にきてください。

 

 

 

 

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