昨夜は夜遅くまで娘と算数(分数の計算)をしました。別に宿題ではなく、残業でもなく。
 
学校で学んだ公式を完全に暗記しておらず、なんとか式に当てはめようと混乱する娘に対して、誕生日ケーキを何当分するかを絵に描く僕。それは手っ取り早く点数を競う競争勉強と、時間をかけて問題と向き合い仲間を思いやる自立勉強の違いでした。
 
結果夜遅くまで親子会は続きました。今週末のSUPレースを前に日中は毎日トレーニングに励む娘ですがそれと同じくらい大切な夜の時間でした。
 
 
「競争だけでは人は育たない。」
 
今、僕が海人丸二号を建造して子供たちを海に連れ出したい理由です。オーシャンアスリートとして生きる僕が、競技から学んだこと、そして海が教えてくれたことの両方が今とても納得できます。現代社会の競争とは、とにかく勝つこと=結果を優先します。でも本当に大切なことはテストや大会当日までの日々の努力=積み重ねです。
 
悲しいことに、今の世の中はその過程を評価する風潮はありません。全て結果しか評価されないのです。僕はこれまで10年以上プロの競技者として生きてきました。勝てば天国、負ければ地獄。レースはとてもシビアな世界です。周りには多額の賞金とマスメディアに縛られ結果を残すプレッシャーでドーピングする選手も、そして勝つことだけを考えて負けそうな試合には一切出ない選手も。海も陸も多くのスポーツ選手と交流しましたが、本当に尊敬できるアスリートはごくわずかしかいませんでした。
 
今から3年前、勝利至上主義がどんどん加速する世界中のスポーツに愛想が尽きてスポンサー契約を破棄。僕は再びアマチュア選手に戻りました。
そして海だけでなく陸上強化メニューと、日々変化する島の天気に完全に合わせた月齢の暮らし、そして口にするものは全て地元食材にしました。結果を残すことに対するプレッシャーから解放された僕は、毎日のトレーニングが楽しくて仕方ありませんでした。その後2年間で身長2センチ伸び、毎年ハワイで開催される世界大会の結果も上がりました。
 
 
宿題も、トレーニングも、そしてどんな仕事でも。誰かにやらされているうちは全く意味がありません。自主的にやるからこそ楽しめるし、のびのびできます。それが本当の努力=チャレンジです。そうやって努力を積み重ね何かにチャレンジできたら、自然と結果が後から着いてきます。たとえテストで100点がとれなくても、レースで負けたとしても何一つ無駄にはなることはありません。
 
自分の弱い面、内側と向き合わないと、他人と競うだけでは人は育ちません。もし親が自分の子供に自主的に勉強をさせることができたら、先生方も宿題を出す必要はないのです。
 
自分の力で漕いで、前に進む。風の方角を見て帆を上げる。サンゴ礁の形と潮の流れを読んでアンカーをうつ。教科書で覚えた星を実際に海の上で見つけ出し、それを追いかける。次世代を背負う子供達を海人丸に乗せるということは、自分の力で島を見つける。進むべき人生の道を見つけ出す力を育むということです。
 
海人丸二号が出来上がったら、多くの子供達を乗せて大きな海に漕ぎ出します。
 
 
 
 
 
「大変だね、、難航してるね。」とか「もし集まらなかったらどうするの?」
 
 
最近こんな声もありました。当然僕も人間ですからそんな声に弱気になることもありますが、その弱い気持ちを跳ね除けるように日々海に出ます。
 
このクラウドファンディング"Ready for"でお金を集めることは僕にとって大変なチャレンジです。2004年から今まで海人丸一号のメインテナンス作業をコツコツとやってきましたが、この想いが簡単に一般の方に伝わる内容ではないことも十分承知していました。自然災害で飫肥杉が腐ってしまうという現状を考えたらチャレンジすること以外に選択はありませんでした。その選択を僕は一生後悔しません。
 
これまで大きく強い世界のアスリートに挑戦し、大きな海に挑んできた僕ですが、海に跳ね返され溺れる苦しい思いも、華やかな勝利の数と比べ物にならない多くの惨敗も経験しています。でもあえて僕は子供達に伝えます。
 
 
「結果を気にせず何でもチャレンジするんだ!!結果は後から着いてくるから。」
 
 
何故ならば、チャレンジすると心に決めた瞬間、もう勝ち負け以上の価値がそこ生まれるからです。たとえ結果に繋がらなくても同じ生き方をする人と必ず心が繋がります。その”人の繋がり”こそがこの世の中で最も価値のあることだと僕は思って生きています。
 
Ready forでもレースでも、買っても負けてもただ前に進みます。僕にはただカメのように進む以外に能力はありません。
 
 
 
 
 
昨日はサメの肝臓の油を塗る準備をしました。沖縄伝統のサバニ船はニスの代わりに防水、防腐の役目があるサメの油を染み込ませます。これは海人(漁師)の父が大切に保管してあった油です。内側をサンディングし来月太陽が顔を出すタイミングを待っています。海人丸二号建造に向けこれからも淡々と地道に準備を進めたいと思います。
 
そして今週末26日(日)はレース参戦のため親子で上京します。僕も娘も最後まで全力で漕ぎ続けます。同じ想いを持った仲間との再会、そして新しい出会いが楽しみです。
 
 
残り後2週間、共感してくれる皆さんへ想いが伝わりますように、
 
 
Keep paddling. Taku
 
 
 
    ※※※ 先月沖縄で開催されたSUPレース動画です ※※※
 

 

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