【投稿論文、薬剤耐性菌の記事のご紹介】

クラウドファンディングにご支援賜り本当にありがとうございました！

まずは、今回の研究に関連する私たちの研究が、論文化されましたので、そのご紹介を致します。

我々の行っているファージ研究において、最も重要な工夫が、「病原菌の流行株に対して有効なファージを検索している」ことです。

ファージが今までなぜ臨床導入されてこなかったかを、臨床・研究両方に精通した感染症医の視点から分析し、臨床で“使える”ということを最重視して研究を行ってきました。

ファージを臨床導入する上での、“使いにくさ”の原因は、「有効な範囲が狭い」ということであると分析し、その欠点の解決のために、標的細菌の流行株に効果のあるファージを検索しました。流行株に有効なファージを使用すれば、ファージの有効な範囲を広げることが出来ます。

今の犬猫の膿皮症に対するファージセラピーにおいても、この考え方で研究を進めていますが、その前に、大腸菌（ESBL耐性）において、この考え方の正しさを立証しました。

結果として、流行株に広く感染するファージを見つけることが出来、そのことを論文にまとめ、無事、採択されました（ http://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35908876/　）。

この考え方で研究を進め、なんとか臨床導入までもっていき、膿皮症で苦しむ犬猫を減らせるよう頑張ります！

加えて、研修医、大学院の頃からずっと温めてきた、将来世界最大死因となり、認知・対策が急務な薬剤耐性菌への思いが記事になりました（https://gentosha-go.com/articles/-/47434　）。さらに、薬剤耐性菌の拡散を少しでも防ぐために、新宿サテライトクリニックで健常人への薬剤耐性菌保菌（MRSA・ESBL）検査を開始しました。

薬剤耐性菌は実は、多くの場合、自分の中で薬を飲んだりして生まれるのではなく、環境・ヒトから貰ってきて、またうつしていってしまいます。また、保有していても、健康な食生活を続けると除去出来ることも多いです。保菌検査をすることで、薬剤耐性菌に弱い高齢者などへの接触に注意を払うことが出来、また、食生活に気を付けることで保菌除去し将来的な薬剤耐性菌による死を防ぐことが出来ます。

宜しければご一読・ご拡散いただければ幸いです。