若き才能を潰させない!小型MRIによるスポーツ検診をめざして
この度は、我々のプロジェクト、「若き才能を潰させない!小型MRIによるスポーツ検診をめざして」にご協力いただき誠にありがとうございました。
終了から半年がたちました今改めて御礼を申し上げますとともに寄付終了のその後、およびその後の展望について、この場をお借りして述べさせていただきたいと思います。
プロジェクトは当初、MRI の小型化までは行えていましたが、屋外で実験を行う費用をあつめるという目的のため、つまり実験費用が必要なためにクラウドファンディングの活用を決めました。
結果当初予定の倍額の140万円のご寄付をいただきました。
この倍額の寄付で、プロジェクトは望外に、極めて順調に進んでいくこととなりました。
まず倍額のおかげで、中古車ですが、検診車そのものを購入でき、また必要な備品もほぼ取り揃えることができました。これらは倍額の寄付がなければ改めて何らかの方法で資金集めをしなければならなかったため、我々にとっては非常に貴重なものでした(中古車+備品で80万程度使用いたしました)
そして機械そのものも様々な工夫により性能がかなり向上した状態で、車載することができました。そしていただいた資金をつかって予定より多くの屋外実験を行い、検証し、更に改良を重ねていくことができました(その他の寄付金はこの屋外実験による諸費用にて使用させていただきました)。
そして改良に改良を重ね、平成30年12月15日にはついに実際に少年野球チームが練習している場所に行って、そこで実際に撮影を行うことに成功しました。

(検診車を練習場に配置し、防護ネットで覆いました)

(選手が右肘を小型MRI に挿入しています。撮影時間はおよそ5分です)

(検診車内で診断しているところです)
その画質は想定以上のクオリティで、十分に診断として使用できる画像を得ることができました。これは共同研究者である寺田康彦研究室の開発力の賜物です。

(屋外で撮影された、小5女子の肘の画像です。内側側副靭帯などのこまかな構造もよくみえます。非常に高い画質です)
したがっプロジェクト当初は得られた資金で検診車完成の道筋が見えればよい、といったくらいの目標でしたが、今は実際実物が完成しかかっており、ほぼ理想形に近い90%程度の完成度にまで到達しています(何を100%とするのは難しいです。見方によっては現在100%といえるかもしれません)。
現在は屋外野球肘検診を応募するためのホームページ開発に取り組んでおり、これを4月以降、実際に現場に移動して撮影することとしております。そしてすでに4月29日につくば市で開催される少年野球大会に、大会会場で直接検診車検診を行うことが決定しております。これは恐らく国内外でもはじめての試みであると考えられます。
ここまで急激な進歩は、改めて、倍額以上の寄付をいただいたこと、寺田研究室の研鑽の両方のおかげだと思います。
今後は、まずは来年度(今年の4月)から1年で6回の検診車検診を考えております。
それから数年は野球肘検診活動を行っていきますが、私の最終的な目標は少年少女スポーツ全体の怪我の予防にあります。その後は膝や手首などの撮影もできるように機器開発を進めて行きたいという目標を持っております。
最後になりますが、本当にこのプロジェクトに関わったすべての人に改めて心から感謝を申し上げます。いままでここまで人間の深い「善意」を感じたことはなかったので、私のこれからの人生にも大きく影響する経験ができました。プロジェクトの成功とともにこの人生経験は本当に得がたいものでした。
今後も私は少年少女スポーツの怪我の予防をテーマに、画像診断にとらわれず、幅広い活動をしていきたいと思っております。またその際は皆様にご支援をお願いすることもあるかもしれませんが、その際は何卒よろしくお願いいたします。
平成31年3月吉日
筑波大学 岡本嘉一


















