外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援教室「きらきら」には、来日間もない子どもたちだけでなく、日本生まれ・日本育ちの子どもたちも勉強しに来ています。

 

日本語はペラペラだけど…?!

 

来日間もない子どもたちは、「日本語が全然わからないから、日本での生活や学校での勉強も大変そうだな…。」とすぐに想像することができます。

 

ですが、「きらきら」の活動を通して、日常会話はペラペラとおしゃべりできる外国にルーツを持つ日本生まれ・日本育ちの子どもたちも学習面についてとても大変な状況であることがわかってきました。

 

ある日、日本生まれ・育ちの南米にルーツを持つ子ども(当時小学校4年生)と国語の問題を読んでいると…

 

「せんせい、『こたつ』ってなんなん?」

 

「日本の家にはよくあるよ。冬に使う道具で…」と、こたつの説明をすると…

 

「えー!なにそれ!はじめて聞いた!見たことないなー。」

 

▲たくさんの質問が教室では飛び交います!

 

家庭内に日本語を母語する人がいない

 

先日の記事「95%〜その数字が意味するもの。」でも触れましたが、私たちが大阪市西淀川区で出会った61組のうち世帯に日本語を母語とする人がいない家庭は58組にのぼりました。また、「きらきら」に通っている子どもたちの家庭には日本語を母語とする人がいません。

 

「きらきら」に通う子どもたちの多くは学校では日本語、家庭内ではスペイン語、タガログ語などの母語でコミュニケーションを取っています。

 

家庭訪問を重ねるうちに、家庭内での日本語の使用量が、一般的な日本人家庭と比べて圧倒的に少ないことがわかってきました。

 

日本のテレビは見ず、インターネットで母国のテレビ番組を見る家庭もあれば、日本語で書かれた絵本や本が学校の教科書以外ない家もありました。「こたつ」がわからないように、家庭内に日本の文化がない家もありました。

 

「日本生まれ・育ちのJSLの子どもの和語動詞の算出ー横断調査から示唆される語彙力の「伸び」ー)(2015年/西川朋美・細野尚子・青木由香)に、よると

 

(※JSLは、Japanese as a Second Language(第二言語としての日本語)の略です。)

 

「日本語が第二言語である子どもたちにとって、学校でよく使われる言葉は日本語で身についているが、家庭に関することばは十分に使いこなせていない」ということが記されています。また、日本語が第二言語である子どもたちは、日本語のみで生活している子どもたちに比べて自然には日本語語彙力が伸びないと考えられるということも指摘されています。

 

高校入試という壁

 

大阪府の高校受験には「日本語指導が必要な帰国生徒・外国人生徒入学者選抜」という入試制度があります。「中国等から帰国した者又は外国籍を有する者で、原則として小学校第4学年以上の学年に編入学した者」(大阪府ホームページより)が受けられる入試です。入試教科は「数学、英語、作文(外国語による記述も可)※調査書及び自己申告書は要しない。」です。

 

小学校4年生以上の学年に編入学した子どもはこの入試を利用して、受験できますが、外国籍であっても日本生まれ・日本育ちの子どもたちはこの入試制度を利用できません。日本生まれ・日本育ちの外国にルーツを持つ子どもたちは、日本人と同じ入試で勝負しなければなりません。「きらきら」に通っている子どもたちの75%の子どもたちはこの入試制度を利用できません。

 

子どもたちは日々国語の読解問題に苦戦しながらもがんばっています。動詞の意味、ひとつひとつの物の名前…「せんせい、なんやったっけ…、これ」「せんせい、これどういう意味?」

 

▲子どもたちはがんばっています!

 

日本語の語彙力や文章の読解力は他の教科の習得にも深くつながってきます。そして、短い期間で語彙力や読解力を身に付けることはできません。長期的な学習支援が必要となってきます。

 

ぜひ、子どもたちのためにサポートをお願いします。この教室を1日でも長く続け、子どもたちが学び続けられるために…

 

 

 

新着情報一覧へ