「きこえる私、きこえない私。」の企画を終えて
【感謝の言葉】
この度は、「きこえる私、きこえない私。」のプロジェクトにご支援いただきありがとうございました。皆様のおかげで、目標金額に達成することができました。30日という短い期間であるにも関わらず、たくさんの方に支援頂けたことに本当に感謝しております。
今回のイベントを通して、学校の授業では学ぶことのできないことを、たくさん学ぶことができました。
学校の授業では、「聴覚障がい」の他に、「失語症」、「高次脳機能障がい」などたくさんの「障がい」について学び、障がいのある方が置かれている状況を丁寧に教えてもらっています。「人口的にみると障がいのある方は、10人に1人いる。」これは、私たちが大学に入学してからずっと教えられていることです。ですが、一歩大学の外に出るとどうでしょうか。そこには、「普通」がありふれています。みんな普通に聴こえていて、普通に会話しています。
今回のイベントを通して、聴覚障がいを抱える方や支援する方の実際の声をたくさん聞きました。「障がい」を取り巻く問題というのは、自分からアクセスして初めて見えてくるものだと感じました。それぐらい見えにくいのです。
どの障がいでもそうですが、健常の方が当たり前にできる小さなことに、つまずいてしまいます。それを見て健常の方は、障がいを抱える人に対してつい何気なく「なんでそんなこともできないの」と言ってしまうことがあります。その言葉に、障がいを抱える方がどれだけ傷ついているか分かりますか。「仕方のないこと」で済まされることでしょうか。
聴覚障がいを抱える方の中にも、「理解してもらうことを諦めている」と言った方がいらっしゃいました。私達は、そんな方たちのためにも、心のバリアフリーを目指す自分達のためにも、「理解してもらう」ことへの訴えを続けます。
私たちの行った活動は、心のバリアフリーを目指した社会づくりへの、ほんの小さな一歩かもしれません。でも、意味のある一歩だったと確信しています。きっとこれからも、この歩みを止めることはないと思います。
最後になりましたが、今回のような素晴らしい企画を成し遂げることができたのは、企画に協力してくれた方々、この企画に賛同し支援してくれた方々、指導してくれた先生方のおかげです。本当にありがとうございました。
【結果報告】
7月14日に福井市駅前公共施設AOSSAで「きこえる私、きこえない私。」のイベントを開催しました。1階に3つ、7階に2つのブースを設置して、きこえないことによって起こる障害体験やそれらを補助する機器の体験、要約筆記の体験、障がいを考えるなどをしていただきました。スタンプラリー方式にし、すべてのブースを見てもらえるよう工夫しました。イベントでは、実際に体験をしてくださった人から暖かい声援を頂き、また、聴覚障がいについて理解が深まったというお言葉もいただきました。また、聴覚障がいの方の講演会やシンポジウムも設け、アンケートで参加者から「説得力があった」などの感想を頂きました。
【収支報告】
皆様からご支援いただいた資金は、全額今回の「きこえる私、きこえない私。」の企画のために使用させていただきました。
イベントの備品に9818円、聴覚補償機器展示に30000円、缶バッチ作成費に22680円、要約筆記派遣費に45440円、パンフレット作成費に89690円、駐車料金に4700円、お弁当代・飲み物代に8399円、ろうの支援者のインタビュー費に21565円、アンケート郵送費に3000円、講演会謝礼金に20000円、クラウドファンディング手数料に17000円、を使用させていただきました。今後、リターンの送料に10000円程度を予定しています。
リターンは8月末までに発送する予定です。発送方法は郵送です。
【今後の活動】
冊子の配布を検討しています。ろうの学校や公共施設などへもお声がけし、聴覚障がいについての理解をどんどん広めていきたいと思っています。
今回の一連の企画において、「人の話を聞き、代弁し、伝えること」の大切さを学ばせていただきました。また、たくさんの方からエールをいただき、このような活動の必要性を強く感じました。
今回のイベントで終わりにはせず、今後も障がいのある方への社会参加のお手伝いを行っていきたいと思っています。