なぜ、今回の『香港雨傘運動展』を企画しようと思ったのかとよく聞かれます。昨年10月から合計4回香港に行ったのですが、実は、最初の取材の時から今回のアイデアはありました。

 

金鐘、セントラル駅、日本でいえば、霞が関に相当する官公庁が立ち並ぶ街です。普段は車の往来がひっきりなしの6車線の幹線道路に、占拠者たちのテントが立ち並び、絵を描く人、歌う人、議論する人など、若者たちが自由に思い思いのことをやっていたのです。

 

催涙弾と警棒のイメージで、取材にあたり少し緊張していた私の想像を、いい意味で裏切ってくれました。フリーダムだけど、みんな自分たちで運動を作り上げているという意識が徹底していました。その雰囲気は、ロックフェスか学園祭。警官との衝突どころか、子ども連れが記念撮影をする観光地化していて、香港市民もその解放感を楽しんでいるようでした。

 

その場所で、日本企業で働いているという20代のOLと出会いました。彼女の生活は、ここから会社に行き、勤務が終わると、いったん自宅に帰ってシャワーを浴びて、夜はテントに泊まる、という生活だそうです。不便かと思いきや、「ここのほうが会社に近くて便利ですよ」と。

 

私が日本から来たことを知ると、「日本の人たちや、世界の人たちに、香港で何が起っているのか、伝えてください」と、私に一枚のポストカードを託したのです。 それから、モッコックやコーズウェイベイでも、いくつもポストカードをもらいました。すべて自分たちで印刷したものだそうです。写真に込められた思いが、どのポストカードからも伝わってきました。

 

ホテルに帰って、それらを眺めている時に「日本の人たちや、世界の人たちに、香港で何が起っているのか、伝えてください」という彼女の言葉を思い出しました。私の本業は雑誌に記事を書くことなのですが、この雨傘運動の空気を伝えるには、こうした香港人による写真の展示が一番ではないかと思うようになりました。

今回の写真展、当たり前ですけど、どの写真も、すべてが雨傘運動です。 子どもたちの笑顔も、催涙弾の煙も、ヒネリが効いたポスターも、なぜかキスをしているカップルも。

 

会場に来ていただければ、あなたも、この雨傘運動の雰囲気を体験できます!

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