東日本大震災では津波で多くの方が亡くなりました。

しかし、今後発生が懸念されている直下型地震においては、人命被害の大部分を建物の倒壊と火災とが占めるようになります。

 

20年前の阪神淡路大震災では、死因の大まかな数字として、倒壊した建物の家具や2階部分の下敷きになって8割、火災によって1割の人々が亡くなっています。


火災によって亡くなられた人々も、家屋の倒壊によって逃げ道がふさがれたことが原因ですから、倒壊した家屋の中に人ひとりがくぐられる空間がなるべく沢山あることが肝要です。

 

津波は個人の力で防ぎようがありませんが、建物の倒壊に対しては事前に予防することができます。
ただ、建て替えや耐震補強工事は補助制度があってもそれなりの出費をともない、経済力がなければ実現しません。
前述の通り、ベッドシェルターを設置すれば、最小限の出費で地震による建物のダメージから、ベッドを中心とした周辺空間の安全を確保できます。

 

お年寄りの場合、2階への上り下りがおっくうになり、老朽家屋での生活の場は1階のリビングと寝室とがその主体となり、逃げ遅れによる圧死のリスクが高まります。

 

ベッドシェルターには就寝中の命を守ることはもちろん、場合によっては崩れてきた2階部分をそこで支え、周辺に人が通り抜けるだけの空間を確保し、外部への避難路をつくる役割が求められます。
そのため、2階部分の総重量を1階に設置したベッドシェルターで支えられることが理想です。しかし、2階床面は一体ではなく、築年数が経っていることから変則的なつぶれ方をすることが予想されます。


その場合、柱間のスパン(距離)が長い大きな開口部(掃き出し窓のある縁側など)がある場所が本来ならば一番つぶれやすく、危ない部屋ということになります。


しかし逆に、その部屋の倒壊を防げれば、避難路として、外部に通ずる一番広くて最短の空間を確保できることになります。
ベッドシェルターはなるべく大きな窓のそばに設置することが、万が一の場合、その効果を最大限に発揮し、崩れた家屋に閉じ込められるリスクを最小にするはずです。

 

 

ブロック単体の強度

 

ベッドシェルターの壁面を構成するブロックがその強度のカギを握っています。

 

これまで行われた強度試験でブロックは1ピースあたり、平均約5tの荷重をかけると破壊されることが確認されています。
写真の実験では3穴を持つ3ピースブロックで最大垂直抗力 14.85t 、1ピースあたり4.95tの垂直荷重耐力が確認されました。

 

このことから、ベッドシェルターの天井パネルを支える壁面には40ピースが使われているので、安全率を50%と設定した場合、約100tの重みに耐えることがわかります。
これは一般的な木造家屋の2階部分(15坪~25坪)を支えるには充分な強度です。

 

最弱部分の負荷試験結果

 

ブロック単体の荷重限界から単純計算して、ベッドシェルター全体で100t以上の負荷に耐えることがわかりましたが、実際の倒壊現場ではシェルター天井パネルに一様な形で荷重がかかることはありません。

 

部屋の天井部分が落下し、続いて2階の床を支える梁(はり)がゴツンと落ちてきます。
この梁に大きな力がかかっているので、ベッドシェルターのどの部分に落ちてくるのかが大問題になります。
上の断面図のように天井パネルを支えるブロック壁面の上に乗っかかるような形であれば、問題なく2階部分の総重量でも支えることができます。
しかし、パネルの下に何も支えるものがない開口部に2階の重たい部分が落ちてきた場合が心配です。

 


そこで、このベッドシェルターの一番脆弱な部分に、集中的な荷重をかけた場合、どのくらいの荷重に耐えられるかの強度試験をおこないました。

 

その結果、最悪の負荷パターンでも19.6tの荷重に耐えうることがわかりました。
これは1000㏄クラスの小型乗用車19台分の重量であり、瓦葺の2階屋に生活用品が置かれている場合の約15坪分の重さになります。

 

実際に家屋倒壊が起きた場合には、2階部分の荷重はベッドシェルターの開口部分だけでなく、天井パネルの他の部分にも分散されて負荷されるので15坪以上の2階部分を支えることが予想できます。

 

その後、L125㎜のコーススレッド(木ビス)22本で天井パネルとヒノキトップ枠とを一体化する補強によって同じ試験をしたところ23.2tの強度増加の結果を得ることができました。

 

開口部強度試験写真
 

 

 

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