高酸素環境を提供できる機能訓練特化型デイサービスを立ち上げたい

 

 

ページをご覧いただきありがとうございます。

花野雄司と申します。

 

私は2000年から理学療法士として病院、老人保健施設、通所介護施設と様々なフィールドで臨床経験を積んでまいりました。

 

様々なフィールドで働くなかで医療保険でのリハビリテーション算定期限を過ぎてしまったいわゆる慢性期・生活期の患者様であっても十分な運動量の確保と機能回復訓練、さらに患者様ご自身が自発的に取り組むことができるシンプルなプログラム提供を行えば、まだまだ回復の余地が残されていることを痛感しました。

 

また障害を持ちながら在宅復帰されるご本人はもちろんのことそのご家族、介護にあたるサービススタッフの肉体的・精神的なご負担はその当事者でしか知りえない大きなものだと感じる事が多くあり、そういった方々の介助量を少しでも軽くすることができればと移乗介助法の指導などを行ってまいりました。

 

 

 

 

国の指針として、入院期間を短縮し在宅へと患者様を早期に戻していく流れが急速に進む中で、十分な機能訓練サービスを受けることができないままに在宅復帰を余儀なくされている方々、いわゆるリハ難民が多くいらっしゃることは社会的にも問題となっています。

 

リハ難民と呼ばれる方々は障害を持ちながらの新たな生活で様々な困難に直面します。これらに対し個別機能訓練が十分でないために対応できない・不安感が払拭できないといった理由から不活動に陥り、引きこもりや寝たきりとなってしまう方もいらっしゃいます。

 

また高齢者は健常者と比べ酸素を体に取り込む能力が低いために慢性的な酸素不足状態に陥っており、易疲労のために十分な運動量を確保できない、情報処理能力が低下しているなどの問題を抱えています。

 

結果としてただでさえ少ない介入時間の中であっても頻回な休憩を挟まなければ運動できない、セラピストの指示入力動作がスムーズにできないなどの問題を抱えているために効果的な機能回復訓練が行えないといった現状があります。

 

こうした問題に対して疲労しにくい・情報処理能力が向上する環境を付加することで短時間であってもセラピストの介入効果を高める施設を立ち上げたいと考えました。

 

 

 

  

 

【発症から半年を過ぎた障がい者がリハ専門職から受けられる機能訓練時間は極端に少ない】

 

しかし理学療法士（PT）、作業療法士（OT）、言語聴覚士（ST）といったいわゆるリハビリテーション専門職による介入を提供している施設は23％程度（厚生労働省「第146回　社会保障審議会介護給付費分科会資料）に過ぎず、そこでの個別訓練は10分程度/回（20分/週程度）にとどまっています。

 

 【短時間であっても介入効果が高い環境整備をめざして】

 今回のプロジェクトではリハ専門職による機能訓練介入が可能な機能訓練特化型デイサービスを立ち上げ、その介入をより効果的なものとするための環境構築をするために高濃度酸素環境を整える酸素濃度制御装置をリースするための資金調達を目的としております。

 

↓リース予定の酸素濃度制御装置です（有限会社ワイ・ケー・エス様より掲載許可取得済）

 

 

 

 【高濃度酸素下でのトレーニングは高齢者にとってのメリットが多い】

本プロジェクトで用いる酸素濃度制御装置とは、室内の酸素濃度（大気中の酸素濃度は21％）を変化させ、低酸素下での運動（いわゆる高地トレーニング）や、高酸素下で疲労感少なく運動が行えるようにするといった環境にアプローチする装置です。

・この装置を用い、平圧で酸素濃度を30％に設定すると、
「同負荷であっても疲労感少なく運動できる」ことが明らかとなってきました。(※1)
・また、「認知症患者の脳活動を賦活する上で効果的であり、機能回復環境として利用できる」可能性が示唆されています。(※2)

(※1)酸素濃度の相違が呼吸・循環機能に与える影響：VE・SpO₂・HR面からの検討.日本保険科学学会誌．9巻（2006）1号

(※2)痴呆症患者における平圧高酸素暴露の事象関連電位と背景脳波に及ぼす影響．リハビリテーション医学：日本リハビリテーション学会誌37（11），843－844､2000－11－18.社団法人日本リハビリテーション医学会

 

【限られた介護報酬の中でより良い環境を整えるためには皆様の支援が必要です】

環境が患者様に与える影響を考慮したアプローチ（環境学的アプローチ）を用いた整骨院やスポーツ施設などは一部見受けらるようになってきましたが、介護保険下で行っている施設は見当たりません。

 

介護保険下では同業他社と比べ高いコストをかけ良質なサービスを提供（例えば機能訓練指導員を多く配置）してもその報酬は大きく変わりません（機能訓練指導員を多く配置することで加算はありますが、配置を2倍、3倍としても加算点数の上乗せはありません）。少ない人員で多くの利用者の方に提供できる個別リハ時間は必然的に短くなります。よって短い時間でも確実に成果を上げるためには、より良い環境を提供する必要があります。しかし環境を整えることに対しての介護保険加算項目はありません。結果として設備やランニングコストに大きな費用が掛かる環境学的アプローチには自由診療枠でなければ手が出しにくいといった現実があります。

 

しかし疲労感少なく脳機能が働きやすい環境でバランス運動や持久力向上運動などの運動機能訓練や日常生活動作訓練、パズルなどを用いた認知機能訓練を行うことができれば不幸にも障がいを負った方々により効果的な介入ができるでしょう。

 

【トップアスリートから障がい者まで集えるユニバーサルな環境づくりを】