これまでの活動をご報告します
お久しぶりです、AAR Japanトルコ事務所の五味さおりです!この度は、私たちのシリア難民の子どもたちのためのクラウドファンディングプロジェクトへご支援いただき、本当に本当にありがとうございました。また、皆さまよりお寄せいただいた温かい応援メッセージも、一つ一つ嬉しく読ませていただいております。現地スタッフを含めた私たち全員にとって、非常に大きな励ましとなりました。この場を借りまして重ねて御礼申し上げたいと思います。
まずは本プロジェクトのご報告から。頂いたご寄付はトルコ南東部のシャンルウルファに設立したコミュニティセンターの運営費として大切に使わせていただいております。実は想定以上の金額を頂戴したため、全額使い切れておりません。これからもご寄付を大事に使わせていただきながら、子どもたちのために息の長い支援をできればと思っております。活動のご報告は今回だけに限らず、Readyfor内のプロジェクトページなどで、これからも継続的にさせていただく予定です。
本日は皆さまのご寄付で行ったこれまでの活動をご報告いたします。
・子どもたちへの教育活動
2017年の秋に発表されたトルコ政府の新しい方針により、シリア難民の子どもたちは公立の学校に通い、その他の一時的な教育施設は段階的に閉鎖されることになりました。
トルコの公立校で、トルコ語の授業の内容が全く分からず、授業から遅れてしまう子どもたちのために、小学校編入前の未就学児を対象とした幼児教育、小学生を対象にした読み聞かせを通したトルコ語とアラビア語の講座と算数と理科の講座、そして小学生から高校生を対象にした、学校の授業で分からなかった部分を説明する補習講座を実施しています。また、親たちもトルコ語がわからないため、補習講座では宿題の手伝いなども行っています。特に高学年になればなる程、第二言語で理解するには難解な数学・物理・化学などの科目が登場するため、それらを復習するための補習講座のコマを増やしました。
今回頂戴したご寄付は、このような教育活動を行うためのスタッフの人件費、教材と文房具の購入費用に充てさせていただいております。
・図書室の設立
10月にはコミュニティセンターで図書室をオープンすることができました。ここにはアラビア語とトルコ語の本が置いてあります。シリア難民の多くが、一つの家に何世帯も住み、子どもが静かに勉強できる場所がありません。そんな子どもたちのために、いつでも気軽に立ち寄れる図書室でゆっくりと本を読み、学校の宿題ができる場を提供し始めました。使わなくなったオフィスのパソコンも1台置き、授業で必要な調べ物ができるようにもなっています。今回のクラウドファンディングで頂戴したご寄付で、本棚と本を購入させていただきました。今後もご寄付で継続的に本を購入していきたいと思います。
・コミュニティセンターの防災対策と防災イベントの実施、その他設備の拡充
ご寄付の一部はコミュニティセンターの防災対策に使用させていただきました。シリアは地震がめったにありませんが、一方トルコは地震の多い国です。そのため、コミュニティセンターで地震が発生した場合の避難の仕方について教えるイベントも実施しました。特にトルコの公立校にも通っていない子どもたちは初めて学んだ内容だと語っていました。
また、センターの2階と3階には外に通じる非常口が無かったため、バルコニーの柵を一部切断し縄梯子を取り付け、火事などの有事の際には下に脱出できるようにしました。
加えて、ご寄付の一部で停電時に稼働する小さなジェネレーターを購入させていただきました。夏場は40℃代後半、冬場は氷点下にもなるシャンルウルファではエアコンは必須です。このバックアップジェネレーターにより、停電時もエアコンを稼働させ、講座やイベントを継続することができます。
・遠足や音楽会などのイベントの実施
最後に、寄付金は遠足やコミュニティセンターで定期的に実施している音楽会やスポーツ大会などのイベントに使用させていただいています。先日は動物園に計50名の子どもたちを連れていくことができました。イベントの何週間も前から皆楽しみにしており、当日は皆ここ一番のおめかしをしてきたのが本当に愛くるしかったです。その日一日はセンターの理科の講座で学んだ動物たちを実際に目の当たりにし、子どもたちは大はしゃぎでした。誰も動物園に行ったことがなかったそうなので、楽しさもひとしおだったと思います。悲しい思いを数多く重ねてきた子どもたちだからこそ、これからはそれを補って余るくらいの楽しい思い出をたくさん作っていってほしいと思います。
今後の予定
今後も引き続き、頂戴したご寄付はコミュニティセンターでの教育活動、図書室のための書籍の購入、イベントの実施費用に使用させていただきたいと思います。
現場に常に身を置いていると、センターに通ってくる子どもたち一人一人の過酷な事情に目をそむけたくなることも多々ありますが、現場にいるからこそ気付けること、できることを常に意識しながら、子どもたちの未来を少しでも明るいものに変える支援を続けたいと思います。
改めましてこの度のご支援に心より御礼申し上げます。
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※リターンの送付は12月中旬を予定しております。
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