前回に引きつづきAfriMedico立ち上げ時より相談にのってくれていたマラリアノーモアジャパンの水野さんから、アフリカ版置き薬プロジェクトについてアドバイスと、応援メッセージをいただいています。

 

今回の「アフリカ版置き薬プロジェクト」としての置き薬ステーションでは現地のニーズに則したものとするためマラリア検査キット(※)を導入いたします。以前より随分と改善はしてきていますが、アフリカでは現在でも1分に1人の子供がマラリアで亡くなっている現状があります。水野さんはビジネスの視点だけではなく、とにかく必要とされている人にマラリア予防蚊帳を届け、子供を亡くして悲しんでいる母親を1人でも減らしたいという思いで、長年アフリカの現地で尽力されてこられました。今回は、その経験ならではアドバイスと応援メッセージをご紹介します。ぜひご覧ください。

 

 

AfriMedico:水野さんからみた、AfriMedicoと置き薬プロジェクトへの期待とはどういったものでしょうか?また、私たちにアドバイスもあればお願いします。

 

水野さん:置き薬の着眼点はすごく面白いと思っています。置き薬の価値は「常に目の前に、また手に届く範囲の処に薬がある」ことがバリューだね。クリニックや病院まで行って、始めて問診・検査して施術を受けなくても、簡易なものだけは、自己責任で初期治療できるということ。その補完性があっただけで、救われる命や、重症化しない病気もあると思う。


それができていない現実や課題を解決できるモデルをアフリカの現地で創りましょう、ということが今回のこの置き薬コンセプト。これは本当に高い価値を生む可能性があるんじゃないかな。ただ、イキナリ各家に薬を置くというのは、リスクが確かに大きい。


また、AfriMedicoの置き薬モデルの一環として、CHV(Community Health Volunteer)としての位置づけで、診断薬も含めた薬のサービス提供としてマラリア検査キットをいれないのかな、と思っていた。というのも、アジアでは、マラリア検査キットは、医療資格のない小売店でも自由に扱えるから・・・。

 

AfriMedico:タンザニアではマラリア検査キットは誰でも購入できますが、一方で、一般の人が扱うのは心配だという現地の声も聞こえてきます。そこで、今回は置き薬ステーションを設置することで、きちんと管理できる環境を整えようとしています。置き薬の箱にまで入れられるようにするには、マラリアという病気そのものの理解や、検査キットの取り扱い方に関する教育が、何より必要だと考えています。


置き薬に入れたいというニーズがある薬やキットのなかには、マラリア検査キットのように、各家に配置するにあたって細心の注意が必要なものもあるので、今後とも水野さんはじめ各方面の専門家の方々からアドバイスをいただきながら進めていきたいと思っています。

 

水野さん:AfriMedicoがやろうとしていることは面白い。だけど、なかなかすぐには実現しにくいと思う。でもまず最初にもっていた気持ちを諦めずに、継続してやっていってほしい。

 

 

アフリカでの経験豊富な水野さんからのメッセージ、いかがでしたでしょうか?試行錯誤を繰り替えしつつですが、AfriMedicoの日本発祥の置き薬のアフリカでの定着への挑戦、是非応援して貰えたらと思います。


※注:マラリア検査キット(RDT:Rapid diagnostic tests)はマラリア原虫の抗原を検出するキットで針を刺した血液を検査紙で陰性陽性の判断をします。

 

■プロフィール
水野達男氏
NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパン専務理事兼事務局長。
北海道大学農学部を卒業。22年間の米外資系企業勤務を経て、1999年、住友化学 株式会社に入社。日本国内や南北アメリカ市場における農業製品のマーケティングを手がける。2007年、アフリカのタンザニアでマラリア予防蚊帳「オリセットネット」を製造・販売するジョイントベンチャーの日本側リーダーに就任。現地の合弁工場の開設、年間3000万張りの生産体制の確立、一般市場の スーパーマーケットでの販売、研究所の設立などを行い、事業を軌道に乗せた実績を持つ。2012年11月から現職。イベントや講演による啓発活動や、マラリア対策の事業開発などに取り組む。また、これまでの経験を活かして企業の海外ビジネス支援や研修の講師を務めるなど、幅広い分野で活動している。


 

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