女子が「見えない弱者」になる前に。緊急支援基盤の強化を急げ。

ご支援者さまから、大変貴重なご意見とご質問をいただきましたので、こちらで回答させていただきます。

 

今回の「緊急支援基金」拡充に向けたクラウド・ファンディングは、他の多くのクラウド・ファンディングとは異なり、「今後起こり得る人道危機や自然災害」への対応を可能にするためのチャレンジです。このことから、例えば、「カンボジアでの学校建設に使います」「伝統工芸の担い手育成のための研修実施に充てます」などど、現時点で、明確な使途をお示しできません。

 

それでも、ケア・インターナショナルの緊急支援実績への厚いご信頼をいただき、また弊財団の掲げるビジョンやミッション、そして基金の重要性にご共感いただき、これまで100人を超える皆さまにご支援をいただいておりますこと、心から感謝致します。

 

クラウド・ファンディングの挑戦も、残り2日となりました。皆さまのご支援で、しっかりと透明性の高い活動を実施して参りたいと思いますので、ご協力のほど、よろしくお願いします。

 

Q．ここ数年の緊急支援の実績は？

CAREは年間およそ60に及ぶ被災地や紛争地において、人道的な緊急支援を行っています。そして、1年間で延べ1,400万人の難民や国内避難民、そして自然災害の被災者に支援を届けています。

 

そして、日本事務所としては、近年、世界中のCARE事務所と連携を図りつつ、以下の緊急支援を行いました（現在実施中のものを含む）。

 

◆2018-2019年     スラウェシ島地震被災者緊急支援事業

◆2017-2019年     ミャンマー難民緊急支援事業

◆2016年             熊本地震被災者支援事業

◆2015-2018年     ネパール大地震被災者緊急支援事業

◆2013-2016年     シリア緊急支援事業

 

Q．緊急支援を実施するための資金は、どのくらい不足しているのでしょうか？

例えば、ミャンマー難民支援の場合。初年度の2018年度こそ、ケア・インターナショナルとして目標とする1,000万ドルの資金調達目標を達成し、当初計画した支援活動を実施することができました。しかし、2年目、3年目と、人道危機が長期化するにつれ、活動資金不足が顕著になってきています。

 

以下の表は、2年目と3年目にCAREが目標とした金額に対するファンディング・ギャップを、年度ごと、支援活動ごとにお示ししたものです。2年目の2019年度は156万ドルが不足し、3年目の2020年度においては944万ドルもの資金不足が想定されていることが分かります。

 

このように長期化する難民問題などにおける緊急人道支援、そして自然災害発生後数か月が経過してからの復興支援などにおいては、メディアや人々の関心も集まりにくく、寄付や支援を集めることが格段に難しくなるという一面があります。

Q．緊急支援に際して、どのような方法で資金を調達するのでしょうか？

多くの場合、中長期戦略や支援計画をもとに、ケア・インターナショナルとしてグローバルで集めるべき資金調達目標が決められます。そして、日本を含む世界14か国のメンバー国は、被災地や紛争地の状況（緊急レベル）や自国内の関心度などを総合的に判断し、実際に募金活動を行うか、行わないかについて決定します。

 

日本で緊急募金を行う場合、原則として、これまでにご寄付をいただいた既存支援者の皆さまにダイレクトメールを郵送すると同時に、Eメール、ホームページ、SNS、募金ポータルサイトなどを通じて、広く一般の皆さまにも、募金へのご協力をお願いします。また、個人に留まらず、団体や企業などにも、直接、ご支援のお願いをする場合もあります。さらに、人道危機が長期化するような場合においては、外務省やジャパン・プラットフォームなどへの助成金申請を行い、年間数千万円規模の事業を複数年間実施することもあります。

 

Q.クラウド・ファンディング実施前の段階で、「緊急支援基金」には、いくらかの資金が集まっていたのですか？

 

ケア・インターナショナル ジャパンが設置する「緊急支援基金」については、これまでも弊財団ホームページに限定して、オンラインからのご寄付を集めておりました。しかし、積極的なキャンペーンを行っておらず、クラウド・ファンディング実施前にプールできている資金は115,000円でした。これでは、十分な対応ができないため、クラウド・ファンディングを計画しました。設定した200万円は、第一目標です。今回のチャレンジが終了しても、引き続き、ホームページ等で基金拡充に向けてのご支援を呼びかけて参ります。

 

 

Q．「緊急支援基金」を募るクラウド・ファンディングに挑戦した理由、背景は？

多くの緊急支援において、「十分な資金が集まらないこと」も課題ですが、「人道危機に陥った直後、もしくは自然災害が発生した直後に支出できる資金が圧倒的に少ないこと」も同様に、大きな問題となります。

 

なぜなら、緊急募金活動により、最初の数か月から半年ほどで多額のご寄付が寄せられても、紛争の只中にいる人々や発災直後の被災者は、その資金では救うことができないからです。緊急支援フェーズでの資金不足は、直ちに人々の命に係る重大な問題となり得ます。

 

このようなことから、有事が起きる前から十分な備えをし、緊急募金を実施する前の段階でもすぐに活動資金を拠出して現場での対応ができるよう、「緊急支援基金」の拡充を、今、行うことが重要であると考え、今回、「緊急支援基金」を募るクラウド・ファンディングを行うことにしました。

 

同時に、自然災害が頻発し、難民問題も長期化する中、支援を必要とする人々は増えているにもかかわらず、圧倒的に資金が不足している現状を、この機会に多くの方に知っていただきたいという想いもあります。知っていただくことで、少しでも共感いただき、具体的な行動につながればと切に願っています。既に100人を超える皆さまからのご支援を頂いている状況に、スタッフ一同、大変勇気づけられています。本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。最後まで、応援のほど、よろしくお願いします。